第112話 予期せぬ再会

 王都で新型ゴーレムの技術提供をするという依頼は一段落したが、俺はまだ王都に滞在していた。


 それと言うのも————


「相変わらず元気そうで何よりだ」


「父上の方こそ。西方軍が籠城戦に追い込まれたと聞いた時は、肝が冷えましたよ」


 ————何故かランニス親子と一緒に食事を取っていた。



 お役御免となった俺はブルタークに帰ろうとしたが、ランニス子爵に声を掛けられ、ケイヤと一緒にランチへと誘われた。


 しかも店に案内されるとケイヤだけでなく、彼女のひとつ上である兄君、三男のカイル・ランニスも同席していたのだ。


 久しぶりに再会したランニス一家の食事会に、何故か俺が同席していたのだ。


 カイルから話しかけられる。


「君が新型ゴーレムの所有者か。俺は丁度勤務中だったから見れなかったけど、王城での騒ぎは城下町の兵舎まで届いていたぞ」


「あー、それは大変お騒がせしました」


 ランニス家は長男が継ぐ予定であり、次男と共に領地で暮らしているらしい。母は既に病死しており、姉二人は嫁いだそうだ。


 三女のケイヤ同様、三男であるカイルも子爵家のしがらみはなく、成人後は家を出て軍属となり一兵卒から隊長職にまで上り詰めたそうだ。


 王都を巡回する兵士という職業柄、平民や冒険者と接する機会も多く、俺にも気安く語り掛けてくれる人格者だ。


(ケイヤ自身の話だと、長男、次男とはそりが合わないらしいが…………)


 以前ケイヤから聞いた話では、上の兄二人は文系で、末っ子の三男カイルは体育会系だそうだ。ケイヤも昔から勉学より身体を動かす方が好きなので、カイルとは一番仲が良かったらしい。


「父上とイッシンがフローリア殿下と一緒にお見えになった時は、私も驚きましたよ」


 あの場にはケイヤもいた。俺たちの姿を見て驚いていたのが印象的だ。


 だが、あの騒動は子爵も予想外の出来事であったらしい。


「殿下が目新しい魔道技術に興味をお持ちなのは知っていたが、まさかあそこまで心を乱されるとは、私も知らなんだ……」


「父上は立場上、あまり王都には来られないですからね。フローリア様の底なしな知識欲は、ここではちょっと有名ですよ」


 カイルが父親をフォローしながら笑みを浮かべた。


(あの王女様、ゴーレム君を見て大はしゃぎしていたからなぁ。もしゴーレムの素体かコアが手に入ったら、間違いなく再び王都に呼び出されだろうな)


 依頼が持ち越された分、今後の苦労を考えると憂鬱だ。いっそ今回で一気に片をつけておきたかったが……


「陛下があのように発言した以上、私もマルムロース侯爵も君を取り入る事は難しくなった。それでも君には恩もあるし借りもある。ゴーレムの一件に限らず、何か困った事があれば言ってくれ。私に出来る範囲で助力しよう」


