第100話 白鹿宅急便

 俺たち物資運搬班は移動速度を重要視され、他の兵士や冒険者と違って馬車へ乗ることが許可されていた。


 その為、俺たちより先に出立していた防衛部隊の面々を追い越して、現在は予定ポイントで馬を休ませている最中だ。


「佐瀬にはこれを渡しておく」


 俺は自身が身に着けていた≪偽りの腕輪≫を彼女に手渡した。それを佐瀬は渋々受け取った。


「んー、微妙なデザインだけど、ローブの下なら見えないし……」


 彼女はマジックアイテムや武具を、性能よりも見た目重視で選り好みをしていた。だから≪審議の指輪≫も指には嵌めずにポケットの中に入れていた。


(まぁ、それでも機能するなら別にいいんだけど……)


 だが、≪偽りの腕輪≫は身につけなければ効果が無いので、ここは我慢して装着してもらう。


 俺が彼女に≪偽りの腕輪≫を渡したのには理由がある。この先多くの兵士が駐屯する場所に赴く場合、必ず【鑑定】持ちがいると想定しているからだ。


 それと万が一、帝国兵と接触した際にも、やはり【鑑定】持ちの者はいると思う。そういった輩からこちらの情報は極力伏せておきたい。


 そこで出番となるのが鑑定結果を偽る≪偽りの腕輪≫だ。


 これはただ防ぐだけでなく、鑑定内容さえ書き換えられる優れものだ。こいつがあればこちらの手の内は分からないだろう。


 何故このタイミングで渡したかと言うと、つい先ほど俺の【偽装Ⅰ】スキルが進化して【偽装Ⅱ】に変化したからだ。


 どうやらこのスキルも、ステータス結果を書き換えることが出来るらしい。≪偽りの腕輪≫が不要となった今、代わりに佐瀬に使ってもらう事にした。


「腕輪を着けたくないのなら、偽装スキルを覚えるんだな」


 ちなみに名波も【偽装Ⅰ】持ちで、鑑定を阻害するだけならできるし、シグネも鑑定阻害のアイテム≪不視のイヤリング≫を身に着けている。


 イヤリングの方はどうかとシグネが勧めるも、佐瀬は遠回しな言い方で遠慮した。流石に身に着けているシグネの前で「ダサいから要らね」とは言えなかったのだろう。








 馬の休憩を何度か挟み、一度だけ夜営して二日目の午前中、俺たちは目的地である後方兵站所へと到着をした。


(流石に軍馬は早かったな)


 以前キャメル村に訪れた時は、二日目の夕方に到着した。


 この駐屯地はキャメル村より少しだけ遠いはずだが、それでも積荷の搬入作業込みで6時間以上も短く到着することが出来た。恐らく伝令などの早馬なら一日で辿り着けるのだろう。


「積み荷はそこに番号毎纏めて卸してくれ! 終わったら今後の仕事内容を伝える。代表者だけ、あそこの建物の中に来てくれ!」


 そう告げるとゼネトー隊長は指揮を部下に預けて去って行った。



 俺たちは積荷の仕分けをしながら冒険者や兵士たちと雑談をし、ここの情報を仕入れていく。


 どうやらここは第五駐屯地と呼ばれているようで、ここフランベール地方での戦場では全部で6つの仮設駐屯地が存在するそうだ。その中でもここは一番最後方で、且つ物資の搬入も一番多い生命線を担っているようだ。


(うーん、安全なような、狙われそうな……何とも言えねぇ)


 話を聞く限り、この周辺には幾重の警戒網が有り、ここまで帝国軍が迫る事はないらしい。万が一あったとしても、その前に前線から報告があるそうだ。奇襲はまず無いだろうというのが熟練兵士の見解だ。


 それとこの駐屯地の構成員だが、兵士が150程、冒険者が100程となる予定だ。それとここにいる兵士は全て第七兵団、つまりはブルタークの街に駐屯している王国軍直轄の兵団だ。


 ちなみに最前線で戦っているのはフランベール西方軍と呼ばれる別の兵団だそうだ。以前俺たちがキャメル村であったオズマ副団長がそこに所属するはずだ。


 実際に戦場で戦う兵士の殆どがフランベール西方軍で、ブルターク駐屯兵団は後方支援に徹する構えのようだ。


 ただし、冒険者たちはその限りではない。


 志願者はここよりもっと先の前線駐屯地へと送られる予定だ。昨日ブルターク西門で集まっていた者の半数がその志願者だ。なんとも命知らずな連中だとも思うが、なんでも低ランク冒険者にしては報酬が破格なのと、戦果を挙げれば見習いをすっ飛ばして、王国兵として雇ってくれる制度もあるらしい。


