第93話 視察団、調査開始!

 視察団がブルタークに来て二日目、初日は宿を取るだけで終わったので、本日からが本格スタートとなる。


「まずは資金調達がしたい。お勧めの場所はあるかな?」


「魔石や素材ならどこの商店でもそれなりに買取してますが、冒険者になる気なら実績も付くのでギルドで売るのがお勧めです。食品関連は知り合いの商人に持ち込んだ方が高く売れますよ」


「なら、まずは食品から売りに行くとしよう」


 髪を茶髪に染めている宇野が音頭を取って、十四人の大所帯でぞろぞろ街中を歩く。初日はまだ街に不慣れなので全員固まって行動する方針のようだ。


 ちょっと大人数だが、ここは交易街で隊商も数多く行き来するので、そこまで悪目立ちはしない。



「おや? イッシン君、いらっしゃい!」


 馴染みの商店に行くと今日は折よくカークが居たので、宇野たちを紹介して日本の食品を買い取ってもらう事にした。


「これはありがたい! 貴方たちの故郷の品は、顧客にも大変好評なんですよ!」


「それは良かった。今後も持ってきた品を買い取って貰えると助かります」


 食品の売買に関しては基本的に農林水産省の官僚が受け持っていた。どうやらどの食品が売れて、どの品が不足しているのかマーケティング調査も兼ねているらしい。


 現在はようやく備蓄にも余裕が出始めて、ここで一気に外貨を得るつもりのようだ。




 商談を軽く纏め、資金を得た一行はそのまま商店街地区を散策した。


「やはり嗜好品の類はどれも高いな」

「武器が普通に売られているとは……」

「魔法関連のアイテムはどこにあるのかしら?」


「マジックアイテムや書籍関連は限られた店しか置いてないですね。後でご紹介します」



 続いて一行は北西にある職人街地区へと赴いた。


「ここが冒険者ギルドです」


「思ったより大きい施設だな」

「とりあえず入ってみましょう」


 中に入ると、丁度タカヒロたち日本人冒険者パーティが出かけるところであった。


「あ、師匠! お疲れっす! その方たちは?」


「んー、依頼人ってところかな。タカヒロたちはこれから狩りか?」


「今日はダンジョンに行くっす!」

「やっと20階層のボスを倒したんですよ!」

「それじゃあ師匠! 姉御たちも! 失礼します!」


 タカヒロたちはぞろぞろとギルドを後にした。


「彼らは日本人、なのかい?」


「ええ。すっかり冒険者生活を満喫している者たちですね」


「そういえばこの街の近くにもダンジョンがあるんだったな。一度見てみたいな」


 探索者制度や新東京支部のギルドは、冒険者ギルドを模して創設されたと聞くが、彼らは実際にそれらを見た訳ではない。冒険者ギルドの実態や運営方法を調査するのも視察団の目的のひとつだ。


「あそこの受付で冒険者登録が可能です。登録だけなら無料ですけど、お試しにどうですか?」


 俺が冗談めかして伝えると、なんと全員が登録を希望した。


 まあ、登録だけならタダだが、定期的に実績を重ねないと昇級どころか降格やはく奪もありえる。そこは説明したのだが、それでも試しにと十人とも登録した。


「……これが認識証?」

「ただの木片のようだが?」


「ええ、紛う方なきただの木片です。E級から鉄製の冒険者証になります」


「はは、無料というのはそう言う訳か」


 冒険者登録を済ませると、ついでにここの買取で魔石や素材を売る事にしたようだ。種類がまばらなのも、恐らく街の相場を確認する為だろう。


 査定結果が出ると、宇野を始め官僚たちがあれこれ詳細を尋ねていた。


「これはどうして高額なのでしょう?」

「え? えーと、それはですね……」


 査定したギルド職員は少し面倒くさそうにしていたが、それでも律義に受け答えしてくれていた。そこら辺は真面目なレッカラ副支部長の薫陶を受けている職員なのかもしれない。


(ハワード支部長なら絶対面倒くさがるだろうからな)


