第57話 白鹿の旅人
「パーティ名を決めたいと思います!」
≪翠楽停≫での朝食時にシグネがそんなことを提案してきた。
昨日、商人と会話した際、パーティ名がまだ無いと言ったやり取りを俺は思い出した。
それとギルドの方でも何回かパーティ名を尋ねられたのだが、現時点では“冒険者イッシンとその一味”という認識のされ方なようだ。
「ほら、やっぱりこういう時はパーティ名あった方がいいと思うのです!」
「確かに『君はあの有名なパーティの冒険者なのか!?』的なイベントは欲しいね」
シグネに続いて名波も賛同し始めた。ふむ、パーティ名か……
「別にいいんじゃない? あった方が便利そうだし」
佐瀬の一言で民主主義による多数決の結果、我がパーティの名前を考える事にした。
「なんか強くて格好いい名前がいい! “漆黒の騎士”とか“深紅の旅団”とか!」
漆黒は勘弁願いたい。黒がつくパーティ名は例の冒険者たちの所為でイメージよくないし、何より厨二っぽいのは、この歳ではちょっと…………
「やっぱりここはリーダーを立てて“矢野君と愉快な仲間たち”なんてのは?」
愉快な名波がそんなふざけた提案をしてきた。
「私たちをイメージしたような名がいいんじゃない? 共通点は……地球?」
佐瀬だけは真面目に考えてくれていた。成程、共通点か……
「俺らの共通点……例えば転移前に居た場所とか?」
「鹿江町の公園だね!」
鹿江町……鹿、か
「うーん。”騎士団”はともかく、”旅団”って言葉は私たちに合ってるんじゃないかな? ほら、旅することも目的なんだし」
「旅団って言う程、人数いないけれどね。私は別にイッシンを立てるパーティ名でも構わないわよ? 元々この人の旅に乗っかった形だし」
名波の言葉に佐瀬が意外な提案をしてきた。
「お、俺を立てるって“愉快な仲間たち”は嫌だぞ!?」
「誰が愉快だ! そうじゃなくて、例えばアンタの特徴だとか……」
「イッシン
三人は俺の顔を、正確には真っ白に変貌してしまった髪を見つめていた。
色々話し合った結果、俺たちのパーティ名は「
うん、あんまりゴテゴテした感じじゃなくて良かった。
「パーティ名≪白鹿の旅人≫、登録完了しました。良いお名前ですね」
ギルドに顔を出すと、今日の受付は美人な女性職員であった。
新たに決めたパーティ名を告げると、ささっと登録してくれ笑顔で感想まで付け加えてくれた。これは朝からついているなと鼻の下を伸ばしていると、佐瀬がさっさと要件を済ませろと無言の圧をかけてきた。
俺はC級試験の予定がどうなっているか尋ねると、まだ日程が組まれていないと返ってきた。また明日以降顔を出して欲しいという言葉に頷き、俺たちはギルドを後にした。
次に俺たちが訪れたのは、同じ職人街地区にある≪精霊の矛≫だ。
店内に入ると以前同様、女主人のイーダと用心棒の男がいるだけだった。
「あら、いらっしゃい。今日も何か買っていってくれるのかしら?」
「ええ、また店内を見させてもらいます」
このお店の品数は豊富で、全てがマジックアイテムという訳ではなかったが、それでも多種多様な商品が置かれていた。
「あのぉ、この腕輪のように【ウォーター】が出せるマジックアイテムはないんですか?」
名波は以前購入した≪火撃の腕輪≫を見せながら尋ねると、イーダ―は薄っすら笑みを浮かべて答えてくれた。
「ええ、貴女運がいいわ。丁度昨日作ったばかりのがあるわ」
それには名波だけでなく、シグネも食いついた。
「ほ、ほんと!? 私も欲しい!」
トイレや風呂などの日常生活で水魔法がどれだけ便利か気付かされた二人は、イーダに詰め寄って尋ねた。ちなみに前回の探索で【ウォーター】を習得した佐瀬は一人高みの見物だ。
「えーと、ごめんなさい。≪流水の腕輪≫は今一つしかないの。価格は金貨10枚よ」
