第50話 とっても良い壺なのです!
翌朝、俺たちは≪翠楽停≫で朝食を終えると早速街中を散策した。
「まずは武装からだ。武器や防具はパーティの資金から捻出するからな」
俺の言葉に全員が頷く。
「そうね。残ったお金でマジックアイテムや生活雑貨を増やしたいわね」
「それと替えの服が欲しいかも」
「私、鎧が欲しい!」
買いたい物を上げればキリがない。いくら大きな収入を得たからと言って、何でも買えるわけではない。
現在のパーティ共有資金は金貨20枚程だ。
実際はもう少しあるのだが、宿泊費に食費その他諸々を考慮すると、やはり金貨20枚が上限だろう。
昨日ハワード支部長から頂いた助言に従って、まずは職人街地区へとやってきた。ギルドの裏手にある通りへ出ると、確かに職人の街といった雰囲気だ。あちこちに金物屋や木材を扱う店が並んでいる。
どこかから鉄を打つ音も響いてきていた。恐らく近くに鍛冶場があるのだろう。
「あ、あそこ! いかにも武器屋って感じじゃない?」
名波が指した先を見ると、確かにその店の看板には剣と盾の絵が彫られていた。この世界の住人たちはあまり識字率がよろしくない。だからああやって絵などで、ここがどういった店なのかをアピールしているのだ。
「おう、いらっしゃい!」
中に入ると厳つい店員が声を掛けてきた。俺たちは目礼をすると、さっそく店内に飾られている武器や防具を品定めした。
「へぇ、カプレットの町でも武器屋は少しだけ見たけど、ここはそれ以上の品揃えね」
「お、嬢ちゃんは東の出身か? カプレットはダンジョンもあっから、そこそこ武器もあるだろうが、品質に品揃えはやっぱ西側の方が上だろうよ!」
店の親父さんは誇らしげに佐瀬へと語りかけた。
ここエイルーン王国は、ほぼ中央に流れている大河、オルクル川を境に東部と西部で別れている。首都を含め大きな街が西部に点在している所為か、どうしても東側は田舎扱いされているのだ。
(ま、実際に田舎だったしなぁ……)
確かに親父さんの言う通り、西部の店の方が品質、品揃えと上だろう。
「お前さんたち見ない顔だな。東から来たルーキーってところか?」
「ま、冒険者なりたてってのはその通りなんだけどね。これでも一応D級冒険者だよ」
俺は懐から冒険者証を取り出して見せた。下手に見かけで見習い扱いされて安物を買わされたら溜まったものではない。俺は自分のランクがD級である事を伝えた。
他の三人も自慢げに冒険者証を親父さんに見せた。気持ちは分かる。管理ナンバーが彫っただけの木片から鉄製のまともな冒険者証に変わったのだ。そりゃあ見せたくもなるか。
「驚いたな……まさか全員D級とは……」
それから親父さんは俺たちに色々武器や防具を見せてまわった。佐瀬は面白そうに見ていたが、彼女は魔法使いポジションな為、今はナイフ一本で十分だそうだ。防具も鎧よりかはローブを着込みたいと話していた。
(杖に三角の魔法帽子といい、完全に魔女の格好になるな)
そんな事を考えながら俺も適当に防具を見繕っていると、シグネが親父さんに話しかけていた。
「おじさん、刀は置いてないんですか?」
「か、刀ぁ!?」
思わず俺は声を上げた。確かにシグネは武器を変えたいと言っていたが、まさか刀を所望だとは思いも寄らなかった。
「かたな? 聞いた事ない武器だな。どういった得物だ?」
「えっとね。長くて薄くてちょっと反ってて切れ味抜群の剣」
「…………そんな武器、折れちゃわねえか?」
うーん、シグネの説明だといまいち伝わりきっていないようだ。
「親父さん。 シミターってある? 刀はそれを細長くしたイメージかな。特殊な工法で多少頑丈でしなるから、そこそこ折れにくくはなってるんだ」
「ああ、成程な。ちょっとだけイメージ湧いてきたぞ。だが、すまねえな。そんな武器は多分この街の何処にもないぞ?」
「そ、そんなぁ~」
親父さんの言葉にシグネはがっくり項垂れていた。
「あ~、シグネ。刀はまた今度で、今はシミターの方にしたらどうだ?」
「おう! シミターなら置いてあるぜ!」
「……なんか山賊や海賊っぽくてやだ!」
こら! 偏見だぞ! ちゃんと格好いいシミター使いだっているんだからな!