 彼はギルド総本部で行われている会議に出席中の為、当分戻って来ないそうだ。


 ギルドの総本山は別の大陸にある為、かなりの期間留守になっているが、今は宇野たちの事をあれこれ詮索されたくないので逆に都合が良かった。




 それからも俺たちは、馴染みの武器屋、鍛冶工房、マジックアイテム屋などを案内していき、二日目は終了となった。


 後は視察団が帰る際に同行するだけで、それまで1週間はフリーとなる。


「久しぶりにダンジョン行きたい!」


 シグネがそう言うと、佐瀬と名波もそれに同意した。どうやら護衛で溜め込んだストレスを発散させたいようだ。


 手持ちの資金も少なくなってきたので、俺も賛成した。


 だがその話をどこかで嗅ぎつけたのか、宇野が声を掛けてきた。


「我々も一緒していいかな?」


 その提案に女性陣は渋い表情をする。


(OK、断れって事ね)


 俺が申し訳なさそうに断ると、ならばダンジョン入り口だけでも一緒にと言う話に落ち着いた。


「一緒にとなると、近くにあるブルタークダンジョンの方?」


「あそこなら30階層まで転移出来るから、期限内なら丁度いいんじゃない?」


 久しぶりにブルタークダンジョンに向かう事にした俺たちは、宇野、朝山、それと自衛官二名を同伴してブルターク西方森林へと向かった。


「朝山さんが同行するのは意外ですね」


「ふふ、この機会に魔法の実戦を試してみたいのよ!」


 どうやらすっかり魔物との戦闘にハマってしまったようだ。


 マジックアイテムの購入は高額過ぎたので、次回に見送る事にしたようだが、あわよくばダンジョンで稼いだ資金で購入できればと考えているらしい。


 宇野は公私共にダンジョンが気になるようで、流石に要職に就いている二名を放っておけず、護衛に自衛官も二名同行している。


 ちなみに自衛官の皆さんもダンジョンに非常に関心があるようで、ジャンケンで負けた残りの二名は泣く泣く他の官僚たちと共に街の視察だ。


 どうも新日本国もダンジョンを発見したそうだが、そこは現在非常に人気で、抽選形式で探索者を募っている状況みたいだ。


 その為、いくら政府側の人間とは言え、勝手に割って入るのは些か厳しいらしい。


(ダンジョン探索に抽選とか……新日本国の人たちはファンタジーに飢えているんだなぁ)


 これまで内政に力を入れて閉じこもっていた反動か、ここに来て新日本国の人たちは活性化していた。将来的にはこの街まで日本人探索者がダンジョン攻略に来ることもあるのかもしれない。



 徒歩で1時間くらい進むと、森の中にあるブルタークダンジョンへと辿り着いた。そこには以前同様、みすぼらしい恰好をした子供たちがポーターの仕事を求めていた。


「あ、あの子たちは一体……」


 日本では考えられない光景に朝山が尋ねてくる。


「彼らはスラム街の子供たちです。日々の糧を得る為に、ダンジョン内の荷物持ちをしているんです」


「それは……っ!」


 日本人の感性からしたら、幼い子供に魔物の蔓延る場所で荷物持ちをさせる等、とても容認できないだろう。


 だがこの世界では……少なくとも彼らにとってはこれが日常なのだ。


「俺らも前回の探索では雇いましたが、今回は深い階層に転移するので連れていけません。もし宇野さんたちが運び屋ポーターを雇う気なら、20階層までなら彼らも安全だと思いますよ? きっと子供たちも喜びます」


「むぅ……」


 宇野は険しい表情をして俯いていたが、暫くすると顔を上げた。


「よし! 試しに子供たちを雇おう!」


「待って下さい宇野事務次官! 子供を荷物持ちとして雇ったとマスコミにでも知られたら、スキャンダルになりますよ!?」


「だろうな。だからこれは私の独断だ! 郷に入ればってやつさ。実際に体験してみないと分からん事もある」


 俺たちがそんなやり取りをしていると、見知った子供が三人近づいてきた。


「あ、シグネちゃんだ!」

「この前の凄腕冒険者さん!」

「今日もダンジョン行くんですか?」


 以前にポーターとして雇った子供たちだ。どうやらこちらの事を覚えていてくれたらしい。


「ああ、そうだよ。でも御免な。今日は結構深い所に行くから連れていけないんだ」


「代わりにこのおじさんたちが雇ってくれるって!」


 シグネが子供たちに伝えると、彼らは嬉しそうにはしゃいでいた。宇野や朝山、それに他の自衛官はこれで引っ込みがつかなくなり、苦笑いを浮かべていた。


(宇野さんには悪いが、これでこっちは心置きなく探索出来るぞ!)


