第92話 視察団と森の民
遠征二日目、魔物との戦闘を宇野たちに任せっきりなのもあってか、予定していた川まで辿り着くことは出来なかった。
そこそこ視界の開けた場所を陣取ると、そこに野営地を築くことにした。
「ここをキャンプ地とする!」
シグネが突然声を上げた。
「え? なに?」
「突然どうした?」
俺と佐瀬が不思議そうな顔をすると、彼女はキョトンとした。
「なんか日本のラノベでよく出てきた台詞だよ。知らないの?」
俺と佐瀬は揃って首を横に振った。
周囲の反応を見る限り、名波と自衛隊員の一人は知っているのか、苦笑していた。有名な台詞なのだろうか?
夜営の際には幾つかのテントが張られ、身体を拭いたりする場所や、トイレの場所を用意する。
流石の日本政府も水洗トイレは持ち運べなかったようで、佐瀬たちは凄く不満そうにしていたが、ここは携帯トイレで我慢して欲しい。この世界の野営では寧ろ最上級レベルなのだから、少しはそっちにも慣れた方がいいだろう。
(トイレットペーパーがあるだけマシさ)
新日本国に来て一番の収穫と言っても過言ではない。トイレットペーパーは地球時代と比べて驚くべき価格だが、資金に余裕があれば鹿江町の皆にも配り歩きたいくらいだ。
「そういえば、新日本国は船とかは作らないんですか?」
俺はひとつ気になっていた点を宇野に尋ねた。
「船……海洋に出て、どこかと交易をしろという事かね?」
「それもありますね。俺が知っている日本人コミュニティの中には、沿岸部に拠点を作っている連中もいるので、将来的には馬車で森を抜けるより、移動が早いかもしれません」
新東京と鹿江町大学サークルの拠点は、同じ半島の東岸部に位置する。間に山や森があるので、陸路は難しそうだが、海路が使えるのならあっという間に辿り着く事も可能だ。
なんなら半島をぐるりと回って、西岸にあるという西バーニメル通商連合国の港町とでも交易をすればいい。
その事を話すと、宇野は少し考えてから口を開いた。
「ここだけの話にして欲しいんだが、既に船の建造は進めている。ただ海に棲息する魔物の脅威度がいまいち測り切れていないんだ。何か情報はないかな?」
「すみません、俺も分かってないですね。大きな船なら割と安全、小さな船で大陸横断は命取りだとは聞いていますが……」
それは魔物を抜きにしても当然な情報なので、参考にもならないだろう。宇野もそう判断したようだ。
「それは当然の事だな。まぁ、こんな世界なんだから、絶対安全な場所なんてないのかもな」
宇野はコーヒーを一口飲んでから俺に話しかけた。
「そういえば、君たちから聞いた魔物の情報は大変好評だったぞ! 我々の方でも探索者たちから情報を集めているのだが……近々政府は、魔物図鑑アプリなるものを公表する予定だ」
「え!? 何それ!?」
「面白そう!」
先程まで興味の無かったシグネや名波が話に参加してくる。ちなみに佐瀬は朝山と魔法談義で忙しそうだ。
「前の世界にもあった魚図鑑や動植物のアプリと似たようなモノだな。写真を撮って類似の魔物を照会するサービスだ。また未知の魔物情報も随時共有していき、魔物の図鑑を皆で作っていく、というシステムだ」
「わー! すっごく楽しそうだね!」
そう言う事に関してはシグネもそうだが、名波も興味津々に目を輝かせて聴いていた。
「君たちは行動範囲も広いし、是非アプリ製作に協力して欲しいと思っていたんだ。長谷川からお願いされて試作アプリも用意してある。良ければここでインストールしてみるか? 報告する際、位置情報は必須になってしまうが……」
「やるやるー!」
シグネは二つ返事で了承するが、それに俺は待ったを掛ける。
「それって位置情報をオフにする事は出来ないんですか?」
「うむ。報告する以上、撮影した魔物の場所は正確に知りたいので、本来は投稿する上で必須だそうだが……この試作アプリには位置情報を任意で切る機能も特別にあるそうだぞ?」
宇野はニヤリと笑みを浮かべた。
どうやら正式版だと位置情報を切る事は無理らしく、圏外だとマップ上にアップする事は出来ないらしい。圏外の場所は推定扱いで登録される段取りだそうだ。でないと、虚偽の申告も懸念されるからだ。