「それは何とも心強いです。今後も≪白鹿の旅人≫を宜しくお願い致します」


 少し前までは貴族とあまり関わり合いになりたくなかったが、俺たちの立場上、最早そうもいっていられない状況となった。


 その点、ランニス子爵であればある程度の信用が置ける。


 実は侯爵にも別れの際、子爵と似たような事を言われたので、貴族絡みで何か問題が生じれば、遠慮なく二人を頼らせてもらう腹積もりだ。



 俺は先行きに不安を覚えながらも、テーブルマナーに気を遣いながら食事をするのであった。






 子爵にカイルもだが、ケイヤも相当忙しい身らしく、食事を終えるとすぐに解散となった。


 別れ際にケイヤから声を掛けられた。


「イッシン。分かっているとは思うが、帝国には気を付けろよ? あのゴーレムは少々目立ち過ぎる。今後は目を付けられるかもしれない」


「……だよな。ま、ただではやられないさ!」


 こちとらB級冒険者だ。ある程度の理不尽を跳ね返せるくらいの力を身に着けたので、今後はある程度自由な立ち振る舞いが出来るだろう。


 俺の発言が虚勢で無いと察したのか、ケイヤが柔らかい笑みを浮かべた。


「本当に開拓村の時とは見違えるほど頼もしくなったな。今のお前となら、魔法抜きで勝負しても分からないかもしれないな」


「それは最高の誉め言葉だよ。それじゃあな!」


 俺はケイヤと別れの挨拶をして王都を発った。


 往路は侯爵、子爵と一緒に来たが、二人ともまだ王都で所用があるらしい。俺だけ一足先にブルタークへ戻らせてもらう事になった。








 エアロカーは佐瀬たちが持っているので、俺は駅馬車を利用してブルタークへと戻って来た。王都エリアまでは新東京から発せられる魔導電波が届かない為、佐瀬たちとは長い間連絡が取れていなかった。


 宿に戻りスマホの電源をONにすると、色んな通知が一斉に着た。その中に佐瀬たちのメッセージも含まれていた。


(三人は……鹿江町か。そういえばダリウスさんたちに戦争の件を報告していないな)


 佐瀬からのメッセージで、彼女たちは現在鹿江町にいる事が分かった。俺の魔力が無くても今の佐瀬ならエアロカーを飛ばす事は可能だ。流石に長距離は無理でも鹿江町までの距離くらいなら一度の魔力補給で辿り着けるはずだ。


 エアロカーの動力源として取り扱っているマジックアイテム≪魔法の黒球≫は、一番多くの魔力補給をした者しか操縦権がないのがネックだ。


 俺が王都に旅立つ前、黒球の魔力を全て使い切っておいたので、今は魔力を籠めた佐瀬しか操縦できない仕様になっている。防犯面ではそれが役に立つのだが、扱いどころの難しいのが欠点だ。


(あー、もう一台エアロカー欲しいなぁ。それとゴーレムももっと増やしたい!)


 ただ王都の研究所を差し置いてゴーレム2体目を連れ回すのは避けた方が無難だろう。エアロカーも所持している事が露見したら王政府が……というより、あの王女様が煩そうだ。悪い子ではなさそうだが、少々研究馬鹿な気質に思えた。


(ん? 長谷川さんからもメールだ。“国境の厳戒態勢も解除されたから、そろそろ視察団を向かわせる“、か)


 併せて、宇野事務次官が帝国との戦争について色々聞きたがっている旨も記載されていた。これから国交を結ぼうと考えている国が攻められたのだ。少しでも情報を集めようとするのは当然の対応だろう。



 俺はとりあえずブルタークに戻ってきたことを佐瀬に伝え、ついでに長谷川にも返信しておいた。


 鹿江町は魔導電波の圏内で、すぐに佐瀬から返信が届いた。今夜辺りには一度こっちに戻る予定らしい。


 俺はそれまで久方ぶりに一人でゆっくりと昼寝を堪能した。








 佐瀬たちと合流して翌日、俺を加えて≪白鹿の旅人≫総員は再び鹿江町へと飛んだ。ダリウスさんたちに会うためだ。



「この度は、娘さんを危険な場所に居合わせてしまい、大変申し訳ございませんでした!」


 リンクス夫妻と久しぶりの再会をすると、俺はまず頭を下げて謝罪した。


 俺は彼女たちの大事な一人娘を預かっている身だ。それなのに戦争に参加させた上に、前線にまで担ぎ出してしまった。シグネ自身は誰一人として人を殺していないはずだが、それでも戦争に加担している。それは許されない行為だと思っていた。


「イッシン君、顔を上げてくれ」


 シグネの父親であるダリウスがそう告げると、俺は恐る恐る顔を上げた。彼の表情は怒っているようではなく、少し困った表情を浮かべていた。


「この子の親として、娘には当然戦争になぞ参加して欲しくはない。だが、この辺りはしょっちゅう戦争が起こる世情だという事は私たちも知っていた。娘を冒険者として旅立たせる許可をしたあの時から、この子が人の生死に関わる場面に出くわすであろう事は、私も妻もとっくに予想していたんだよ」


 どうやら俺は思い違いをしていた。二人はそう遠くない未来、娘が死地へ足を踏み入れる時が来るであろう事は、既に覚悟をしていたのだ。


「それでも願わずにはいられない。娘の命と笑顔を守ってあげてくれ。勿論、君たち自身もだよ? 私は君たちほどの力は無いが、相談に乗るくらいならできる。もし何か迷うような時があったら、偶にはこうやって顔を見せに来てくれ」