 過去にはいきなり隊長職に就いた元冒険者もいたそうだ。


(命をベットする程のもんじゃないだろうに……)


 まぁ、冒険者稼業も命がけだ。それを考えたら公務員的な兵士の方が真っ当な職なのは理解できる。


 ただ、それなら普通に入隊すればいいのに……




「よし、これで作業は一旦終わりだ。代表者はゼネトー隊長の所に向かってくれ。他の者はそれまで休憩だ!」


 俺は佐瀬たちと別れると、他のパーティの代表者たちと共に、先程指定された建物に向かった。








 ゼネトーたちとの話し合いを終えた俺は佐瀬たちの下へ戻った。


「お疲れ。どんな話だったの?」


「簡単な仕事の説明と、後はお偉いさんとの面通しだけだったな」


 仕事内容の説明はたいしたことではなかった。



 要約すると以下の通りだ。


 ・仕事内容はやはり物資の運搬で、班分けして行う

 ・各班毎に馬車を提供するので、サボらなければ自由行動して構わない

 ・各班に兵士を付けるので、詳細はそいつに聞け


 以上だ。



 大事な物資運搬をそんないい加減な打ち合わせで済ませてよいのかと思うが、自由気ままな冒険者相手なら、寧ろこれくらいが丁度良い塩梅なのかもしれないなと考えを改めた。


「ふーん。思ったよりも緩そうね。他に何か情報は聞けなかったの? 前線の戦況とか」


「一介の冒険者が団長様相手に聞ける訳ないだろう? 聞いてもどうせ答えてくれないよ」


 それならそれでこっちにも情報源はある。長谷川氏から定期的に帝国軍などの動向を送ってくれているからだ。


 その見返りとして俺たちも王国の情報を売り渡している。例えば兵士や冒険者の詳しい数、それに駐屯地の場所や物資の量など、兵站での生情報は思った以上に様々な事が分かるらしい。


 特に宇野が大変興味を持っているそうで、「先輩から情報提供をせっつかれている」と長谷川がメッセージ越しで苦笑していた。


「それで私たちの班はどうなってるの?」


「そのままパーティメンバーで、お付きの兵士も女性を付けてくれた」


 恐らく女性メンバーが多いので配慮してくれたのだろうが、ますます”ハーレム野郎”と冒険者たちから陰口を叩かれそうだ。




 俺たちは早速同行者である女兵士へと声を掛けた。


「第七兵団所属のケイトです。宜しくお願いします」


 何とまだ19才の少女であった。


(いや、この世界じゃあ19才は立派な大人か)


 ケイトは15の頃から軍属で、見習いを卒業して二年目の若手一般兵だそうだ。


「≪白鹿の旅人≫のイッシンだ。よろしく!」


 俺に続いて全員がそれぞれ挨拶をする。


「皆さんの事は噂で存じてます。想像以上に若くてびっくりしてますが……」


 彼女も普段はエイルーンの兵舎で生活しており、街で俺たちの噂を耳にしていたらしい。もしかしたら、どこかでニアミスしていたのかもな。



 とりあえず性格も問題なさそうだし、おまけに可愛い女の子となれば文句のつけようもない。俺たちは互いの自己紹介を終えると、早速行動を開始した。


「別に物資搬入の頻度は各々の判断でいいんだよな?」


 俺はケイトに尋ねた。


「今のところ不足している物はないので問題無いです。ただ全く運搬されないと報酬にも影響しますのでご注意ください。それと物資の不足が生じた場合には、当然指示に従って動いて頂きます」