だが俺たちに支給される試作品には位置情報を任意で切れる機能がある。これは非常に助かる。
なにせ俺たちは空で移動するので、もし仮に位置情報が筒抜けのままであれば、陸路だとあり得ない場所、あり得ない期間の移動距離で魔物の発見登録をしてしまう恐れもある。
随時タイミングを選んでアプリを起動させればいいだけの話だが、いちいちそんな事に気を遣いたくはない。
しかし、宇野の反応を見るからに、どうやらこちらが所在を詮索されたくないと思っているのはバレバレなようだ。
(まさかエアロカーの存在に勘付いた? まぁ、だとしても公にバレなければ問題ないかな)
実際見られた訳ではないのだから、どうとでも言い訳できる。宇野個人としても、それを分かっていて、敢えて黙認してくれているような配慮も感じる。
(なかなか食わせ者だな、この人)
俺たちは彼からアプリのデータを受け取ってそれぞれのスマホにインストールした。流石にウイルスとかは入っていないと信じたいし、それらを疑っていたらいちいちキリがない。
シグネが俺にスマホのカメラを向けてパシャリと写真を撮ると、早速図鑑とやらにアクセスしたようだ。
「『該当なし。新種の魔物の可能性有り』、だって」
「おい! 俺は新種の魔物じゃないぞ!?」
実際の性能は明日以降のお楽しみだ。
そんな事なら昨日の時点で渡してくれれば良かったのにと思うも、どうやらつい先ほど宇野のスマホに試作アプリのデータが届いたばかりらしい。長谷川が忙しそうにしていたのはコレの為か。
翌日、馬車を進めて数時間経つと、ようやく目印となる川が見えてきた。
「この川に名称はあるのかな?」
「えっと、多分オルクル川……の支流ですかね。途中で枝分かれしているので、違う名前かもしれませんが……この川を下っても王国には行けます。途中からとんでもない大きさになりますよ」
途中で枝分かれした、恐らく本流のオルクル川は、北西のドワーフ国から交易船も来るらしいので、どこかに船を泊める場所があるのかもしれない。
この支流は浅瀬過ぎて船は無理だろうが、もう少し南に行けばそれなりの深さになっている。
「ううむ、流石にこの辺りに船着き場は……エルフ族から苦情が出そうだなぁ」
「エルフ族? この辺りにはエルフ族もいるんですか?」
そんな会話をしていたら、絶妙なタイミングで森の奥からエルフ族が姿を見せた。
「お前たち、性懲りもなくまた来たのか?」
どうやら以前、新日本国が接触したと思われるエルフ族たちのようだ。
ここは代表者として宇野が表に立つ。
「我々は王国へ向かう道中です。貴方たちの里に向かっている訳ではありません」
「何? 王国……? 人族の国か!?」
「何をしに行くのだ!? まさか、また森を荒らす気ではないだろうな!?」
「新日本国は貴方たちと友誼を結びたいと考えております。決して敵対する意思はありません!」
宇野はエルフ族を落ち着かせようと説得したが、彼らは余程人族が嫌いなのか、聞く耳を持ってくれなかった。
「何を言う! 貴様らは多くの木々を切り倒しているではないか! 人族はやはり信用できん!」
どうやら彼らとファーストコンタクトを取る前に、西側の森を切り倒して木材として利用していた事が仇となっているそうだ。
現在西側の森への探索は禁止となっており、西は伐採もしていないのだが、ずっと根に持たれているらしい。それに自分たちの棲み処ではなくとも、北部と南部にある森を開拓しているのも、彼らからしたら、あまりお気に召さないようだ。
「人族はすぐ自然を破壊する! 森へ入る事は許さん!」
「我々も糧を得る必要があるのです。伐採と同時に植林活動も進めております。全てを切り倒している訳でもありません。何卒、ご理解を……」
宇野は根気よく説得しているが、雲行きは怪しそうだ。すると——
「——長老、あの少年の胸元を見てください」
一人のエルフが、宇野と会話していたエルフへと話し掛けた。どうやら俺がわざわざ取り出して身に着けたエルフ族の護石にやっと気が付いてくれたようだ。
(ようやく気が付いたか。つーか、あの若そうなエルフが長老!? 30代くらいに見えるけど……?)