「「金貨10枚!?」」
俺と佐瀬は二人揃って声を上げた。
確か同じ最下級魔法を放つ≪火撃の腕輪≫の値段は金貨7枚だったと記憶している。それでも高額だが、水魔法だと何故金貨3枚も増えるのだろうか。
俺たちの疑問を察したのか、イーダが説明してくれた。
「単純に素材の費用と、後は供給量の問題ね。水魔法を欲しがる人はかなり多いのよ?」
確かに一度あの便利さを体験してしまったら欲しくなるのも道理だろう。その証拠に既に【ウォーター】を取得している俺たちはともかく、名波とシグネは買う気満々であった。
「矢野君! これは絶対に必要だよ!」
「そうだよ、イッシン兄! 必要経費! マストだよ!」
「わ、分かった! 分かったから落ち着け! でも、一つしかないんだぞ?」
俺の言葉にハッとなった二人は睨み合うと、互いにけん制を仕掛けた。
「まぁ、ここは早い者順ってことで、先に聞いた私からかな?」
「ルミ
「「ぐぬぬぬぬ!」」
二人はあれこれ理屈を並べるも、やがて不毛と感じたのか、どちらからともなく拳を構えた。
「「じゃんけーん、ぽん!!」」
結果、名波が勝ちシグネは泣き崩れた。
その様子を見兼ねたイーダがぽつりと呟いた。
「オーダーメイドなら金貨1枚プラスで受け持っているわよ?」
「お願いします!」
作り手のイーダとお財布を管理している俺の両者に対してなのだろうか、それは見事なジャパニーズ土下座であった。
結局俺たちはもう一つ≪流水の腕輪≫を追加注文することにした。前金だったので、しめて金貨21枚の出費である。
思わぬ出費であったが、それ以降も俺たちは職人街と商人街の店舗を見て回った。昨日挨拶を交わした商人カークの店も遠目に視認できた。確か彼は野菜を中心とした食材を取り扱っている商会だと言っていた気がする。
今日は特に用がないのでそのままスルーした。
本日のメインは主に携帯食を見て回ることだ。
「この世界の携帯食って美味しいの?」
腕輪を買ってご機嫌な名波に俺は渋い顔をした。
「正直言ってあまりおいしくないと思う。少なくともカプレットの町はそうだった」
「そんなの買う必要あるの? 出来立てのごはんの方が美味しいよ?」
シグネの言う事も尤もなのだが、これは必要な事なのだ。
「今度の試験、護衛という事はしばらく他の冒険者や商人と一緒に野営するんだぞ?」
C級の昇級試験は基本的に日を跨いだ護衛依頼だ。護衛対象の商人は勿論、俺たちを監督する冒険者なども同行するだろう。
「あ、そっか。他の人の前でマジックバッグは使えないね」
「そういうことだ」
初日のお昼とかなら多少の言い訳も経つが、流石に数日経って作り立ての弁当や熱々の串肉なんかを取り出したら一発で勘付かれるだろう。
面倒だが、今回はこの世界の流儀に倣って少しでも美味しい携帯食を手に入れる他あるまい。
(もしくは自分たちで作るかだが……時間あるかなぁ)
俺は夕べ見た一心ファイルの内容を思い浮かべながら、お店を回るのであった。
色々買い物をして街を出た俺たちは、西にあるブルターク西方森林まで歩いてきた。森の端なら30分くらいで辿り着く。
「こんな所にまで来てどうするの?」
「確かこの辺りに……あー、あった!」
俺は丁度良さげな竹のようなものを発見すると剣で切断し、皮を剥いでいった。
「あー、分かった! 竹の皮で保存するんだね!」
「そそ。なんか乾燥した皮が丁度いいみたい」
ネットで拾ってきた情報をまとめた一心ファイルを参考に、俺は必要分の皮を集めると、今度は何時もの人気がない検証場へとやってきた。
先程集めた皮を【ウォーター】でわしわし洗い流した後、適当に持ってきた木の枝やロープで組み立てて、簡易的な物干し竿を完成させた。そこに洗った皮を干す。
「ほんとはもっと細かい工程を重ねた方がいいんだろうけど、これでも十分効果はあるっぽい」