「分かった。ケイトは馬車の操縦できる?」


「できます。兵站に配属されている兵士は全員馬車の操縦が可能です」


 流石にその辺りの訓練は受けているか。俺たちも多少の経験はあるが、いきなり軍馬の二頭立て馬車を操縦するのはハードルが高そうだ。



 その日は一旦ここで休み、翌日から第五駐屯地ブルターク街の物資運搬の往復旅を開始する予定だ。


 白鹿宅急便のスタートである。








 仕事を初めて一週間が経過した。


 だいぶ二頭立て馬車の扱いにも慣れてきた。寧ろ馬は群れる生き物なので、単独より二頭の方が落ち着くのかもしれない。


「う~っ、飽きたぁ」


 三日前からシグネはこの調子だ。だが確かに同じ場所を往復して荷物を運搬するだけの仕事は張り合いがない。


「この仕事、何時まで続くのかしらねぇ……」


 流石の佐瀬も飽きたのか、愚痴を零すようになった。


「知らん。帝国に聞いてくれ」


「あはは、戦争が終わるまでは続きそうだよねぇ、これ……」


 何せ戦場や駐屯地には多数の兵士や冒険者たちが参加しているのだ。食糧だけでも相当の量が必要だろう。


 水は魔法である程度賄えるが、武器、食料、医療品、etc


 とにかく俺たち運搬係が動きを止めてしまうと、前線にも影響を及ぼしてしまう。


「なぁ、ケイト。戦況はどうなってるんだ?」


「さぁ、私のような一般兵にはそんな情報、降りてきませんよ」


 このやり取りも既に何度も行っていたが、聞かずにはいられなかった。


 長谷川からの情報も一昨日から途絶えている。どうも偵察ドローンを魔法か何かで撃ち堕とされてしまったようだ。この世界では貴重なドローンなので、現在新日本政府は空からの偵察を一時ストップさせている。これ以上撃ち落とされたくないようだ。


 だが偵察していた直前までの情報はこちらにも届いている。


 まず相手の軍はほぼ100%人族の集団なようで、その中にちらほら黒髪の日本人、ないしはアジア人らしき者の姿が散見されているようだ。


 どうやら地球人の中にも戦争に参加している者がいるらしい。


 だがそれは何も向こうだけではない。


 なんとタカヒロたちのパーティが、しかも最前線に志願したらしい。


 五日前にブルターク西門に冒険者たちが集まっていた。どうやら第二次の招集メンバーらしい。その冒険者の中にタカヒロたちの姿を発見し、声を掛けたらその事を聞いたのだ。


 俺は危険だと伝えたが、それは重々承知の上での参加だそうだ。別に人殺しをしたいとか国や領主のお眼鏡に適いたいと言った気持ちではないらしい。


 彼らは喧嘩こそした覚えはあるものの、対人戦の経験がこれまで全くなかったそうだ。確かにブルターク近郊は野盗も少なく、そういった機会はまず訪れないだろう。そこへ今回の戦争が勃発し、一度どういったものか経験してみたいと語っていた。


 それに対して俺は何も言えなかった。


 そんなモノ経験する必要は無いと言いたかったが、それは俺が一度修羅場を経験済みで、その事を理解した上での言葉だったからだ。


 だが未経験の彼らには俺の言葉は響くまい。どの口が言うんだって話だし、この世界は物騒だからそういった事を学べる場があるのなら”参戦するのもありかな”と、少しだけ彼らの考えに同調してしまった自分もいた。


 だから軽く忠告するだけに留めて彼らの意見を尊重した。確かに先輩冒険者や熟練兵士たちと共に戦うのなら、命懸けの戦いを肌で味わうのも悪くはない。


 今後も冒険者として身を置き続けるのなら…………


 それに彼ら一番の本心は、この街が気に入ったからでもある。俺たち以上にこの街の人間と関わっているタカヒロたちは、地元冒険者仲間も増えて、すっかり愛着を持ってしまったらしい。


 だからこその参戦だとも話していた。


(ま、もし生きて帰ってきたら怪我くらいは完治してやるよ!)


 俺は心の中で彼らにエールを送った。



 その他にも見知った冒険者たちの姿が見えた。


 ≪千古の頂≫や≪オルクルの風≫の冒険者パーティである。


 リーダーのヘルマン率いる≪千古の頂き≫はC級冒険者パーティだけあってか、俺たち並に優遇された所属先となっている。第五駐屯地の守備班である。


 前線ではないものの、重要な拠点の防衛任務と言う事で、毎日立っているだけでそこそこの報酬が入ってくる。ハッキリ言って俺たちより美味しいのではないかと、最近思えてしまうのだ。


(まぁ、俺たちの方が報酬高いし、更に出来高で増えるけどね)


 流石に同じ道を3往復目にもなると気が滅入ってきそうだ。



 以前俺たちに絡んできた≪オルクルの風≫は、駐屯地で見掛けた後、多くの冒険者たちと共にフランベール方面へと出立していった。どうやら後方予備軍の扱いらしい。低級冒険者で尚且つ戦争に参加したくないと考えている連中の多くがあそこに組み込まれる。


 実際に行うことは主に土木工事だそうだが、いざ戦況が不利になると投入される予備戦力にもなる。今回の戦争で出番があるかは……正直微妙なところらしい。


 俺の顔見知りの冒険者だとこの辺りだろうか。




(お! 噂をすると、あそこにも見知った顔が……!)