その見た目若そうなエルフの長老が俺に話しかけた。
「小僧! その護石はどうしたんだ!」
「月光族のオッドというエルフに頂いた」
あの帝国領での一件の後、俺は彼から正式に月光族の護石を譲り受けた。どうやらこれがエルフ族への信用を得る為の印らしい。
「むぅ、月光族だと?」
長老はこちらへ歩みよると、俺の胸元にあるペンダントをマジマジと観察した。
「……どうやら奪った訳ではなさそうだが、月光族が人族にそれを渡すとは……何があった?」
「それは————」
この護石をもらった経緯を話す。
俺が正直に事情を説明するとエルフ族は勿論だが、宇野たちも驚きながら聴いていた。一部の秘密を除いて、帝国領に侵入して収容所を襲撃した件や、囚われているエルフ、獣人、アジア人を救ったことも全て暴露したからだ。
「無茶をするなぁ……」
流石の宇野も、これには冷や汗をかいていた。
「成程……」
俺の話を聞くと長老は少し考え込んでいた。もしかして、彼らが月光族だったのだろうか?
「私も護石、プレゼントされたよー!」
横からシグネが別の護石を見せる。そちらはトレイシーというエルフの錬金術師が友好の証にと手渡したペンダントだ。
「それは!? 我々の里の護石ではないか!?」
「一体誰が渡した!?」
どうやらここは彼女の故郷のようだ。確か……夕風族、だったか?
「え? トレイシーさんって人からだよ!」
シグネがペンダントを貰った経緯を話すと、長老は頭を抱えた。
「あのバカ娘が……そんな軽々しく護石を渡しよって……」
「え? もしかしてトレイシーさんのパパなの!?」
「……いや。あやつは私の孫だ」
「「「お爺ちゃん!?」」」
エルフ族の年齢は見た目では本当に分からない。やはり長老と名乗るだけあって、かなりご高齢なようだ。
「ふむ、その護石も奪ったモノではないようだ…………」
エルフの長老は長い間沈黙すると、ようやく口を開いた。
「良かろう。同族も世話になったようだし、我らの領域に踏み込まないのであれば、通行を許そう」
「ありがとうございます! ぜひ、今度お礼に伺わせてください!」
「う、むぅ……まぁ、孫も世話になったようだし、少しだけ話を聞いてやるか……」
どうやらこの長老、口ではああ言っていたが孫には甘いようだ。
一時はどうなる事かと思われたが、俺たちは無事、夕風族のエルフから森の通行許可を得た。
それから視察団一行は川沿いに馬車を走らせ、その道中でも何度か魔物と遭遇した。
「あ、こいつも未登録だって!」
「こっちは登録あったよ! 『ウィンドウルフ、討伐難易度は不明』だって!」
魔物図鑑アプリは新日本国内だけでなく、将来的には外にいる者にも扱えるよう、討伐難易度を冒険者ギルドの基準に合わせる意向らしい。
魔物の名前は【鑑定】スキルで視れても、討伐難易度までは分からないので、そういった場合は不明扱いになるそうだ。ただ、それだと当面は役に立たないので、実際にどの程度強かったのか推定ランクが別に記載されている。
現在登録されている討伐難易度の殆どは、俺たちが情報源であった。
「ウィンドウルフは確かDランクだな。登録しておこう」
「有り難い。ランクが判れば探索者やギルドにとっても一つの指標となる」
今回の視察にはその辺の情報収集も含まれているそうだ。確かに命に係わる類の情報源が、俺たちだけというのも歪だろう。その辺りも精査するらしい。
日が暮れ始めたので、馬車を停め野営の準備を始める。流石に三回目ともなると手慣れ始め、あっという間にテントが設営できた。自衛隊員が夕食の準備を進める。今日はカレーのようだ。陸自も金曜日にカレーなのかな?
料理を作り終えたタイミングで、奥から何者かが近づいてくるのを名波が察知した。
「なんだ、またお前たちか」
そこに現れたのは、行きで遭遇した犬族のラドとその仲間たちだ。なんか前回も食事の時に現れたなと思っていたら、どうやら彼らは匂いに敏感らしく、気になって偵察に来たらしい。
「その食べ物は何だ? 見たことも無い料理だが……」
香辛料がふんだんに盛り込まれたカレーが気になる様だ。
「良かったら食べてみるか? カレーと言う祖国の料理だ」
俺は自衛隊員から許可を貰って、彼らにカレーを配膳した。
手渡した後に俺の背後から「犬ってカレー大丈夫なのか?」という話し声が聞こえてきたが、いざとなったらキュアを掛けるので聞き流す事にした。
玉ねぎ類とか平気かな?