これで抗菌・防腐・消臭効果が多少はある包装紙の完成だ。
もし仮に腹を下すのなら、俺には【キュア】があるので問題はない。
竹皮を干している間に、他の作業も進めていく。
「あ、ライスだ! ご飯を炊くの?」
「うん。おにぎりを作ろうと思ってね」
「ライスボール!!」
シグネが嬉しそうに飛び跳ねた。
おにぎりは長期間の保存など、実際には無理なので、遠出する際には初日のお昼用としてマジックバッグに収納する予定だ。
街で購入した飯盒のような物でお米を炊く。うーん、上手くできるだろうか。
お米が用意出来たら、鹿江町コミュニティで手に入れた貴重な梅干しや、その他具材を入れていく。塩おにぎりだけでも十分に美味しい。
お米を炊きながら、今度は干し肉に挑戦だ。
干し肉の作り方は色々あるらしいが、基本的には肉を薄く切って塩水に漬けて干す。
今回は鹿の肉を使用する。干し肉には脂身の少ない所を使うのがポイントだそうだ。
次に塩分濃度3%くらいの塩水に漬けこむ。その際に肉の臭みを取れるような食材も混ぜると良いらしいので、商人街で購入したニンニクのような物も一緒に混ぜておく。
……あれ? 塩分濃度ってどうやって計るんだ? いいや、適当で
この後はそのまま干してもいいのだが、この辺りは気温や湿度が高いので、心配なら殺菌処理が必要なのだが、そこは【キュア】で除菌をする。
(困ったら魔法! やっぱファンタジーは最高だぜ!)
干す際は直射日光を避けてとファイルに残した注意書きにあったが……めっちゃ日が当たっているな。
俺はマジックバッグから厚めの布と竹の残りを使って、干した肉が日陰になるように屋根を作った。風通しも必要なので横は開けたままだ。
おにぎりの方は佐瀬たちに任せていたが、どうやら上手く炊けたようだ。名波はキャンプの経験が豊富らしく、かなり手慣れた様子だ。
お米が炊き上がると、それぞれお好みの形に整え、好きな具材を入れていく。
「あちあち! でも、美味しそう!」
シグネも楽しそうに参加していた。
肉を干す時間は季節にもよるそうだが、二日以上は覚悟した方が良さそうだ。ただしずっとここにいる訳にもいかないので、そこはマジックバッグによる時間停止の恩恵で一時中断する事が可能だ。
なんか所々魔法の力任せだが、これで一応は保存食の準備が整った。もし今回は間に合わなくても、この世界での一般的な保存食も別に用意してある。
だが人目のつかない場所ならば普段通りの温かい食事をするつもりなので、これらはあくまでも言い訳用のダミー非常食だ。俺たちだけで夜営時の見張りをする際は、こっそり盗み食いをする気満々であった。
今日は日が暮れるまで、外で肉を干しながら時間をつぶそうと思っている。各自手持ち無沙汰になると、それぞれ魔法やスキルの実験をしていた。
俺は乗り物制作の続きだ。エンペラーエント素材の加工は本当に時間が掛かるので、暇を見つけては乗り物の形を整えていく。うん、外側は大分様になってきたが、まだ内部が手つかずだ。
やがて魔力を使い切ると、俺は読書の時間と洒落込んだ。先ほど≪精霊の矛≫から二冊の本を購入していたのだ。マジックアイテム作成に関しての教本と錬金術の基礎知識について書かれている本だ。
どうやらそれぞれ異国の言葉で書かれているようで、所々この国の言葉で翻訳されている箇所や補足事項が記載されていた。この本は女主人イーダのお下がりらしく、もう不要らしいので店に並べられていたのを俺が購入した。多分この付け加えられた字はイーダの筆跡だろう。
(ふむ、こういう時【自動翻訳】スキルは便利だな)
地味なようで実はこれが一番の神スキルな気もする。余程の古い言語でなければ大抵は翻訳してくれると女神アリスが言っていた。
