第80話 続・鑑定士の戦い

 エアロカーで鹿江町コミュに向かっている最中、佐瀬が急に北の方を向いた。


「……また電波? が多分来てる」


「マジか!?」


 佐瀬の言葉を聞いた俺はエアロカーを一旦上空で停止させた。


 マジックバッグから名波は自分のスマホを取り出して電源を着けた。


 ピロリン♪


 何度か通知音が響いてくる。どうやら再び謎電波が飛んでいるようで、携帯の通信が使えるようになっていた。


「佐瀬、これはやっぱり【マナウェーブ】という魔法か?」


 佐瀬だけが感じる事から、この謎現象は恐らく雷魔法ではないかと考えている。しかも前回の探索で佐瀬は【マナウェーブ】という、如何にもな魔法を習得していた。本人曰く、雷の魔力を周辺にまき散らせる魔法らしいが、詳細はまだ不明だ。


「多分、そう……だと思う。確かに【マナウェーブ】と似た感じがする。でも、効果範囲が桁違いよ?」


 佐瀬の魔力量をもってしても、【マナウェーブ】で魔力を飛ばせる範囲は推定1kmほどだ。しかもスマホの電波が立つわけでもない。何か絡繰りがあるのか、それとも全く別の魔法なのか、色々と謎は多い。


「ねえ、これ見て!」

「凄い! 探索者ランクだって!?」


「え? 何?」

「なんだって?」


 名波とシグネはスマホの通知から、何か面白いモノを見つけたようで、二人して騒いでいた。


 気になった俺も自分のスマホを取り出し電源を入れる。佐瀬はバッテリーを温存する為か自分のスマホは使用せず、俺に顔を寄せてスマホ画面を覗き込んだ。


「えーと、“新日本政府からのお詫びと通達”、“魔石の売買について”……なんかお知らせがいっぱい着てるぞ?」


「ホントね。あ、もしかして、二人が騒いでいたのはこれ?」


 通知のタイトルだけをチラ見しながら画面を下にスクロールさせていくと、奇妙なお知らせを見つけた。



【探索者制度と領域外への外出申請について】



(なんだ? これ?)


 気になりタップして詳細を読んでみる。すると驚きの情報が記載されていた。



 まず話の文面から察するに、”領域”とは”人類踏破領域”の略称だそうで、どうもこの領域内で新日本政府の国民たちは生活を送っているらしい。


 そして探索者とはそんな領域の外を探索する新たな職業を指すようだ。


 探索者の主な任務は外に跋扈する魔物の討伐と領域の拡大、領域外の情報収集で、その貢献度合いに応じてポイントが加算され、ランク付けされる制度らしい。


「ほとんど冒険者じゃん!?」


「そう、よねぇ……」


 探索者制度とやらはまだ施行されておらず今は告知段階で、探索者の募集や講習を行っている状況らしい。しかも探索者になるには免許が必要なようだ。


「これ、やりたい! やってみたい!」


 シグネが実に活き活きとした表情で俺の方を見つめてきた。


「うーん、確かに俺もめちゃ気になるけど、そもそも新日本国が何処にあるか分からないしなぁ……」


「……ねぇ、この問い合わせメール送れる所に聞いてみるってのはどうなの?」


「へ?」


 確かに、通知の下には問い合わせ先の団体名やらアドレスやらが記載されている。ただし電話番号の記載は無かった。


(ていうか、新日本国の人たちは、普通に電化製品が扱えるのか!?)


 メールやSMS通知で問い合わせが来るという事は、きっとそうなのだろう。技術的な事はよく分からないが、プロバイダとかデータバンクとかsimとか、一体どうなっているのだろうか?


(しかも担当が防衛庁って……まさか探索者は軍属じゃないよな?)


「…………まぁ、やるだけやってみるか」


 俺は問い合わせのメールアドレスにメッセージを送ってみた。


“この探索者制度は領域の外に住んでいる転移者でも参加が可能ですか? それと新日本国はどちらにあるのでしょう? エイルーン王国のブルターク街在住日本人より”


(こんな内容でいいか?)