心配はどうやら杞憂だったようで、彼らは美味しそうに全てを平らげた。
「これ旨いな! 人族の街にはこんなモノも売っているのか!?」
「あー、これは今のところ、我が国だけですな。もし宜しければ交易などで————」
そこからは官僚の一人がラドに語り始めた。どうやら彼は外務省の人間らしく、交渉事は本来彼の仕事となる。先ほどのエルフ族は交渉どころではなさそうな雰囲気だったので、宇野が買って出たらしい。
「うむ、カレーとやらは同胞も気に入るだろう! 族長と相談してみる。シンニホン国だな!」
ラドたちはカレーの鍋を名残惜しそうにしながら去って行った。餌付け完了である。
「なんか、トントン拍子で交渉事が捗るなぁ……」
「良い事じゃないですか」
宇野の呟きに俺は笑って答えた。
それから二日掛けて俺たちは、ようやく王国の北にある関所へと辿り着いた。
「あそこが関所……エイルーン王国領か……」
いよいよここからが正念場だ。エルフ族や獣人族とはまた違った意味で油断ならない相手だろう。
「全員、王国の情報は頭に叩き込んだな? くれぐれも迂闊な行動や発言は控えるように…… それじゃあ行こうか!」
宇野の号令で馬車はゆっくり関所へと近づいていく。
ここに来る前、彼らは俺が用意した染色の秘薬を使って髪の色を変えていた。宇野は茶髪、朝山は青色を選択した。
俺たちは顔が割れているのでそのままだ。
関所でのやり取りは全く問題が無かった。商人という建前上、積荷の品を見せて一部税金を取られもしたが、そこは俺たちが立て替えた。
「すまない。街で資金を得たら返金する」
「大丈夫ですよ。思ったより安かったので」
どうやら不作の所為か、食料品への関税が下げられているらしい。これなら街でもかなりの買取額が期待できる。
そこからは若干整備された街道になるので、俺たちは全員無理やり馬車に乗り込み、進行速度を上げる事にした。この5日間で自衛官も馬の扱いに慣れたのか、思っていたより早くブルタークの街へと辿り着く事が出来た。ギリギリ日が落ちる前だ。
「あれがブルタークの街……」
「想像以上に大きい街だなぁ」
「凄い……まさにファンタジー世界か、中世にでもタイムスリップしたようだ!」
初めてみる異世界の文明的な街並みに、視察団の人たちは大はしゃぎだ。
「今日はもう遅いから、早めに宿を手配しよう! 矢野君、どこかお勧めの場所はあるかい?」
「うーん、俺たちと同じ宿は若干高めですがお勧めです。ただ、この人数となると……」
あそこはそこそこ人気なのか、部屋はあまり空いていないのだ。
念の為≪翠楽停≫のイアン支配人に聞いてみるも、やはり十人分の空きは現在無いようだ。
だが代わりに大人数でも受け入れてくれる宿屋を紹介してくれた。イアンの知り合いが経営している宿のようだ。グレードはやや落ちるが、風呂もトイレもあり、この世界では十分立派な宿だ。
「よし、ここにしよう。矢野君、済まない。明日宿代も含めて返すので……」
「ええ。立て替えておきますよ」
これは事前の話し合いで既に決まっていた事だ。
流石にこの状況で嫌だとは言えないので快く引き受けた。国を相手に貸しは幾ら作っても足りないという事はあるまい。借りはあまり作りたくないが……全て後できっちり回収させてもらう。利子付きでだ!
視察団のメンバーと分かれ、俺たちは久しぶりに≪翠楽停≫の部屋へと戻った。
「ふぅ、今回はちょっと疲れたなぁ……」
「そうね……」
俺と佐瀬はぐったりしていた。俺は宇野とべったりで緊張し、佐瀬も朝山女史から魔法についてあれこれ質問攻めされたらしく、二人して気疲れしていた。
一方名波とシグネは楽しそうに魔物図鑑アプリを弄っていた。早速分かる範囲で魔物の情報を次々と入力していた。
視察団はしばらくブルタークに滞在する予定だ。
明日は街の案内を依頼されており、その後は視察団が出立する日まではフリーな状態になる。
(明日、乗り切れば自由が待っている……)
視察団が帰る際にも同行する事を、俺は忘却の彼方に放り投げ、ベッドにダイブするのであった。
【荒らし厳禁】探索者雑談スレ Part.7
305:名無しの探索者
やっとダンジョン当選した!
来週には初挑戦できるぜ!
306:名無しの探索者
羨ましすぎ!
俺氏、10回も応募して見事爆死
307:名無しの探索者
俺も落選……
やはりソロだからだろうか?
どうやったら当選するのか、誰か教えてクレメンス
308:名無しの探索者
≫307
305だけど、やっぱパーティ組んでないと無理じゃない?