「ダリウスさん……」


「それに実を言うと、戦争の件は結構前から知っていたんだけどね。娘からもちょくちょくメッセージが届いていたよ。“今、籠城戦中だから後で”なんて返信が帰ってきた時には、流石に驚かされたけどね」


「え!?」


 まさかあんな状況でメッセージのやり取りをしているとは思いもしなかった。




 俺はダリウスさんたちへの遅すぎた報告を終えると、ついでに海辺にある鹿江大学の拠点に向かった。昨日も佐瀬たちは顔を見せたそうだが、俺自身は久しぶりなので少し楽しみだ。



「…………なんか、完全に港町って雰囲気だな」


 鹿江大学の拠点は見ない内に凄まじい発展を遂げていた。


 まずはここに来るまでの経路がすっかり整備され、森の中には大きな馬車街道が出来ていた。どうやら鹿江大学だけでなく、鹿江町や他のコミュニティでも馬車を購入し始めたようだ。しかも馬だけではなく、見た事のないダチョウのような生き物にも車を引かせていた。


「あれは……鳥?」


「魔物だって。ガンダーって言うらしいよ?」


 名波が教えてくれた。


 よく見るとダチョウよりも首や足が太く、恐らく飛べない種なのだろうが、その分脚力は十分にありそうだ。何でも馬ほど馬車の適性はないそうだが、小回りが利く上に体力はそこそこあるらしい。鳥車と言って、獣王国では普及されているそうだ。


「獣王国? もしかしてタシマル獣王国から購入したのか!?」


「ううん。買ったというより、連れてきたが正解かな?」


「連れてきた? 行商人でも来たのか?」


 俺が尋ねると、名波たちは意味深な笑みを浮かべていた。


「ふふ、あそこにいる人たちだよ」


 名波が指差す方向を見ると、そこには見知った顔ぶれが立っていた。


「ナタル!? それにオッドも!」


 元B級冒険者≪黒星≫メンバーであり、共に帝国へ反旗を翻した狼族の女戦士ナタルと、エルフ族の青年オッドの姿があった。驚いた事に、ガンダーを連れてきた者というのは彼らの事のようだ。


「久しぶりだな、イッシン!」

「帝国相手に大立ち回りをしたそうだな」


「二人とも久しぶりだな! どうしてここに……?」


 帝国領土内で別れたナタルにオッド、その家族と一緒に捕まっていた囚人たちの殆どは、南西にあるタシマル獣王国に亡命すると言っていた。


 ワン・ユーハン率いる一部の転移メンバーは帝国領土内に残って、他に捕らわれている仲間たちを救出するべく別行動をしていたが、それ以外の非戦闘員の脱走者たちは今ごろ獣王国に居るものだとばかり思っていたのだ。


「私たちは一度、獣王国に行ったんだ。だが…………」


 ナタルとオッドがこれまでの経緯を語ってくれた。



 俺たちと別れた後、亡命希望組は帝国領からの脱出に成功した。


 暫く獣王国内に滞在していたそうだが、人族至上主義の帝国との戦争が長く続いていた影響もあり、獣王国もまた、人族への風当たりが強くなっていたのだ。


 獣人であるナタルたち家族はともかく、他の者はあまり国に馴染めず、新天地を求めて獣王国から出る事を決意したそうだ。


 ナタルたちは彼らにそこまで付き合う筋合いも無いのだが、どうやら俺たち≪白鹿の旅人≫が家族を救出した事を恩義に感じ、それを同じ地球人である彼らに返したいと考え、一家共に獣王国を発ったそうだ。


 本当に義理堅い奴らだ。


 その際に獣王国に居た他の地球人たちも合流して国を出たそうだが、問題は肝心の行き先である。第一候補は隣接しているエイルーン王国であったが、ナタルやオッドたちは元≪黒星≫で王国領内にいる暗部を裏切っている身だ。あまり王国内での行動は避けたかった。


 そこで思いついた目的地が北方民族自治区だ。


 あそこは元々他国から虐げられた者たちや馴染めない者たちが集う混沌とした地域であった。既に多くの集落や部族が存在する地域だが、まだまだ未開拓で住める場所が多い事は、元北方出身のオッドが知っていた。