俺は本を読みこむ前にパラパラと簡単に内容を確認していた。すると、そこに気になる情報が書かれていた。
「ん? ゴーレム制作の基礎理論……へぇ」
それは俺が以前から気になっていた問題点を解決してくれる糸口に思えたのだ。
日が暮れ始めてきたので俺たちは撤収準備に入った。干し肉製作はまた次の日以降に持ち越しだ。
「新しい魔法を覚えたわ!」
なんと佐瀬は魔物と戦わずして新たな魔法を習得したようだ。
読書に集中していて全く気が付かなかったが、どうやらシグネが新魔法【サイレント】で防音をしていたらしく、彼女たちが騒いでいた事に俺だけが気付けなかったらしい。
しかしこれで魔法も訓練次第で身に着けられることが実証された訳だ。
新魔法は【サンダーバリアー】という下級のバリアー系魔法だそうだ。雷属性の魔法に対する耐性を向上させる魔法だ。
既にシグネが【ウインドーバリアー】を習得しているので、俺たちは風に続いて対雷属性の魔法も手にした事になる。
翌朝、食事を終えた俺たちは今日もギルドに顔を出すと男性職員からこう告げられた。
「≪白鹿の旅人≫パーティの昇級試験日程が決まりました」
いよいよC級昇格テストの日が決まったようだ。しかも明日から、5日間から7日間程の予定で、試験内容はやはり商人の護衛依頼だそうだ。
「今なら断る事も出来ますけど、如何致しますか?」
「勿論、参加でお願いします」
「かしこまりました。受理しておきます」
こうしてC級昇格試験と初護衛の任務が同時に決まった。
時間は明日の朝6時から、場所は西門を出た所で集合らしい。それとC級冒険者とギルド職員がサポートに回るそうだが、あくまで試験官という立ち位置らしく、基本は手を出さない方針だそうだ。
(一応簡単な護衛のレクチャーは受けたけど、大丈夫かなぁ)
それと場所も少しだけ気に掛かる。西門集合という事はここから西側方面に行くという事だ。この街から西となると隣国であるガラハド帝国の国境線が大分近くなる。
近年は小競り合い程度で大きな戦争は少ないと聞くが、だからと言って全く安心という訳ではない。
(少し調べてみるか)
俺はギルド職員に依頼者や目的地、それと同行する冒険者についてあれこれ尋ねた。するとギルド職員はにっこりしながら答えてくれた。
「今回の依頼主はカーク商会からで、目的地は西にあるキャメル村です。同行する冒険者については本来なら明かせる情報ですが、今回は試験という事で不正防止の為に敢えて伏せさせていただきます」
なんと依頼者は一昨日遭遇した商人カークであった。
しかし同行する冒険者は明かせないという点は少し不安になったが、どうやらそれも杞憂らしい。
「安心してください。≪白鹿の旅人≫は女性が多いですからね。同行者も女性がいるパーティなので問題ないかと。試験官の冒険者には品行方正な適任者を選んでおります」
きちんとそこら辺もケアしてくれているようで安心した。このハーレム野郎が! って絡まれないか心配していた。今でもそれとなくギルド内の男冒険者の視線が痛い……
しかし、俺が質問するまで目的地どころか依頼主の名すらも明かさなかったとなると……もしかして、既に試験は始まっていて試されているのだろうか?
俺はこの機会にできるだけ情報を得てから職員に礼を言ってその場を離れた。
「まさかカークさんが依頼主とはね」
「この前の奴隷を連れていた人だよね?」
「でも優しそうな人だったよ」
一昨日話した限りでは問題なさそうな人物だったが、経験豊富な商人ともなると、その性根までを探るのは俺如きでは不可能だろう。まあ表向きでも友好的なままなのならば問題はないのだが……
その後、俺たちは再び商店街へ赴いて旅の準備を進めた。折角の干し肉はやはり間に合いそうもないので、大人しく現地の非常食を追加で購入しておく。
お、このお湯で溶けるスープの具材はいいな!