 彼らなら子供たちを悪いようにはしないだろう。


「一応宇野さんにはこれを渡しておきます」


「これは……まさかポーションというやつかい!?」


「ええ。二等級ポーションですので、そこそこの大怪我も治す事が可能です。まぁ、宇野さん達なら20階層までなら問題ないと思いますが、念の為……余ったら自由にしてください」


 俺は戦闘に不慣れな朝山や子供たちの為に、二等級ポーションを2本手渡した。俺たちの怪我はヒールで治せるので、ポーションは増えていく一方なのだ。


 売ってもいいのだが、こういった時の為にいくつかストックしてある。宇野のことだ。いざ必要となったらケチらずしっかり使用してくれるだろう。


「助かる! 大丈夫だとは思うが、君たちも気を付けて!」


 俺たちは宇野たちと別れてダンジョン1階にある転移陣を利用する。前回は30階層まで到達出来たので、そこまで一気に飛んでから、念の為ボス部屋を確認した。


「……今日も留守だね」


「このダンジョンは人が多いからなぁ……」


 浅い階層のボスだと直ぐに誰かが討伐してしまう為、余程タイミングが良くないとリポップ待機時間で不在のままなのだ。



 仕方がないので俺たちは31階層へ進む事にした。






 40階層まではあっという間だった。以前40階層までの地図を購入していたので、階段まで最短距離で行けた。


「ボスはいるかなぁ……また留守だぁ!?」


 シグネががっくりと膝をつく。


(このダンジョンでボスと出会ったためしがないなぁ)


 それだけ人気なのだろう。毎回瞬殺されるボスは気の毒に……



 気を取り直して俺たちは41階層へと進む。ここから先は地図も無く、進行速度もかなり落ちるだろう。そろそろ良い時間なので一度戻るのも有りだが、7日間という縛りがあるので、このまま少しでも先に進む事にした。


 ブルタークダンジョンは報告されている限りでは、オーソドックスな洞窟迷宮型ダンジョンだ。現在の最高到達階層は79階。実際には80階層に辿り着けているそうだが、そこの守護者が倒せていないらしい。当然転移陣も起動されていないので、攻略したとはカウントされていない。


 流石に7日間でそこまで行くのは難しいので、今回は50階層くらいまでが関の山だろう。


 ここから先はCランク以上の魔物しか出ないらしいので、なかなか楽しめそうだ。




 俺たちは久しぶりにダンジョン探索を満喫するのであった。








 ダンジョン探索は3日目にして50階層に到達し、ボスはまたしても不在だったのでそのまま街へと戻った。



 それからあっという間に期日の7日間が過ぎ、視察団はいよいよ新東京へ戻る事となった。


「いやぁ、なかなか有意義な旅だった!」


 あれから宇野たちは最低限の仕事を熟しつつも、ダンジョン探索を日々楽しんでいたようだ。20階層まで到達し、なんと冒険者ランクもF級に昇格していた。


 官僚たちも思い思いの情報や品を仕入れたようで、全員がほくほく顔だ。新日本国政府からの情報によると、どうやら視察団の存在をマスコミが嗅ぎつけたようで、それなりの成果を期待されている状況らしい。


 政治家もマスコミも視察団の帰りを首を長くして待っていた。


 朝山女史もダンジョン探索で僅かながら資金を稼ぎ、念願のマジックアイテムも無事購入することが出来た。大事な研究材料として持ち帰るそうだ。


「シロジカオー! タビビトオー! またよろしくね!」


 シグネが名付けた二頭の馬だが、なんとこのまま日本政府が馬車ごと買い取る事に決めたそうだ。この先も街への視察を予定しているので、移動手段の一つとして馬車の購入は以前から考えていたらしい。