 果たしてどのような返答がくるのか楽しみだ。



 直ぐに返事が来るとは思っていないので、俺と佐瀬は他の通知についても順番に目を通していった。すると、少しだけ分かった事もある。



 まず新日本政府は以前と比べてかなりの強制力を持っているという点だ。


 通知のタイトルを見ると“お知らせ”とか“お願い”とはあるが、文面を読み進めて行くと、ほぼ強制的に施策を推し進めているように伺える。


 まぁ、これは致し方ない。何せ非常時だし、内容を見る限り、別に人権が軽視されているとか、無理やり徴兵されているでもない。街の外出に制限を設けるのは当然と言えた。外はある意味国境に近い感覚だろう。島国育ちの俺たちにはあまりピンと来ないが……


 地球時代の日本で同じ真似をすればマスコミが盛大に叩きそうだが、この程度なら俺個人の意見としては十分納得できる範疇だ。



 それと度々見かけるワードがある。それが魔石エネルギーだ。


 新日本政府は魔物から採取できる魔石を新たな動力源として、様々な研究に施策を打っているらしい。探索者制度もその一環だ。どうやら新日本は魔石の数が慢性的に不足しているようだ。


 多分自衛隊だけでは魔物の討伐や周辺の開拓まで手が回らないのだろう。



「ん? 今回はやけに長い間、電波が通ってるな」


「ホントね、もしかして、この先ずっと通信が使えるようになるのかしら?」


 俺はひとつ思いついたことがあって佐瀬に声を掛けた。


「佐瀬、お前の電話番号教えてくれない?」


 これだけ一緒に居て、俺たちは誰も電話番号やアドレスを交換していなかった。だって使えなかったし……


「なるほど! 通話できるか試すのね!」


 これが出来ればかなり便利だ。佐瀬も自身のスマホを取り出して互いに番号とアドレスを交換する。


「あ、後で私も交換してね!」


 名波とも後で交換しておかねば。


「うぅ、私もバッテリーさえ残っていれば……!」


 シグネのスマホは既にバッテリー残量ゼロなので、最早どうしようもない。いや、新日本国に行けば、もしかして充電できるのか?


 俺は試しに佐瀬へ電話を掛けると————彼女のスマホから着信音が鳴り響いた。


「わぉ! 通話も出来るんだね!?」


「この着信音も久しぶりに聞いたわ……。もしもーし! イッシン、聞こえる?」


「ああ、ちゃんとスマホからも声が聞こえるぞ」


 というか、佐瀬も隣にいるんだから自分で聞こえているだろうに……



 しかし、これで確定だ。


 この電波らしきものが届いている間は通話も行える。


「あ! これならお父さん、お母さんにも連絡できるかも……」


「「「——っ!?」」」


 名波の一言に全員が息を呑んだ。


 さっそく俺たちはそれぞれの家族に通話を試みた。だが、俺の家族とは誰とも繋がらなかった。


(……駄目か。留守電にもならない。着信履歴はちゃんと残るのか?……とりあえずSMSで姉さんに送っておくか)


 佐瀬の方を見ると、そちらの表情も芳しくない。恐らく通じなかったんだろう。


「もしもし? お父さん?」


「「「え!?」」」


 突如会話を始めた名波に、俺たちは驚いてそちらを振り向いた。どうやら彼女の方は父親と繋がったようだ。


「うん、落ち着いて! 大丈夫、こっちは大丈夫だから! それより、お母さんは無事なの? ああ、良かったぁ……!」


 どうやら名波の両親は無事生きているようだ。しかも通話が出来る場所にいるとなると、割と近くにいるのかもしれない。


(確か彼女のご両親は日本政府のコミュニティに参加していた筈だ)


「うん、うん、そうだよ! 友達と一緒に安全な場所にいるから、心配しないで。じゃあ、バッテリー残量が心許ないから一旦切るね。後でメールかメッセージ頂戴。うん、分かった。元気でね!」