地球のインスタント食品のような物もあった。ただし試食してみたら薄味だったので、調味料も忘れないように準備しておく。
翌日の早朝、俺たちは指定時刻よりも早めに西門へと向かった。この世界の時間は曖昧なので、万が一依頼主より遅いと心象に響くと考えたからだ。
俺たちが到着してから暫く経つと、まずはギルド職員が冒険者を引き連れてやって来た。
「おはようございます≪白鹿の旅人≫の皆さん。随分お早いですね」
昨日顔を合わせた男性職員と挨拶を交わすと、早速後ろにいる冒険者たちを紹介してくれた。というか————
「——え? マルコ!?」
「試験を受ける冒険者ってお前か!? イッシン!」
なんとその冒険者たちは、以前ダンジョンで行動を共にしたteamコココのメンバーであった。
リーダーである剣士マルコの他に、斥候のコランコと魔法使いのココナも一緒だ。
「お久しぶりです、イッシンさん。まさか、こちらにいらしているとは……」
「後ろの三人は彼女? イッシン、ハーレムパーティ作っちゃったの?」
コランコは相変わらず丁寧な挨拶で、反面ココナは俺の事を揶揄ってきた。
「ちげえよ! 彼女たちは俺の同郷でただの……大切な仲間だ」
“ただの仲間だ!”と口が滑りそうになると、何故か後ろから殺気が飛んできたので、すかさず無難な回答にしておく。俺は空気が読める人間なのだ!
「イッシン、お知り合い?」
佐瀬の言葉に俺は頷いた。
「ああ、彼らはカプレットで短い間一緒だったパーティで、えーと雷名の……」
あれ? パーティ名をド忘れしてしまったぞ! 確か雷名のなんたら! ってのは憶えているのだが、ずっとteamコココと心の中で名前付けしていたから忘れてしまった。
「あー、彼らはteamコココのメンバーだ!」
「誰がteamコココだ!?」
「誰がteamコココですか!?」
「誰がteamコココよ!?」
「……このように息ピッタリの仲良し冒険者だ」
俺たちのコントのようなやり取りに佐瀬たちは苦笑していた。
それから初顔合わせの佐瀬たちもお互いに自己紹介を進めて行く。マルコたちは≪雷名の炎≫というパーティ名をやたら強調して挨拶していたが、果たして俺は憶えていられるだろうか……自信がない。
その様子を見守っていたギルド職員は苦笑い気味だ。
「うーん、顔見知りを避けたつもりだったのですが……致し方ないですね」
試験官という立場上、知人を組ませるのは問題があるので避けたかったらしい。だが流石にギルドといえども、そこまで冒険者同士の交流関係を把握している訳ではない。よって今回みたいなケースは稀にあるそうだ。
俺たちが友好を深めていると、どうやら依頼主の方も到着したようだ。
「ああ、私たちが最後でしたか。皆さんお早いご到着で……おや?」
商人カークは俺たちの姿を見ると少し驚いていた。
「どうもカークさん。この間ぶりです」
「おお、貴方たちも参加して頂けるのですか! これは心強い。しかし、はて……パーティ名は無いと伺っておりましたが……」
「すみません、つい一昨日名付けたばかりで、今後は≪白鹿の旅人≫と名乗る事にしました」
俺は苦笑しながらカークに説明をした。
「それはそれは、良い名前ですね」
カークは褒めてくれたが、マルコたち冒険者からすると「もっと勇ましい名前の方が」とか「舐められない名前の方がいいわよ?」とやや不評であった。
そこら辺はどうも一般人と冒険者とで感性が違うようだ。
こうして俺たちは予期せぬ再会を果たし、初の護衛任務がスタートするのであった。
――女神アリスと地球の代表者たちによるQ&A情報――
Q:大陸間を移動できるような船はあるのでしょうか?
A:あります
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