探索者ランクは最低でもD級でないと……
309:名無しの探索者
俺、D級だけどやっぱソロだと無理かなぁ?
ていうか、探索者のランクって外の世界の冒険者ランクを参考にしているって噂、本当?
310:名無しの双剣使い
俺、C級でも落ちたぞ!?
ソロ探索者じゃあ駄目なの?
311:名無しの探索者
領域外の転移組と連絡取ってる友達情報だと、どうやら本当らしい
冒険者という職業は確かに存在するそうだ
≫310
つーか、ソロでC級って逆にすげえな!?
312:名無しの探索者
でもダンジョン街から遠くない?
いちいち行って戻るの面倒そうだし、近くにギルド作ってくれねえかなぁ……
313:名無しの情報通探索者
どうやら出来るらしいぞ、ギルド
ダンジョンの傍に何か建ててたし
314:名無しの探索者
マジか!?
探索者関連は妙に動きが早いよな、政府
315:名無しの探索者
でも、移動距離がなぁ……
車でもあれば楽なんだけど
魔導自動車も倍率高いから……
316:名無しの探索者
そっちも抽選販売だしねw
ていうか、車買っても走る道がねえだろう?
オフロードならワンチャンいけるか?
317:名無しの探索者
そういやぁ、昼間に馬車使ってる自衛隊員が居たなぁ
318:名無しの探索者
馬車とか、草生えるw
319:名無しの探索者
自衛隊、どうした?www
320:名無しの探索者
いや、この際馬車でも良くね?
乗り心地悪そうだけど……
321:名無しの情報通探索者
あー、それね
どうも外の街や国から特使が来たんじゃないかって、マスコミ連中が大騒ぎしているぞ?
322:名無しのスーパー冒険者
馬車は意外に快適だよ!
323:名無しの探索者
遂に異世界の国家と外交すんのか!?
≫322
草ww
お前、馬車乗った事あんのかw
324:名無しの双剣使い
ていうか、いい加減ダンジョン当選しろ!
一人で森の探索はもう飽きた!!
325:名無しの探索者
お前はまずパーティ組め!
ここ最近の日課である探索者の情報掲示板を眺めたり、書き込んでいると、向こうから自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
「シグネー! そろそろ街の案内に出るぞー!」
「あ、はーい! 今いくね~!」
スマホの画面を消して、私は急いで出掛ける準備をするのであった。
◇◆◇◆ プチ情報(人物紹介) ◇◆◇◆
名前:カーク
種族:人族
カーク商会の商会長。主に野菜などの食材をメインに取引している。奴隷たちを従業員として扱っているが、彼らからも慕われている。
イッシンや中野たちから日本固有の野菜を仕入れ、それを売ったところ、たちまち話題となる。更に最近ではフランベール西方軍の将校とも知己も得て、キャメル村だけでなく、フランベールへも販路を広げ始めている。
名前:キャメル村の村長
種族:人族
要塞町フランベールの近くにあるキャメル村の村長。彼の先祖であるキャメルという名の女性が開拓し、村を起こした。
名前:オズマ・フリード
種族:人族
エイルーン王国フランベール西方軍の副団長。
名前:タカヒロ
選択スキル:水魔法
元日本人で、SNSで知り合った者たちと共に異世界リストアへと転移する。しかし、退屈な毎日に嫌気が差し、他のメンバー二人も誘って三人でコミュニティを抜け出しブルタークへとやってくる。
そこでイッシンたちに助力を請うも叱咤され、今では改心してコツコツと冒険者としての実力を身に着け始めている。
今では徐々にメンバーも増えていき、イッシンは師匠扱いで、佐瀬は姉御として恐れられる存在となる。
名前:女鑑定士
種族:人族
アルテメ町の冒険者ギルド出張所に勤務する女鑑定士。名前は不明。恐らく鑑定しているであろうシグネが知っているが、彼女のことを決して語ろうとはしない。
【鑑定】スキルの上位版である【解析】を保有する彼女だが、問題行動も多く、地方の田舎町へと左遷される。
現在は次の戦い? に備えて日々素材やマジックアイテムを鑑定したり、仕事中に居眠りしたり間食したりと自由な生活を送っている。
名前:名無しのスーパー冒険者
種族:???
謎の投稿者シ〇ネちゃん。最近よく探索者関連の掲示板に現れては、妙な発言を繰り返し、大人な投稿者たちからはスルーされるか生暖かい目で見られている。
何故か自身を探索者ではなくスーパー冒険者と名乗っている。馬車に乗った経験もあるらしいが、真偽のほどは定かではない。
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