「嬢ちゃんの体格だと、ショートソードか……あとはレイピアなんてどうだ?」
「——レイピア!?」
何かがシグネの琴線に触れたのか、目に輝きを取り戻した。
「ほれ、こいつなんか軽いし、嬢ちゃんでもしっかり扱えるだろう」
親父さんから飾ってある1本のレイピアを受け取ると、シグネは笑みを浮かべながらそれを見つめていた。
(……レイピアって【剣】スキルの対象なのか? それとも突き刺すから【槍】の方か?)
俺はふと疑問が沸いたので、シグネに声を掛けた。
「シグネ、悪いけどちょっとそれ貸してくれ」
「へ? う、うん」
盗られるとでも思ったのか、彼女は一瞬躊躇っていたが渡してくれた。盗らねえよ!
「親父さん、ちょっと試してもいいか?」
「ああ、そっちのスペースで周囲に気を付けてやれよ」
俺は店内の少し広くなっている場所へ行くと、レイピアを素早く何度か振るい、突きを数回繰り返した。
「ほぉ、見事なもんだな」
試し終わった俺はシグネにレイピアを返すと、小声で彼女にこう言った。
「シグネ。多分レイピアも【剣】スキルで補正が入るぞ。恐らく刀も【剣】分類だろうし、繋ぎとして扱うのも悪くない」
たしか【刀】というスキルは転移時の選択肢に無かった筈なので、恐らく日本刀なんかも【剣】スキルが有効なのだろう。
「う、うん! ありがとうイッシン
「毎度あり!」
シグネのメイン武器は当分の間レイピアとなった。
それから少しだけ防具を見て、ここで一度に買わず、他の店を回る事にした。
「イッシンは新しい武器いいの?」
「うーん、俺はもう少し纏まった金が入ってから買いたいから今回はパスだ」
出来れば鉄製を卒業して、ミスリル製かアダマンタイト製の剣を購入したいのだ。ただし、それらの剣は価格も跳ね上がるので今回では資金不足だ。当分の間は我慢だな。
「ただ少し刃こぼれしているし、どこかの鍛冶屋で見てもらいたいんだ」
「なら、あそこはどうかな?」
シグネが指した方角を見ると、その建物の煙突からは煙が立ち昇っていた。それに鉄を打つ音も響いてくる。あそこは間違いなく鍛冶屋だろう。
「ごめんくださーい。ここは武器の研ぎなんか行ってます?」
「——!? ああん、客かぁ? おい、誰かいねえか!」
建物の中には金槌で焼けた鉄を叩いているドワーフの男しかいなかった。
そのドワーフが大声を上げると、奥から慌ただしく別の者がやって来た。なんと二足歩行する服を着たサイだ。
「客だ! 面倒みてやれ!」
「へ、へい親方!」
どうやら彼はサイ族の獣人なようで、俺たちを作業台の方へと案内した。
「そっちの兄さんが依頼人かい?」
「ああ、この剣の研ぎをお願いしたいんだ」
俺は鞘から剣を抜くと、作業台の上に置いた。
「ふむ、ふむふむ……うわぁ、こりゃあ酷い……」
「……そんなに酷い状態なのか?」
俺が恐る恐る尋ねると、それに答えたのはいつの間にか作業を終えて背後で見ていたドワーフの親方であった。
「…………こりゃあ買い換えた方が早そうだな。お前さん、かなり長い間使い込んだろ?」
「え? えーと……買って一カ月も経ってませんけど……」
「「一カ月!?」」
親方とサイ男は揃って声を上げた。
「どんな使い方をすれば一カ月でこうなるんだ? この剣、そんなに悪い出来じゃあねえぞ!?」
「どんな使い方って……」
えーと、確かカプレットで剣を買ってから……東の森で魔物を倒して、佐瀬たちに出会って、人を斬って、ハイオークと戦って、エント種は……剣使ってないか? アサシンクーガー、アサルトベアー、ダンジョンでDランクやCランク諸々にオークジェネラルと……うん、酷使しまくってるな。
「あはは、大分濃い一カ月だったもので……」
「呆れた奴だなぁ。お前さん、冒険者だろう? ランクは?」
「Dです」
俺が答えると親方は少しだけ驚いて見せたが、そのまま何も言わずに一旦奥の部屋へと入っていった。暫くすると、ひと振りの剣を携えて俺に手渡した。
「こいつは頑丈だけが取り柄の鉄製の剣だ。これでよければ銀貨10枚で売ってやる」