 北に向かう際、どうしても王国を横断しなければならないが、東の森に近い場所は魔物が多くて少々危険だが、人の目を避けて移動するには最適なルートでもあった。


 そこで獣王国の東側から大きく迂回する形で王国入りした結果辿り着いたのがここ、鹿江町コミュニティエリアという訳だ。


 人目を避けるでもなければ、こんな辺境に訪れる者は皆無であったが、今回はそれが良い方向に作用した。

 

 鹿江町や大学サークルコミュニティの住人たちは、ナタルやオッドたち一家、それと他の地球人たちも全員快く受け入れてくれ、思いも寄らぬ形で彼らは新天地へと辿り着く事が叶ったのだ。




「そうか。それじゃあナタルたちもしばらくこの辺りに住むんだな?」


「ああ、ここは思ったより危険な魔物も少なく、自給自足も十分に出来そうだ。何より帝国の目を心配する必要がないからな」


 ナタルもようやく母親や弟と平和に暮らせそうだと笑顔を見せていた。


「まさかイッシンたちと所縁のある場所だとは思わなかった。私自身も海は初めてだが特に弟がすっかり気に入ってしまってな。当面はこの辺りで暮らす事にするよ」


 オッドと弟のテオは月光族のエルフで、実家は北方民族自治区の中にあるそうだ。今はここで長旅の疲れを癒し、その内一度は里帰りをするそうだ。




 ナタルたちとの挨拶を終えると、俺は鹿江大学の学生たちに声を掛けた。佐瀬たちは昨日ぶりだが、俺は戦争などで忙しかったので久しぶりに顔を見せた形だ。


「矢野氏、久しぶりだな!」


「乃木も相変わらずだな。しかし、拠点は随分様変わりしたじゃないか」


 相変わらず変な呼び方をする筋肉質な男、乃木と再会した。


「本格的な港町として発展させようと、花木や浜岡が張り切っているからな。鹿江町も技術援助してくれているから、近い内に船の数も増やす予定だ」


 僅か数カ月でここまで拠点を発展させたのは、当然学生たちの努力の賜物だが、スキルや魔法の恩恵も非常に大きいだろう。


 元々ここのコミュニティは戦闘用スキルより職人気質なスキル所持者が多かった。そこに鹿江町の大人たちの知恵や技術も加わり、この地は港町として急速に発展を遂げようとしていた。


 現在は大きな船も入れるように、港を本格的に改造中らしい。本来なら重機などを用いて行う大作業だが、魔法やスキルがあれば人力でもやれない事はない。


「新東京でも船を作っているらしいから、その内貿易とか交流する機会もあるんじゃないか?」


「実はもう既に政府から打診があったらしい。花木たちに任せているから、俺は詳しく知らないがな」


 この辺りは魔導電波の圏内なので、新日本政府とのやり取りが可能となっている。ここに港がある事を知って、向こうからアプローチをしてきたのだろうか。




 俺はその後、花木や浜岡とも会話をし、最後には毎度お馴染みの中野から料理を大量購入した。


「ようやく穀物類が安定してきたからね。これで地球の料理をもっと色々作れるわ!」


 戦争の所為で町の食材は高騰していたが、転移してから1年以上経過したので、鹿江町などで育てていた穀物類がようやく収穫時期を迎えたのだ。一部失敗した作物もあったが、概ねがこの地域の気候にも適応し、これで食糧事情は大幅に改善された。


