第117話 オースの森の調査
パナムのギルド支部から外に出る。すぐ傍に停めてあった馬車の近くに戻ると佐瀬たちが数人の冒険者たちと何やら揉めていた。
「仕事中だって言ってるでしょ? ナンパなら他所でやってくれない?」
どうやら同業者にナンパされているようだ。ブルタークの街でも少し前まではよく見てきた光景であったが、雷帝の異名が広がると共にそれも少なくなった。
「そう言うなよ。何だったら俺たちが手伝ってやるぜ? 俺たちはB級冒険者だからな!」
「そうそう。金も取らずサポートしてやるぜ? その代わり、嬢ちゃんたちの身体で支払ってもらえれば、それでいいからよぉ!」
見目麗しい彼女らをギルドの中に入れると揉めるかと思ってここに残したのだが、困った連中というのは本当に何処にでも沸いてくるもののようだ。
俺は深い溜息をついた後、不埒な考えを持つ冒険者たちに声を掛けた。
「手伝いは無用だ。それにギルドの報酬を身体で肩代わさせるなど、規約違反じゃないのか?」
「あァ?」
「なんだ、このチビ助は?」
「テメエはお呼びじゃねえんだよ! 殺されたくなかったら失せろ!」
このチンピラ以下の屑共がB級冒険者だというのだから、連合国の質は本当に程度が低いらしい。
「君たち、この依頼は彼女らにお願いしているので、横やりは止して頂こうか?」
流石にこの状況はギルド職員としても看過できないのか、カータ氏も苦言を呈した。
「何だぁ、おっさん?」
「アンタが依頼人かぁ?」
「なら丁度良い! 俺たちも一緒に雇ってもらおうか! これなら良いだろう?」
一体どういう思考回路をすればこんな発想に思い至るのか、とことん議論してみたいところだが、これ以上開拓村の村民たちを待たせる訳にもいかなかった。
カータも同じ考えなのか、彼らの提案をバッサリ切り捨てた。
「私はゼトン支部のギルド職員で、この依頼は副ギルド長直々の指名依頼となります。よって君たちの出番はない」
「ぎ、ギルド職員!?」
「ゼトン支部の奴らが、何で!?」
まさか絡んでいた相手がギルド職員と、その指名依頼を受けた冒険者だとは思いもせず、男たちはあからさまに狼狽えていた。
「それでも文句があるのでしたら、お名前とパーティ名を教えてくれないか? 私が直々に副ギルド長へお伝えしておこう」
「……ぐっ!」
「……ちっ、行くぞ!」
流石にこれ以上は不味いと思ったのか、男たちは舌打ちをしつつもパナムギルド支部の中へと逃げ込んで行った。
「全く、ここの冒険者と職員は……」
どうやらゼトン支部もパナム支部の現状には嫌気が差しているのか、カータは愚痴を零していた。
「もう、何なの!? あの人たち!」
「ホント、連合には碌な冒険者がいないわね!」
シグネと佐瀬が不満を募らせ、名波だけは連合国のギルド職員であるカータの手前、苦笑いを浮かべるのみに留めた。
「申し訳ありません。とにかく先を急ぎましょう」
これ以上この場にいても碌な目に合わなそうなので、俺たちは馬車を走らせオースの森を目指した。
ゼトン支部から来たギルド職員カータと白髪の少年冒険者が去って行く後姿を、パナム支部の職員は忌々しそうに睨みつけていた。
「ちっ、これだから融通の利かないゼトンの連中は……! しかし、このままでは不味い。まずは代表へ使いを立てて、それと同時にこちら側でも何か手を打っておかねば…………」
職員は偶々その場に居た顔見知りの冒険者を掴まえ、今の出来事を統制局へ伝えるよう使いを出した。
それとは別に、ゼトンから来たギルド職員と冒険者を急いで止めねばと手段を考えていた、丁度その時――
「ちっ、何でゼトンの連中がこんな所に……」
「しかし、あの女たちは惜しかったなぁ……」
――正にうってつけの駒が現れ、ギルド職員は心の中で小躍りをするのであった。
「…………という訳だ。やり方は君たち≪猛き狩人≫にお任せする。すぐにあの食糧をどうにか処理して欲しい」
≪猛き狩人≫に所属している冒険者たちは、ギルド職員から先程揉めた冒険者たちを妨害するよう依頼され、そのリスクについて考えた。