「え? いいんですか!? この剣だって銀貨35枚はしたのに……」
これでは安すぎないだろうか? それとも何か欠陥を抱えているのか、俺は少し不安になった。
「お前さんの剣が銀貨35枚ってのは妥当な価格だろうよ。だが、こいつは頑丈さこそその剣より上だろうが、斬るには向いていねえ。ま、一カ月でここまでボロボロにする奴にはこれくらいが丁度いい。それ以上望むのなら、金貨20枚以上は用意してアダマンタイト製の剣でも買うんだな」
「ううむ……よし、買います!」
「ああ、そうしとけ! それとその剣、もう実戦で使うのは止めておけ! 何時折れてもおかしくねえぞ?」
「ご忠告ありがとうございます」
俺は親方に頭を下げ、バッグから銀貨10枚を取り出して新たな剣を購入した。
「イッシン兄、得したね」
「シグネが鍛冶屋を見つけてくれたお陰だな」
今度なにか入用な時には、この鍛冶屋を訪れるとしよう。
鍛冶屋を出た俺たちは、商人街地区へ向かう前にハワード支部長お勧めの≪精霊の矛≫という店を訪ねた。そのお店も鍛冶屋と同じ職人街地区にあるが、場所は大通りに面していた。かなり良い立地で商売しているようだが、思っていたよりも小さな店である。
店内に入るとカウンターには妙齢の女性店員と、奥の方には武装した男がこちらの様子を伺っていた。高価なマジックアイテムが置いてある店だと聞いているので、彼は用心棒なのだろう。
「新顔ね。見た目からして……新人冒険者かしら?」
女性店員の言葉に俺は苦笑した。
「店に入る度にそう言われます。どこも一人一人客の顔を覚えているものなんですか?」
「流石に全員は覚えてないわ。そう尋ねられるのは、きっと貴方たちの容姿が珍しいからよ」
確かにこの辺りで日本人の真っ黒な髪色は珍しい。それに今の俺も白髪だ。黒髪の方は全くいない訳でもないが、奇抜な髪色が三人揃った上に新人っぽい冒険者ともなると目立つのだろう。
「ギルドにこのお店を紹介されたのですが、戦闘にも使えるマジックアイテムがあると伺ってます」
俺が尋ねると彼女は頷いた。
「あるわよ。ギルドって冒険者ギルドの方で合ってるのよね?」
「他にもギルドがあるんですか!?」
「ええ、後は商人ギルドだけだけどね」
俺たちは冒険者証を見せて自己紹介すると、彼女も名前を名乗った。ここの店主のイーダさん。それと奥にいる彼は名前こそ聞けなかったが、やはり用心棒だったようだ。
「その年で全員D級とは恐れ入ったわ。それで、戦闘用のマジックアイテムだったわね。どういった物がお好みかしら?」
今更ながら気が付いたが、俺の見た目が若くなっているのもそうだが、どうやら佐瀬や名波も実年齢より幼く見られているようだ。多分平均15,6才のパーティだと勘違いされているのかもしれない。日本人の容姿はどうしても幼く見られがちだ。
「特にこれといって……。今日は下見がメインなんですが、気に入った物なら予算内で買おうかと」
「ふーん、ならこれなんかどう? ≪火撃の腕輪≫。【ファイア】相当の魔法なら撃てるわ」
オーソドックスだが、いきなり有用そうな物が出てきた。既に【ファイア】を習得している俺は兎も角、魔法を使えない名波には便利だろう。
本人も同じ事を思ったのか、腕輪をジッと見つめながら尋ねた。
「これ、お幾らなんですか?」
「この腕輪は私の中でも自信作よ。金貨7枚ね」
「「「金貨7枚!?」」」
想像以上の高額に三人は驚いていたが、俺はそれくらいが妥当だろうなと思っていた。金で魔法が買えるのなら安いものだ。
しかし聞き捨てならない事を聞いた
「それはイーダさんが作ったんですか?」
「ええ、そうよ。私、こう見えても魔法ギルドの“赤”なの」
彼女は服と胸の隙間から一枚の赤いカードのような物を取り出した。なんちゅう所にしまっているんだ、この人は!? これは目の保養……いや、目のやり場に困ってしまう。ほら、女性陣も冷たい視線を向けてしまっているではないか!