 街道の脇に見覚えのある三人組の冒険者が歩いているのを発見した。向こうはこちらの馬車に気付くと、道を譲ろうと街道の脇に避ける。


「ケイト! ちょっとだけ停めてくれ!」


「分かりました!」


 俺は馬車が停まった事を確認すると、御者席から飛び降りた。


「イッシンじゃないの!?」


「ココナ、久しぶりだな! マルコにコランコも元気そうだ」


 teamコココであった。


 マルコが近づいて来て俺に話しかけた。


「お前、そんな馬車に乗ってるって事は……まさか運搬班か!?」


「ああ、今はまたブルタークに引き返すところだ。そっちは?」


「私たちは街道付近の警備よ」


 ぶっちゃけ街道に警備はほとんど必要ないと思われるが、これも必要な仕事らしい。


 この辺りはブルターク西方森林が近く、北方から密かに越境した帝国軍が過去にこのルートを使ってブルタークまで奇襲を仕掛けてきたことがあるらしい。


 当然王国側もそれを承知で、北側の国境付近には巡回兵を当たらせているが、全ての場所を警戒出来る訳ではない。そこで更に内側に何組かの冒険者パーティを警戒に当たらせているのだ。


 それがマルコたち、えーとパーティ名なんだっけ? 何とかの風? いや、それは開拓村の連中だ……え~と…………。


 と、とにかくteamコココはどうやらこの辺りの巡回警備を任されたようだ。これはこれで大変そうだ。


「私たちも運搬班に志願したんですけどねぇ。どうやら審査に弾かれてしまったようなんです」


 相変わらず丁寧な喋り方をするコランコに俺は苦笑して答えた。小型ポーチを持っている俺たちの方が優遇されたのだろう。


「ちきしょう! イッシンたちはどうやって通ったんだ? やはりB級冒険者だからか!?」


「ああ、それは……」


 俺が小型ポーチの事を言おうとした時――――


「北から大勢の人が来る!」


――――名波が声を上げた。


「なに!? コランコ、何か感じるか!?」


 マルコがすぐに戦闘準備に入りながら斥候役であるコランコに尋ねる。


「いいえ、私の感知範囲には何も…………いや、今感じました! 数は20人以上!」


「「「——っ!?」」」


 人数を聞いた俺たちは一斉に戦闘準備に入る。名波がスキルで感知したということは、少なくとも味方ではないだろう。敵意を持っている証拠だ。


 少し遅れて御者席にいるケイトも慌てて剣を抜いた。


「い、イッシンさん。ここは馬車で逃げた方が……」


「……そうだな。ケイトだけでもブルタークに向かって、この事を知らせてくれ!」


「で、ですが……」


 一人逃げるようにと言われたケイトは一瞬躊躇するも、この中で一番戦闘能力が低いのは己である事を彼女は直ぐに悟った。


「分かりました! 皆さんもどうかご無事で!」


 彼女はすぐに手綱で叩いて馬に合図を送り、この場から離脱を図った。


「もう来るよ! 数は……22人かな?」


「teamコココ! 一旦森から距離を取ろう! まずは離れた場所から様子を探る!」


「だからteamコココじゃねえ!!」

「私たちは≪雷名の炎≫!!」

「やはり忘れてましたね……」


 俺は彼らの苦情を無視しつつ、森から出てくる者の姿を観察しようと集中した。


 やがて何人かが姿を現した。どうやらこちらにも気が付いているらしい。


「あの鎧は……帝国兵か?」


 王国兵とは少し装いが違うように見受けられるが、確信が持てない内に攻撃することはできない。万が一味方の王国兵に魔法や矢を放とうものなら、実刑は免れないだろう。


 あちらも遠くからこちらを伺う様子が見て取れる。その内の5人ほどが分かれ、凄まじいスピードでブルターク方面へと走って行った。


(しまった! 馬車狙いか!?)


「名波! シグネ! ケイトを守ってやってくれ! こっちは俺たちで対処する!」


「了解! 矢野君、これ預かって!」


 名波は俺に小型ポーチを投げてよこした。復路だと荷物もなくポーチに空きがあるので、ゴーレムは収納したままなのだ。これは助かる!