「…………当然、ケツは拭いてくれるんだろうな?」
「ああ、勿論だ。人員やタイミングも任せるが、なるべく早急にケリを付けて欲しい。ちなみに≪猛き狩人≫の本隊は町にはいないのか?」
「ボスたちはダンジョンの中だな。明後日には戻ると思うが、相手の戦力は女子供四人とギルド職員だけだろう? だったら俺らと町にいる連中だけでも十分だ」
冒険者たちは口角を上げニヤリと邪な笑みを浮かべた。
これは完全に裏の仕事だが、報酬もそこそこなのと、何より今回はその標的たちが魅力的だ。ギルド職員は直接的な表現は避けたが、実質殺してでも食料を奪い取れという指令である。その副賞としてあの綺麗な女冒険者たちを好きに出来ると聞いた下種な男たちは内心喜んでいた。
(あんな女、逃すのは惜しい! ボスたちの到着を待っていたら報酬も山分けになる。だったら俺らと、後数人ほど人数を集めれば十分だ。その後は…………)
男たちの中では既に依頼は達成されたも当然という考えで、後はその報酬をどうしてやろうかと妄想を拡げるのであった。
相手が自分たち以上の実力者だとは露知らず…………
パナムの町から南下するとすぐにオースの森が見えて来た。開拓村は森を入り、すぐ傍の浅い場所に設けられているらしい。
森を切り開く事もう5年は経つ村だが、周辺には厄介な魔物が多いらしく、開拓作業は難航しているそうだ。
(苦労しているのは、どこも一緒か……)
思えば俺が初めて辿り着いた開拓村も長年森の奥へと進めずに難儀していた。魔物を一時的に間引く事は出来ても、その棲み処から完全に追いやるのには並々ならぬ労力が必要なようだ。
魔物の討伐以外にも当然作業はある。木々を切り倒して整地し、道を作っていく作業はそれだけで重労働だ。重機もないこの世界ではスキルでもなければ一朝一夕で成果が出るものではない。
だがここ最近、急に開拓村周辺の魔物が消え、開拓作業自体は捗るようになったが、同時に異常気象による作物の不作という事態に見舞われてしまった。それに加えて野生動物も森から姿を見せなくなり、食料の自給自足が非常に困難になってしまったのだ。
食う物が無ければ人は働けないのだ。
「着きました。ここが西の開拓村です」
現在オースの森には東西に開拓村が有り、ここは西の開拓村と呼称されている。ここが村として認可される事になれば、晴れて村にも名前が付くのだろう。
俺は馬車の中から開拓村の様子を伺っていた。今は秋真っ盛りで収穫シーズンの筈だが、畑に人の姿は見られない。それと事前に聞いてはいたが、森の中はとても寒かった。
「うわっ、寒い!」
「もっと厚着して来れば良かったかも……」
「でも、風はそんなに強くないよ?」
佐瀬も名波も寒そうにしていたがシグネだけは平気そうであった。リトアニアは日本より寒いらしいので、これくらいの気温なら問題ないのだろう。
逆にギルド職員のカータさんはとても寒そうにしていた。バーニメル半島は年中温暖な地域なので、半島生まれの彼には厳しい寒さなのだろう。
「こ、これは……急いで食糧を卸した方が良さそうですね」
本人が寒いのもあるだろうが、それ以上に村人の活気が無いのも気掛かりなのだろう。
殆どの者が屋内に閉じこもっているのか人影が少なかった。寒さに加え食料不足ともなると、体温の低下も懸念された。
俺たちはカータ案内の下、開拓村の村長へと挨拶しに向かった。どうやら村長はこの寒さと高齢が祟って床に伏しているらしいが、その長男が村長代行として俺たちを出迎えてくれた。
「ゼトンからの支援物資となります。どうかこれで凌いでください」
「おお! ありがたい! もう備蓄が底を尽きかけていたんだ……本当にありがとう!」
早速村長代行は人手を集め、村の広場で炊き出しを行なった。支援物資には毛布類も含まれていた。普段から薄着だった開拓村の人たちには備えが無かったので、こちらも非常に感謝された。
この寒い異常気象の中、節約を強いられていた村人たちだったが、この日ばかりは皆に笑顔が戻った。腹が膨れると元気が出た男衆が支援物資を大事そうに村の倉庫へと搬入していった。