「す、すみません。その“赤”ってのは何ですか?」
「冒険者ギルドのランクみたいなものよ。上から黄金、銀、赤、紫、青、黄、灰の7階級ね」
何とも奇妙で分かり辛い階級だが、そうだとすると彼女は上から三番目の魔導士という事だろうか? 冒険者に例えるとB級となる。これはなかなか凄そうな人物だ。
「商人ギルドにもランクってあるんですか?」
疑問に思ったのか佐瀬が尋ねると、彼女は首を横に振った。
「そういった階級は無いわね。私は商人ギルドの方にも所属しているけど、あそこは貢献度よりも財力やコネクションを大切にするギルドなの。どっちのギルドも冒険者ギルドと比べると、まどろっこしくて大変よ」
それからも彼女は両ギルドについて簡単に説明してくれた。
魔法ギルドは魔法による戦闘を生業とするのではなく、あくまで研究や商売が主体で、魔法により利益を生み出す事を理念に掲げている。
その性質上、戦闘能力の高い魔法使いより、新たな魔法を生み出したり、有益なマジックアイテムを生産できるような人材が求められる。
イーダさんはマジックアイテムの研究に長年携わり、その成果が認められ“赤”の位に昇り詰めたそうだ。
一方、商人ギルドは少し変わっており、階級などは一切ないが、商人としてどれだけ稼げるか、どれだけの顧客を増やせるか、という点に重きを置いている。
顧客を増やすと言っても、ただ単に数を増やすだけでなく、その質も求められている。貴族のお眼鏡に適うような商店を持つようになると、商人ギルドが全面的にサポートをしてくれ、更に他の貴族や上級の貴族への繋がりを持てるようになるのだそうだ。
それは商人ギルドの必要性があるのかと俺は疑問に思うも、イーダさんの話では入会しておくと色々便利なようだ。
一番のメリットは横の繋がりが増える事により、貴族による強権から免れる可能性が高まるという点だ。例えば子爵や男爵に商品の独占を迫られた場合、商人ギルドと懇意にしている上級貴族が擁護してくれる事もあるそうだ。
(それって逆に言えば、伯爵や侯爵クラス相手じゃ、庇えないって意味じゃん!?)
やはり俺にはギルドの必要性があまり感じられなかったが、この街にあるお店の殆どが商人ギルドに所属しているそうなので、もし仮に商売を始めるのなら少し調べてみてもいいかもしれない。
彼女から色々話を聞いた手前、冷やかしだけで帰るのもあれなので、俺たちは店の中を見させて貰った。意外に俺たちの他に来店する者は殆どいなかった。どうやら高級なアイテムばかりなので、買う者も限られているようだ。
「ちなみに≪火撃の腕輪≫より強力な魔法が撃てるマジックアイテムは無いんですか?」
「無茶言わないで。これでもそれ、
どうやらマジックアイテムで作成できるレベルは、良くても一等級辺りまでで、希少級の製作者は大変貴重な人材らしい。
過去には
(……俺のマジックバッグ、魔力を注ぎまくったら伝説級になっちゃったんですけど?)