 そこに船を使っての漁や交易まで加われば、この地は益々安泰であろう。




 学生たちと話し込んでいた佐瀬と名波、海で子供たちと遊んでいたシグネも合流し、俺たちはエアロカーに乗ってブルタークへと戻る事にした。


 飛行途中、俺たちは次の目標について相談した。


「シグネの探索者加入はまだ時間が掛かりそうだなぁ」


「むむぅ、はやく探索者ランク上げたいのに……!」


 シグネは悔しそうに地団駄を踏んでいた。



 新東京では周辺の森やダンジョン内での探索ブームが更に過熱していた。その一助となっているのが独自のランキング制度だ。


 冒険者と同じくGからA、その上にSと階位がある上に、探索者ギルドでは更に別枠で順位付けを行っているらしい。探索者ポイントによる詳細なランク付けだ。


 探索者の貢献ポイントは何も討伐やダンジョン攻略だけでなく、新種の魔物を発見する、人命救助する、新たなスキルを報告するなど、加点対象は多岐にわたるようだ。


 そこに関しては名波とシグネが詳しく、色々と俺に情報を教えてくれるのだ。



「今、一番勢いに乗っているのは≪一刀入魂≫のリュウイチロウさんかなぁ。後は≪月花≫のミツキさんに≪モフモフ動物園≫の園長さん」


「も、もふもふ?」


 意味不明なシグネの言葉に俺が困惑していると、名波が横から教えてくれた。


 どうやら今述べたのは、有名なクランやパーティ名とその代表者たちのようだ。いずれも探索者ランキングでトップ10に入る傑物らしい。


「はぁ、色々あるんだなぁ……」


「掲示板で色んなクランやパーティ、探索者の情報が噂されているよ! どこのクランもリストアチャンネルで動画アップして、自分たちをアピールしてるしね」


 リストアチャンネルとは、多分この世界初の動画投稿サイトで、新東京内にある企業が政府公認で立ち上げたものだ。


 魔導電波の届く範囲ではあるが、スマホを持つ多くの探索者や地球人が、外や探索の様子をそのサイトで配信していた。視聴者数やチャンネル登録を増やし、広告収入で稼いでいる者が増えているみたいだ。


「こっちの世界でも、地球と似たような事をしている訳か」


「大人気なのは魔物との魔法を使った戦闘シーンやダンジョン探索だね。それと偶に王国内にある街の様子なんかも動画にアップされてるよ? ほら」


 名波が見せてくれた動画には、なんとブルタークの街並が流れていた。いつの間にか誰かが街の様子を撮影して動画に投稿しているみたいだ。


「これ、結構バズってそこそこの広告収入になったよ!」


「お前が投稿したんかい!?」


 何時の間にか名波は動画配信者になっていたようだ。しかもシグネも魔法を使った動画を公開して登録者数を荒稼ぎしているらしい。


「街の領兵に目を付けられないよう、程々にな?」


「「はぁい!」」


 少し前まで戦争をしていた王国だ。その街の様子をまだ国交も結んでいない新日本国へ流していたと知られれば、どういった反応が返ってくるか恐ろしくて試す気にもなれない。




 その後も次の冒険者活動を何処にするかを話し合い、一度西バーニメル通商連合国にある、半島一番の港町を見に行こうという意見で一致した。








【探索者】上位ランカー・クラン情報スレ Part.15


521:名無しの探索者

遂に田中龍一郎がランク3位になったな

やっぱ最強クランは≪一刀入魂≫の龍一郎だ!


522:名無しの探索者

最強とかwww

まだ3位じゃんw

上の二人の方が強いんじゃね?


523:名無しの探索者

>522

にわか乙

ランカーの1位と2位は運だけで実力無いから

どうせその内にランク落ちるよ


524:名無しの探索者

>523

おい、ここのスレは探索者の悪口ご法度だぞ?


1位≪江戸川ファイブ≫、2位≪和洋シチュー≫も

共にCランク以上の冒険者パーティだぞ!


確かにその2チームはダンジョンの発見や

先住民の保護、新種魔物の発見などで

貢献ポイントを大きく稼いだけど

討伐実績もそこそこあるし、決して弱くはない


525:名無しの探索者

まだ探索者制度が始まって数カ月

最高ランクは現在Cだもんな


つまり実力は間違いなくトップクラスという訳か


526:名無しの情報通探索者

それがどうもつい先日

田中氏のパーティはB級に昇格したらしい


多分その内ニュースになる


527:名無しの探索者

マジか!? 遂にB級探索者の誕生か!


B級ってエイルーン王国の冒険者でも

実質トップクラスの階級だろう?


528:名無しの探索者

王国に一人だけA級冒険者がいるらしいけど

後はB級冒険者パーティが数組だって聞いたぞ?