「これだけあれば当面は持つ! 本当に助かった!」
「ありがとうございます!」
村人たちにも感謝され、それぞれが一息ついたところで、俺たちは早速森の様子について村人たちに話を伺った。俺たちにとっては、そちらの任務が本命なのだ。
「――と言ってもなぁ。俺たちにもよく分かってねえんだ」
「少し前から動物や魔物の姿がめっきりと減ったんだ!」
「丁度その頃だったなぁ。やけにこの辺りが冷え込んだのは……」
村の男たちから話を聞く限りだと、やはり気温の変化と魔物たちの減少はほぼ同時期に起こっているらしい。何かしらの因果関係があるのだろう。
殆どが事前に聞いていた事だが、目新しい情報もあった。魔物や動物たちはどうやら森の東側に去って行ったというのだ。
(……何かこの辺りに魔物たちが逃げるような存在があるという事か?)
これ以上は実際に森の中に踏み込んでみないと分からないので、俺たちは到着早々本日から調査を開始した。
「私は村の中で待機しております。何かあれば直ぐに知らせてください」
「分かりました。日が暮れる前には戻ります」
カータにそう告げた俺たちは、まだ開拓されていない森の深くへと踏み込んだ。
「どう、留美? 何か気配を感じる?」
「んー、この辺りには魔物や動物はいないみたいだね。それっぽい気配を感じないよ」
佐瀬に尋ねられた名波は首を横に振りながらそう答えた。
「魔物が逃げるとなると、やっぱりより強い魔物が出たと思うんだが……」
だが、それだとこの異常気象の正体が腑に落ちない。流石にシグネの主張する”魔物が冷気を放っている説”は否定したいところだが……
(名波が魔物を感知できない距離で異常気象が起こっている。もし仮にそれが魔物の仕業だとしたら、超広範囲に影響を及ぼしている存在という事になる。流石にそんな出鱈目な魔物はいないだろう……)
噂に聞く魔物の頂点たち、≪
(沿岸部と言ってもここは陸地だぞ? リヴァイアサンがこの近海に居るって事は……無いよな?)
伝説によると海王リヴァイアサンは島のような巨体だそうで、海洋を自由に泳ぎ回り、接近すると辺りが霧で包まれると噂されていた。その霧に合わせて気温も低下するそうだが、今のところそんな現象は見られない。
何よりそんな巨体なら陸地に近づく事は不可能なはずだ。かの化物が上陸したという記録はなく、リヴァイアサンは大海にしか現れない災厄とされていた。
(討伐難易度EXやSSSの化物どもは別として、SSやSクラスならどうだ? 広範囲で冷気をまき散らして、周囲の魔物を怯えさせるような存在……)
大国でも討伐難易度Sクラス以上の魔物は持て余すと聞いている。高ランクの魔物ならそれくらいの芸当が出来ても不思議ではないが、そこまでの冷気を操る魔物は俺も寡聞にして聞かない。
森を適当にふらついて二時間ほど、森林スライム一匹とゴブリン二匹には遭遇したが、この規模の森をこれだけ歩き回った成果がたったそれだけというのは明らかに異常だ。
「んー、もっと奥かなぁ。まるで気配を感じないよ」
「でも、何だか気温が下がってきてない?」
「う、うん。私も少し寒くなってきた……」
最初の一時間は開拓村の近くを散策したが、試しに奥へ奥へと進んでみたらグッと気温が低下してきたのだ。どうやら森の奥へ進むほど異常気象も顕著になるみたいだ。
「この気温差が偶々なのか、それともずっと奥に何か原因となるものがあるのか……」
「どうする? もっと奥へ進む?」
早く原因を突き止めたいのは山々だが、そろそろ帰る時間を考慮しなければならない。その原因を見つける頃には日も暮れてしまうだろう。
「……一度戻ろう。明日はエアロカーで探索してみるか。空からなら何か分かるかもしれない」
「そだね。早く帰ろう!」
「さ、寒い……!」
俺たちは身を震わせながら開拓村の方角へ歩を進めた。
村へ戻る道中、少しだけ寒さが和らいだ。やはり時間帯による気温変化などではなく、位置が影響しているようだ。
(……森の奥に何かがあるのか?)