 今回の旅でお別れにならず、新東京に行けば会えると分かって、名付け親のシグネもこれにはニッコリであった。



 帰りは特に大きな問題も無く、無事新東京まで彼らを連れて帰る事が出来た。


 ああ、そういえば道中で食事を作っていた際、またしても犬族のラドたちが姿を現したが、最初とはまるで違い、やたら好意的になっていた。どうやらしっかり彼らの胃袋を掴んだようだ。


 エルフ族は姿を見せなかったが、今後は少しマシな交流も望めるだろう。




「今回は誠にありがとうございました! つきましては、これをお渡ししておきます」


 俺たちを出迎えてくれた長谷川は感謝の言葉を述べると、三枚の大きな封筒を手渡した。


「これは……?」


「中には探索者の認識証、許可証カード、それと注意事項の冊子が入っております」


「え!? 私たち、探索者になれるの!?」


 シグネが嬉しそうに尋ねるも、長谷川は慌てて訂正した。


「いえ、シグネさんは……申し訳ありません。今回ご用意できたのは他の三名分だけです」


「えええ!? ど、どうしてぇ!?」


 今回の働きを持って俺たちは政府から一定の信頼を得る事となった。新日本国籍を持っていなくても特例で探索者許可証を発行して貰えたのだが、年齢制限に引っ掛かっているシグネだけは別問題であった。


 やはり子供が戦闘行為を行うのには、まだまだ日本国内では一定の理解を得られないようだ。現在そちらの方も特例を設けるよう進めているそうだが、現状は目途が立っていない。


「そんなぁ……」


 涙目なシグネに長谷川は困っていると、そこへ助け船が現れた。


「なぁに、心配するな! 少し時間が掛かるだろうが、おじさんがなんとかしよう!」


 それは今回の視察ですっかり仲良くなった宇野事務次官であった。俺たちが一度ダンジョンから戻った後も、シグネは宇野たちと一緒にダンジョントライをしていた。


「ほ、本当!?」


「ああ、その為にシグネ君の戦闘動画も撮ってある。説得する材料にはなるだろう」


「おじさん、頭良い!!」


「わはははは!」


 なんとも微笑ましくも不安な組み合わせだ。


「せ、先輩。また変な約束を……。更にお立場を悪くしますよ?」


「ふふ、小山派閥は一度どん底を味わっているからな。あれ以上は下がりようもないだろう」


 小山とは例のロリコン総理のことだ。宇野はその派閥の中核でもあったので、当時はマスコミや同業者に相当叩かれたそうだ。


(よくそんな派閥に居続けていられるなぁ……。小山元総理って、そこまで人望ある政治家なのか?)


 政治の事は本当によく分からない。



 とまれ無事任務を達成した俺たちは、長谷川からも色々と報酬を受け取り、その後はマスコミの目を避けつつ新東京で買い物をして、翌日にはそのまま徒歩で帰る事にした。


 道中までは視察団で一緒だった自衛官が馬車で森の傍まで送ってくれた。


「またねシロジカオー、タビビトオー。元気でね!」


 ヒヒーン!


 俺たちは森の中へ入ると、人目が無い事を確認してから久しぶりにエアロカーに乗り込んで街へと戻った。



 後日、シグネが【ブリーダー】スキルを習得している事が判明したが、今の俺たちはその事に気が付けなかった。








 視察団が戻って数日後、新日本政府から重大発表が行われた。それは新日本政府の正確な現在地と、その周辺国に関する情報であった。


 以前からネットやマスコミの噂で様々な憶測が飛び交っていたが、国からの正式発表は今回が初となる。実際に新日本政府の高官たちが現地を視察して、様々な情報を持ち帰ったという発表に国民たちは沸いた。



 我々が住んでいる場所は、メルキア大陸の南西部に位置するバーニメル半島であること。


 この辺りは北方民族自治区と呼称され、隣接する場所にはエイルーン王国、ガラハド帝国、ドワーフの王国があるということ。


 今回視察で訪れたエイルーン王国の街には日本人転移者も生活しており、交易が盛んである事。


 将来的にはその王国と外交を結ぶべく、今後も情報収集に努める事。



 主な内容は以上である。



 それと同時に探索者制度にも目新しい情報が提供された。


 ダンジョン付近に新たなギルド支部の創設、一部外国籍の者にも特例で探索者制度を認可する事、そして魔物図鑑アプリの発表である。



 これにはネット住人たちも大盛り上がりであった。




【速報】領域外の世界について Part.2


941:名無しの新東京人

エイルーン王国って貴族制度なんだろ?