S級はこの半島内に一人もいないとか……


529:名無しの探索者

やっぱ龍一郎って凄いんだなぁ

クラン≪一刀入魂≫も実力派揃いだし

今の内に入隊希望してみようかな?


530:名無しの探索者

>529

あそこはクラン希望者を審査するらしいから

多分無理だ。止めておけ


それより俺は≪月花≫に入りたい!


531:名無しの探索者

>530

≪月花≫は女性のみのクランだろう?

もっと無理じゃねえか!!


532:名無しの探索者

≪月花≫の藤堂ミツキちゃん、美人だよなぁ……


533:名無しの探索者

あそこは美人に可愛い子勢揃いだからな

俺も入隊して癒されてぇ……


534:名無しの猫スキー

そんな貴方にお勧めのクラン

≪モフモフ動物園≫にご入隊して

癒されてみてはいかがでしょう?


535:名無しの探索者

なんか勧誘がきて草

生憎だが俺は爬虫類派で

モフモフどもはお呼びじゃないんだ


536:名無しの探索者

≪モフモフ動物園≫って

テイマー以外も入隊できんの?


俺、魔法系スキルしかないんだけど……


537: 名無しの猫スキー

勿論OKですよ!


モフモフした生物を虐めたり無闇に狩らない

それだけが条件です


538:名無しの探索者

おい、情報スレだぞ?

勧誘行為は他所でやれ!


539:名無しのスーパー冒険者

クランって入った方がいいの?

パーティだけじゃあ駄目なの?


540:名無しの探索者

>539

パーティだけで大丈夫って人は多いけど

パーティは少数で戦闘や探索が出来る人だけ


クランはそれ以外のサポートメンバーも充実して

人数もパーティよりずっと多いから

コミュ症には厳しいかもだが恩恵は十分にある


戦闘が苦手な人もクランに参加出来るのがいい!


541:名無しの勇者候補生

>540

サンクス


それじゃあ俺も≪勇者連合≫入ってみようかなぁ


542:名無しの探索者

勇・者・連・合www


お前、まさか【勇者の卵】スキル持ちか?w


543:名無しの探索者

あんなネタスキルを……


544:名無しの探索者

≪勇者連合≫クランってメンバーほとんどが

【勇者の卵】スキル持ちなんだろう?


あのスキルって結局何なの?

進化したら【勇者】になるとか?


545:名無しの情報通探索者

残念ながら詳細はまだ不明のままだね

他のスキル習得が困難になるって噂だけど……


546:名無しの勇者候補生

そうなんだよ!

【勇者の卵】スキル以外、全く覚えないんだよ!

魔物を倒しても全然スキル増えないし……


スキル少ないとパーティ参加できないし

ソロだともう限界だから

クランに入ろうと思ったんだけど……


547:名無しの探索者

お、おう……


548:名無しの探索者

まぁ、強く生きろよ?


549:名無しの探索者

なんか、ごめん……








◇◆◇◆ プチ情報(スキル紹介) ◇◆◇◆



スキル名:【話術】

タイプ:恩恵型

系統:補助系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:イアン支配人


 人と会話をする際、頭の回転や記憶力が良くなるスキル。あくまで会話をサポートするスキルなので、それ以外では役に立たないが、話が弾むこと請け合いのスキルだ。




スキル名:【魔道具作成】

タイプ:魔法型

系統:職人系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:不明


 魔道具作成時に補正が掛かる。精密により良いモノが作れるだけで、効果自体には直接的な影響はない。




スキル名:【魔道具作成(上級)】

タイプ:魔法型

系統:職人系

分類:適性スキル

レベル:2

主な所持者:イーダ


 より精密に魔道具を作成でき、効果も若干上昇する。




スキル名:【魔法付与】

タイプ:魔法型

系統:職人系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:シグネ、イーダ


 魔道具や武器防具に魔法を付与する際、補正が掛かるスキル。このスキルがなくても魔法付与自体は可能だが、成功率や効果が上昇する。




スキル名:【魔法付与(上級)】

タイプ:魔法型

系統:職人系

分類:適性スキル

レベル:2

主な所持者:不明


 【魔法付与】の進化版。より成功率と効果が上がる。希少級以下のマジックアイテムであれば改造も可能。








◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


11/24

キャラ名を”カナデ”から”ミツキ”に修正

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