頭の中であれこれ考え込んでいると、突如先頭を歩く名波が足を止めた。
「……待って! 気配がする! それも悪意を感じる……5……6……うん、全員で6人敵がいる!」
「「「っ!?」」」
俺たちはすぐに戦闘の準備に取り掛かったが、その悪意を持った連中はまだこちらの位置を捕捉していないのか、一向に姿を見せない。試しに俺も【探知】スキルを試してみたが、場所が遠すぎるのか反応が無かった。
やはり、こと索敵に関しては彼女に一日の長があるようだ。
「これは……村へ帰る道の途中で隠れている? 待ち伏せしている形だねぇ」
「完全に俺たち狙いという訳か」
仮に村を襲う賊であれば、今頃そっちで大騒ぎになっている筈だ。ここまで騒音が聞こえてきてもおかしくはない。とすると、その襲撃者たちは村よりも俺たちに用があるのだろう。
「誰だと思う? 私は昼に絡んできた冒険者に今夜のおかずを一品賭けるよ!」
「私も同じく冒険者に一票!」
「うーん、飢えて野盗化した人かしら?」
「君たち、随分余裕だねぇ……」
ちなみに俺はパナム支部ギルド職員の手下に一票だ。
「さてさて、一体どちら様かな?」
名波は既にやる気満々で歩き始めたが、それに佐瀬が待ったを掛けた。
「ねえ、別に馬鹿正直に行かなくても、≪隠れ身の外套≫で奇襲すればよくない?」
「「ええ~!?」」
佐瀬の発言に名波とシグネが揃って不満そうな声を上げた。
「それじゃあつまんないよ!」
「勝ち確だと油断してニヤケ面している賊を正面から倒す方が面白いよ!」
「うーん、それもそうねぇ」
どこか歯切れが悪い感じだが、二人の意見に佐瀬が折れてしまった。
「……俺、どこかで育て方を間違ってしまっただろうか……」
段々荒事を好む冒険者色に染まっていく三人に、俺は若干引きながらも後をついて行った。
「よぉ、お嬢ちゃんたち! 命が惜しければ武器を捨てて投降しな!」
「ひひひ、ついでに服も全部脱いでもらおうか!」
「白髪のガキだけは逃げても良いぜ?」
半分予想通りというか、賊の正体は先刻ギルド前で佐瀬たちに絡んでいた冒険者たちであった。その他に三名ほど知らない者も追加されていたが、恐らく仲間を引き連れてきたのだろう。
「やったぁ! 正解だったね!」
「サヤカ
「くっ、まだよ! もう半分が野盗かもしれないじゃない!」
突如喜んだり悔しがったりする女性陣に賊たちは困惑していたが、自分たちが侮られていると分かると、顔を真っ赤にして怒鳴り散らした。
「何をふざけていやがる! テメエら、状況が分かってねえのか!?」
「命が惜しければ、早く武器を捨て――」
「――うっさい! 【ライトニング】!」
「「ぎゃああああっ!?」」
八つ当たり【ライトニング】に冒険者たちの悲鳴が木霊した。
賊の襲撃は僅か1分足らずで制圧完了した。どうやら佐瀬が“開幕ぶっぱ”した男が賊たちの最高戦力だったらしく、後は有象無象で容易に拘束する事が出来た。
現在は対上級冒険者用に購入しておいた鉄の鎖でしっかりと拘束し、目が覚めた男たちに尋問をしていた。
「で、アンタらの目的は?」
「…………」
「えい!」
「ぐあああああっ!?」
俺は黙ったままの男にナイフを突き刺した。
「な、何をしやがる!?」
「心配すんな。ちゃんと治してやる。【ヒール】!」
俺はナイフを抜くと、刺した箇所に手を当てて傷を癒した。
「なっ!? 傷があっという間に……っ!?」
「これで分かっただろう? 沈黙はブスリ、これがルールな? じゃあ、次の人。君らの目的は?」
「ひっ!? お、お前らの後を追って、そのぉ……た、楽しもうと思ったんだ!」
男の発言に女性陣からは一気に冷たい視線が向けられた。
「じゃあ、次の人! 理由は本当にそれだけか?」
「そ、そうだ! それだけだ!」
『イッシン、今のダウト!』
佐瀬が念話越しに虚偽がある事を教えてくれた。
「ふーん、本当は依頼されてたんじゃない? 例えばパナム支部の職員とか」
「ち、違う!」
『それもダウト!』
どうやらパナム支部の職員も一枚噛んでいたようだ。俺も賭けておけばおかずが増えたかな?