「イッシンにい! 全員は視れてないけど、闘力3,000越えが何人かいるよ!」


「3千超え!? 分かった!」


 シグネが忠告を残すと、二人はすぐにケイトの操縦する馬車に駆けて行った。二人の走力なら恐らく追いつけるだろう。それに5人だけなら名波とシグネであれば十分対処可能なはずだ。



 問題はこちらの方だ。


 闘力3千は俺の半分くらいだが油断していいレベルではないし、シグネも時間が無く全員分は鑑定しきれなかった様子だ。もしかしたら更なる強敵がいてもおかしくはないだろう。


 向こうは5人を馬車の方に向かわせて、残りは17人となった。何時までも観察を続けている訳にはいかない。もし本当に連中が帝国兵なら、距離がある内に数を減らしておきたい。


「あんた達は何者だ! 答えないのなら、不審人物として全員捕らえる!」


「貴様ら、冒険者だな? 命が惜しければ、そのまま武器や荷物を置いて西側に去れ! 」


 まずは互いに主張を告げた。


(西側? つまり連中は東側……ブルターク方面に用があるという事か?)


 ここは第五駐屯地よりもブルタークの街寄りな場所だ。ここに姿を見せたという事は多分そうなのだろう。


 だがそれは少々解せない。


 いくら強くてもあの人数で街を襲って無事で済むはずがない。街には多くの第七兵団だけでなく、領主の私兵もいるのだ。あっけなく返り討ちだろう。


 物資運搬の馬車を狙うのが目的だとしても、往路ではなく復路の積み荷が無い状態を襲うというのも意味不明だ。


 だが、連中の目的がどうあれ、今は行動あるのみだ。俺は再び声を張り上げた。


「最後通告だ! お前たちは何者だ! 答えろ!」


 こちらには嘘を見破る≪審議の指輪≫がある。仮に帝国兵が王国兵を語ったとしても、佐瀬が念話越しに教えてくれるだろう。


 だが、その返答は————


「全員殺せ!」


 ――――冷酷な宣戦布告であった。








――――――――――――――――――――


 お陰様で100話到達できました!


 ここまで読んで頂いた方はありがとうございます!


 ストックはもう少しありますが、それが尽き次第、週一か二回の投稿ペースに落ちるかと思われます。


 それと今回からはミニ情報として、スキルについて載せていきます。あくまで設定なので、今後の話次第では変更もあります。


 気軽な気持ちで見てください。



◇◆◇◆ プチ情報(スキル紹介) ◇◆◇◆


※前提情報



スキルには細かな種別がある。


【〇〇型で〇〇系の”適性”or”技能”スキル】


”適性スキル”は自動発動のノンアクティブで、”技能スキル”は意識して発動するアクティブスキル。


更にスキルの中にはレベルがあり、進化するとより強力になるが、地球人が選択できたのはレベル1スキルのみ。選択できなかったレアスキルも存在する。




スキル名:【回復魔法】

タイプ:魔法型

系統:魔法系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:イッシン、


光属性の主に回復系魔法の習得や使用の適性を補助するスキル。


魔法系の適性スキルは基本レベルは上がらないが、ユニークスキルが存在する。


スキル選択者は多い筈なのに、意外と作中では所有者が出てこない便利スキル。




スキル名:【光魔法】

タイプ:魔法型

系統:魔法系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:宮内聖香


光属性の主に攻撃・補助魔法の習得や使用の適性を補助するスキル。


ただし光魔法の本領は回復にあるので、アンデッド特効など、場所を選ぶスキル。




スキル名:【闇魔法】

タイプ:魔法型

系統:魔法系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:不明


闇属性の主に攻撃・補助魔法の習得や使用の適性を補助するスキル。


現時点では登場してきていない唯一の属性魔法でもある。スキルも魔法も雷の次に珍しい属性。




スキル名:【火魔法】

タイプ:魔法型

系統:魔法系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:野村五郎


火属性の主に攻撃・補助魔法の習得や使用の適性を補助するスキル。


こちらのスキルも意外に作中では中々出てこないが、選択した地球人はかなりの数がいる。




スキル名:【水魔法】

タイプ:魔法型

系統:魔法系

分類:適性スキル

レベル:1

主な所持者:ジーナ、タカヒロ、宮内聖子、徳元リク


火属性の主に攻撃・補助魔法の習得や使用の適性を補助するスキル。


作中で最も多くの所有者が出てくるスキル。やっぱり水は大事ですよね。

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