 名波は通話を切ると深く息を吐いた。


「良かったぁ……二人とも、新日本政府の領域内で生活してるって……」


「おお!?」

「良かったわね、留美!」

「おめでとう、ルミねえ!」


「ありがとう、皆……」


 俺と佐瀬の家族とは未だ連絡が繋がらないのを気にしてなのか、名波は少し遠慮がちにほほ笑んだ。


(まぁ、あの人たちならきっと大丈夫だろうさ)


 ペット三匹がこの世界の環境に馴染めているかだけは心配だが、姉がどうにかしてくれているだろう。


「とりあえず、鹿江町へ行こう。この情報は他の人たちにも共有するべきだ」


「そ、そうだね! 大学コミュの皆にも教えてあげないと!」



 俺たちは予定通り、まずは鹿江町へと向かうのであった。








 鹿江町に到着し、早速町会長を捕まえると、俺は電波が届いている件を伝えた。


「おお! それは本当かい!?」


「ええ、今も電波が届いているみたいです。範囲内にいる人同士なら通話も出来るそうなので、町の皆に伝えてあげてください」


「わ、分かった! ありがとう、矢野君」



 それから俺たちはダリウスさんたちにも挨拶し、同じ内容を伝えるも、残念ながらリンクス一家はバッテリーが全滅している状況らしい。


「仕方がないね。それにどうせ私の知人や親類は遠くに転移しているだろうから、電波も届かないだろうしね」


 リンクス一家は偶々日本に旅行していたタイミングで転移した為、故郷の人たちとは一切音信不通状態であった。


(リトアニアかぁ……。下手をすると別の大陸に転移しているかもな)



 残念ではあるが、家族三人離れなかっただけでもマシだとダリウスさんは笑いながら話してくれた。




 鹿江町で買い物を済ませると、今度は鹿江大学コミュへと向かった。


 そちらでも花木や浜岡たちを捕まえて電波の件を伝えると、彼らは非常に驚いていた。


「ほ、本当だ! マジで電波立ってるよ……っ!」

「嘘だろ!? 俺、もうバッテリーねえよ!?」

「あ、通話が掛かった! もしもし? お母さん……?」

「探索者制度!? すげぇ! 面白そうだな!!」


 反応は様々だったが、コミュ中が大騒ぎであった。


 鹿江町の方はお年寄りが多い所為か、ここの学生ほど騒ぎにはならなかった。


「アンタたちは毎回驚きのネタを持ってくるわね」


 中野が呆れながら俺たちに話しかけてきた。


「中野は家族に電話しないのか?」


「バッテリー切れちゃったのよ。ま、うちの家族なら大丈夫でしょう」


 それが強がりなのかは分からないが、彼女はあっさりとした態度を見せた。なら、こちらもそれに応じるか。


「実はカレーが無くなりそうなんだ。追加を作れないか?」


「うーん、香辛料が欲しいわねぇ。そうだ! 前に言ってた、街に連れて行ってくれるって話、まだ有効?」


「勿論。他にあと一人なら連れていけるぞ!」


「やったぁ!」


 実はさっきダリウスさんたちにその話をしたら、今回は行って見たいとオファーがあったので、二人は確定していた。


 エアロカーは通常八人乗りなので、後一人分は席が余っている。


 マジックバッグとエアロカーの存在を知っている者たちに尋ねてみた結果、もう一人は浜岡が行く事になった。


 花木は今回辞退し、乃木もダンジョンじゃなければいいと遠慮した。


(そういえば、あいつダンジョンに行きたがってたな。今度連れて行ってやるとするか)


 俺たちは中野と浜岡をこっそり森の中に連れ出し、エアロカーに乗せた。


「本当にこれで空を飛べるの?」

「すげえな……どうなってるんだ?」


「動力源は企業秘密だが、まぁ魔法の力だ」


「魔法かぁ……土魔法、もっと練習しようかなぁ」


 そういえば浜岡も【土魔法】のスキルを持っているんだったか。


 彼の土魔法で、近くにあるアルテメ町に向かう道中の崖にスロープを作製したと聞いている。そのお陰で拠点と町の行き来がかなりスムーズになったそうだ。


「あ、そうだ! ついでにアルテメに寄って貰えるか? 依頼されていた素材が手に入ったんだった!」


 浜岡も冒険者登録をしているらしく、今はF級だそうだ。アルテメにあるギルドの出張所をよく利用しているそうだ。


(そうだな、久しぶりにあの町に寄ってみるか)