そこから俺たちはナイフにヒールと≪審議の指輪≫を駆使して、賊たちの背後関係を洗いざらいにぶちまけさせた。
そこで判明した事は、なんと彼らは三大クランの一つ、≪猛き狩人≫のメンバーで、今回の襲撃は例のいけ好かないギルド職員から秘密裏に依頼されたそうだ。その背景にはどうもこのオース地区を取り仕切るタイロン家の思惑が関係しているようだ。
依頼内容はあくまで開拓村への食糧提供阻止に重点を当てていたらしいが、彼らが欲をかいて真っ先に俺たちを狙った結果がこのありさまだ。
(さて、これはどうやって解決したものか……)
真っ先に頭を過った案が、“殺してしまえばいい”であった。少々短絡的過ぎる考え方だが、如何せん俺は相手の死すらも
(こいつらを殺した場合、次に食料を狙ってくる連中が来るまで、若干の猶予は出来る。だが、それでは根本的な解決には至らない)
かといって、他の良い解決案も思い浮かばない。
であれば、一番楽なのは――――
「――――という訳で、賊を6名捕らえました」
俺はカータさんに全てをぶん投げることにした。
そもそもこれはオースに住む連中の問題で、俺たちはそれに巻き込まれただけの話だ。開拓村の連中には気の毒だが、今の歪んだ政治体制を変えない限りはどうしようもない。
(まさかタイロン派閥の者を皆殺しにする訳にもいかないしな)
俺が事情を全て話すとカータは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「まさかパナム支部と≪猛き狩人≫が、そこまで腐り果てていたとは……」
「実行犯はその一部だけで、クラン全体が動いている訳ではないようですけどね」
ちなみにこの件は開拓村の人たちにはまだ報告していない。ここの食糧を狙っていたと告げようものなら、間違いなく賊連中は袋叩きにされるだろう。そうなると後々面倒事に発展しそうなので伏せていた。
「分かりました。とりあえず、この者どもは村長代行に相談してどこかに拘束しておきましょう。この一件は直ぐにゼトン支部へ報告しておきます。皆さんはこのまま森の調査を続行してください」
「了解です」
こうして俺は、面倒事を全てカータ氏に押し付ける事に成功するのであった。
◇◆◇◆ プチ情報(スキル紹介) ◇◆◇◆
スキル名:【走力】
タイプ:強化型
系統:能力系
分類:適性スキル
レベル:1
主な所持者:名波
走る速度を向上させる適性スキル。このスキルを持っているとクラスで一番足が速くなるレベル。
スキル名:【脚力強化】
タイプ:強化型
系統:能力系
分類:技能スキル
レベル:1
主な所持者:不明
瞬発力を一時的に向上させる技能スキル。常に効果がある訳ではないが、【走力】以上の効果がある。
スキル名:【カリスマ】
タイプ:恩恵型
系統:補助系
分類:適性スキル
レベル:1
主な所持者:シグネ、蛭間総理大臣
魅力度を向上させるスキル。単純な増加ではなく割増しなので、本来備わっているカリスマ性が乏しいと効果が薄い。
また意志が強い相手にも同じく効果が薄い。
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