これも作ったにカウントされるのだろうか?
「そういえばステータス……闘力や魔力を隠すマジックアイテムなんてあるんですか?」
名波の問いにイーダは困った顔を浮かべた。
「私は隠蔽・改ざん系の制作は専門外なの。そういった類の物は御上にも疎まれるしね」
確かに為政者側からすれば、能力を隠したりするアイテムは邪魔以外の何ものでもないだろう。それこそ店に売り出せば貴族に独占される標的だ。ギルドも庇い立てできまい。
そろそろ粗方の品を見終わったので、俺たちは≪火撃の腕輪≫を買う事に決めた。使い手は当然、魔法を持っていない名波だ。
「そ、そんな高いのをいいの?」
「ああ、これでパーティが強くなるのなら、俺たちも助かる」
「そうね。留美、ここは素直に受け取りなさい」
「ありがとう!!」
金貨7枚はなかなかの出費だが、彼女の喜びようを見ると購入のしがいもある。
俺はカウンターで支払いを済ませようとすると……服の裾をシグネに引っ張られた。そういえば先程から随分シグネが大人しい気がする。
「イッシン兄、これも買っていいかな?」
彼女が片腕で抱えていたモノは、古臭い小さな壺であった。
「それは≪獣避けの壺≫ね。でも、いまいち効果が分からないのよ」
「? 鑑定はしなかったんですか?」
「勿論して貰ったわ。でも、
「?? なら、臭いを消すマジックアイテムなんじゃないんですか?」
俺が不思議そうに尋ねると、彼女はシグネからその壺を受け取り、カウンターの上に置いて魔力を込めた。どうやらそれが発動条件のようだ。
そして彼女はカウンターの下から何やら怪しい瓶を取り出すと、蓋を取って壺に近づけた。
「これは香水よ。ほら、嗅いでみて?」
「スンスン……普通に匂いますね?」
全く匂いを吸収出来ていないようだ。
「でしょう? だから私も困っているのよ」
イーダは心底困ったように苦笑いを浮かべると、それは買うべきではないとシグネに促した。
だが、シグネはそれでも買う気のようだ。
不審に思った佐瀬がテレパスを送る。
『シグネ、本当にいいの? それとも何か考えがあるの?』
『……サヤカ
「「「——っ!?」」」
思わず声が漏れそうになる。
しかし、そうなると合点がいく。彼女は【解析】によって更に詳しいアイテムの効果を視る事ができたのだろう。
ここはシグネを信じて壺も購入する事にした。
「ホントにいいの? 規則上、店から出た時点で返品は受け付けないわよ?」
躊躇うイーダにシグネが返答した。
「大丈夫です! これは……そうだ! デザインが斬新でとっても良い壺なのです!」
あからさまな態度に俺たちは顔に手を当てた。これでは壺について何か知っていると白状するようなものだ。
当然イーダも察したようだ。
「……ふふ、成程ね。貴方、どうやら随分と
するとシグネは俺たちが止める間もなく食いついた。
「ホント!? やったー! じゃあ、教えてあげる!」
彼女は見事に釣られると、壺について全部話してしまった。
(シグネさんや。それは最早、【解析】スキル持ちだと白状しているようなものですよ?)
ただより高いものはない。まさしくその通りだ。
まあ、彼女はそんなに悪い人には見えないし、今後を考えればマジックアイテムを扱う店主と懇意にするのも悪くはないだろう。
しかしポーション売りのエルフ店員、トレイシーさんの件といい、シグネはこの手の人種に好かれるようであった。
名称:獣避けの壺
マジックアイテム:
効果:臭いを吸収する
ただし一定以上の悪臭に限られ、魔力がある限り自動で吸収し続ける
――女神アリスと地球の代表者たちによるQ&A情報――
Q:ミカリス神を讃える宗教を開いても宜しいでしょうか?
A:既にあります
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