 俺たちはまず鹿江町でダリウスさんとジーナさんを拾うと、今度はアルテメに向かって飛んだ。


 アルテメ付近の人気のない場所に着陸させてエアロカーをマジックバッグに収納させる。


「本当にそのバッグ便利よねぇ。それって街には売ってないの?」


「売ってないと思うし、あっても白金貨以上は確定だぞ?」


 多分、お金で買える類のモノじゃないと思う。伝説レジェンド級は伊達ではない。



 一行はアルテメの町にぞろぞろ入って行った。どうやらダリウスさんもゲン爺と一緒にアルテメには来たことがあるらしい。


 冒険者ギルド……正確には出張所の中に入る前に、シグネが奇妙な事をしていた。


(ん? どうしてイヤリングを外した?)


 あれは鑑定を阻害できる≪不視のイヤリング≫だ。それをここで外す意味は何だろうかと首を傾げる。


 ギルドに入ると早速浜岡は依頼の品を受付に提出する。相変わらずここのスタッフは二名だけのようだ。 


 浜岡が用を済ませている間、シグネは例の女鑑定士の元へと歩み寄った。ここの女鑑定士はただの鑑定士ではなく、【鑑定】スキルの進化版である【解析】を扱えるのだ。


「「…………」」


 鑑定士の二人は互いに見つめ合う。


「————な!?」

「……ふふん!」


 女鑑定士はシグネを見ると驚愕し、逆にシグネは意味深な笑みを浮かべていた。


(なんだろう、この既視感。以前にも似た光景を見たようなぁ……)


 ただし、あの時は両者真逆の反応で、【鑑定】しか持っていなかったシグネを女鑑定士があざ笑い、シグネが悔しそうな表情を浮かべていた。


 だが今はシグネも【解析】を会得している。


(こいつ、さてはこれだけの為にわざわざイヤリングを外したな)


 自分と同じ【解析】を習得したシグネに対し、並ばれた女鑑定士は悔しそうな顔をしていた。


 シグネの方は完全にドヤ顔状態だ。


「あー、イッシン君。娘は一体何をしているのだろうか?」


「…………鑑定士たちの戦いです。俺たちでは割って入ることは出来ません」


「は、はぁ……?」


 彼女たちの戦いは今後も続く…………かもしれない!