そんな国と外交なんかして大丈夫なん?


942:名無しの新東京人

奴隷制もあるらしいからな


猫耳少女の奴隷……ハァハァ!


943:名無しの新東京人

おまわりさーん!

≫942この人です!


944:名無しの新東京人

通報しました


945:名無しの新東京人

今北産業


946:名無しの新東京人

≫945

今時そんな死語使うおっさんキモ過ぎww


政府高官が隣接する国家の街を視察

新日本国やその周辺の地理が判明

色々情報持ち帰ってこれから外交を目指す


以上だ、ハゲ!


詳細知りたければPart.1から読み直せ!


947:名無しの新東京人

きっちり全部説明してあげてるw


948:名無しの新東京人

≫946

ツンデレか!?


949:名無しの新東京人

≫946

口は悪いけど親切すぎて草w


950:名無しの新東京人

さんくすwww


951:名無しの新東京人

奴隷制はそこまで問題じゃなさそうだぞ?


本人の同意無しじゃ、奴隷にするのは王国でも違法らしい


952:名無しの新東京人

ん? 本人が同意して奴隷になる事ってあんのか?


953:名無しの新東京人

お金に困ったり、過酷な刑罰に耐えられそうにない者が志願するらしい


因みに奴隷への虐待行為も違法な


↓ソースは宮内って領域外の記者から

http-------------------------


954:名無しの新東京人

へぇ、外で活動している記者もいるのか

思ったより王国はまともそうだな


955:名無しの新東京人

ただし帝国は危険らしい


現時点では決して近づかないようにと

政府からも警告出てた


956:名無しの新東京人

冒険者って探索者みたいなもんだよな?


俺らでもなれるの?

やっぱダンジョンもあるのかなぁ?


957:名無しの新東京人

その辺りはまだ情報が出てないな


公表したら絶対王国に行こうとする連中が

増えるだろうし伏せてるんじゃね?


958:名無しの新東京人

ところで魔物図鑑アプリって何?








◇◆◇◆ プチ情報(人物紹介) ◇◆◇◆



名前:宮内健太郎

選択スキル:槍


 元日本人ジャーナリスト。一家四人で大芝森プラザコミュニティに参加して転移するも、息子の病気を理由に家族全員決死の覚悟で拠点を抜け出て、徒歩でブルタークへと訪れる。


 宮内家の選択スキルは全員戦闘向きのスキルとなっている。異世界がどういった場所かも不明なので、家族全員で相談して決めた結果だ。


 イッシンたちに息子を救われ、鹿江町へと移住した後は、健太郎はフリーのジャーナリストとして王国内を歩き回り、生の異世界情報を新日本国へと発信し続けている。




名前:宮内聖子

選択スキル:水魔法


 健太郎の妻。本人立っての希望で魔法適性スキル【水魔法】を選択した。魔法に憧れていたらしい。


 現在は鹿江町で二人の子供たちと生活を送っているが、偶に一家全員で冒険者の真似事もしている。




名前:宮内聖香せいか

選択スキル:光魔法


 宮内家の長女で、シグネより一歳年下の女の子。弟の聖太を救ってくれたイッシンに憧れに近い感情を密かに抱いている。


 最近は【ヒール】も覚えたが、イッシンとは違い【光魔法】の適性スキル故か、回復魔法よりも攻撃や補助魔法の方が得意。


 本人はイッシンのような治癒魔導士を目指している。




名前:宮内聖太しょうた

選択スキル:剣


 イッシンの【キュア】で病気もすっかり治り、現在では武藤の【木工】スキルで作り出された木刀を元気に振り回している8才児。偶にゲン爺が稽古をつけてあげている。




名前:工藤元春

選択スキル:健康


 大芝森プラザというマンションの元管理人で、今ではコミュニティの総会長を引き受けている。イッシンたちの勧めもあり、ブルタークの街に出向いては交易をして外貨を稼いでいる。


 携帯の電波が普及した事により、新日本政府の存在を知り、大芝森プラザコミュは現在、その庇護下に加わるか街に移住するかで意見が割れている。

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