 アルテメで用を済ませると、今度こそブルタークへ進路を向けた。


「ふふ、シグネが生活している街はどんなかしら?」


「ブルタークはとっても広いんだよ!」


 心なしかシグネは嬉しそうだ。久しぶりに両親と一緒に行動をするのだ。鑑定士バトルでも良い結果を残せたので、今日はさぞかし大満足だろう。



 一度オルクル川の近くで小休憩をとった。街まで直ぐ近くなのだが、この景色は見応えがあるので、ぜひ一度見てもらいたかった。


「凄い大河だなぁ……」

「川が近くにあるってことは、街でも川魚を売っているのかしら?」


「ああ、結構あるぞ? 氷を作るマジックアイテムもあるらしいから、新鮮な魚を卸してる店もある。高いけどな」


「うーん、なら今回はパスね」


 魚なら拠点近海でも獲れる。わざわざ大枚はたいて買うものでもない。彼女らには不要だろう。



 再びエアロカーに乗り込むと、すぐに街の上空へと着いた。


「あれがブルターク……!」

「大きい街ねぇ……」


 彼らが足を運んだアルテメの町とは比べ物にならない規模だ。


 毎度お馴染みである人気のない場所にエアロカーを着陸させ、八人揃って街を目指した。


「はぁ、こりゃあ凄い外壁だなぁ……」


「なんか、今更ながら異世界に来たって実感させられたわ」


 中野の気持ち、凄い分かる。


「こんな立派な街にシグネは住んでるのか」


「うん。宿住まいだけどね」


「早く行きましょう!」


 久しぶりの文明を感じさせる街の雰囲気にジーナさんも少し燥いでる様子だ。



 西の門をくぐり大通りを歩いていくと、初めて来た四人は感嘆の声を次々に上げた。


「私、獣人族って初めて見たわ!」


「あー、アルテメ辺りだと、いないかもなぁ……」


 カプレットの町ではそこそこ見掛けたが、アルテメは田舎町なので他種族の人がわざわざ足を運ぶような土地ではない。


「あれは何の施設だい?」


「あそこは冒険者ギルドです。ちなみに両隣にある建物もギルドの施設です」


「そんなに大きいのかい!?」


 さっき訪れたアルテメのギルドはあくまで出張所であり、王国内でも屈指の賑わいを見せる街のギルド支部とでは比べ物にならない大きさだ。


「あ、師匠! ちーっす!」

「≪雷帝≫の姉御! お疲れ様です!」


「「誰が師匠(雷帝)だ!?」」


 俺と佐瀬が揃って抗議の声を上げた。以前絡んできたタカヒロたち日本人冒険者の集団である。


 また見ない内に人数が増えていた。


「あれがタカヒロさんの師匠か?」

「なんか弱そうだぞ?」

「あの黒髪の人、すっげー美人だなぁ」

「馬鹿! 絶対に手を出すな!? ≪雷帝≫様だぞ!?」


 色々な憶測が広まっているのか、佐瀬の存在は徐々にアンタッチャブルなものになってきていた。しかし彼らの会話が中野に聞こえてしまったのか、「雷帝……ぷぷっ!」と、笑いを堪えていた。浜岡も苦笑いだ。


(あーあ、鹿江大学の学生にも知れ渡るだろうなぁ……)


 佐瀬大明神はお怒りだ。


「私たちは街の案内で忙しいのよ! さっさと目の前から失せなさい!」


「ひっ!? 失礼しましたー!」

「逃げろ!! 佐瀬様がご乱心だ!!」

「へそを取られるぞ!」


 周囲に小さな放電をまき散らし始めた佐瀬を見て、タカヒロたちは慌てて離脱した。


(へそって…………最早、雷様扱いだな)



 ちょっとしたハプニングもあったが、俺たちは順々に街を案内して回った。








◇◆◇◆ プチ情報(人物紹介) ◇◆◇◆


名前:佐瀬 彩花


種族:人族

年齢:20才


※70話時点のステータス

闘力:1,085

魔力:13,316


所持スキル 【自動翻訳】【雷魔法】【放出魔法】【魔法強化】


習得魔法 【ライトニング】【サンダー】【パラライズ】【テレパス】【サンダーボルト】【ライトニングエンチャント】【ウォーター】【サンダーバリアー】【コミュナス】【ウォーターバレット】【ウォーターヒール】【ウインドー】【ゲイル】【ライトニングアロー】【マナウェーブ】【アイスバリアー】



本作品のヒロインその1 鹿江大学二年生


 黒髪ロングの美人大学生で、転移前は学業の合間にモデル業の真似事もしていた。同じ写真部で高校時代からの親友である名波と一緒に異世界リストアへと転移する。


 勝気な性格ではあるが根は優しく、この新たな世界の厳しさに葛藤を抱く場面も多い。アニメやゲーム、異世界物にはあまり詳しくない。


 雷魔法の他に水魔法や風魔法も相性がいいのか、魔法習得の呑み込みが早い。魔力数値も常人より遥かに高く、将来有望な魔導士。実は幼い頃から魔法使いに憧れもあり、魔法帽子に黒ローブと見た目が完全にコスプレ染みている。


 二つ名は≪雷帝≫。


 美貌ゆえに昔から言い寄ってくる男の数は多かったが、性格も災いして未だまともな恋愛経験がない。出会い方もあり主人公に淡い恋心を抱き始めているが、厄介なツンデレ属性まで抱えてしまい、本人も難儀している。

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