第8話 開拓村と冒険者

 名も無き開拓村に来てから翌日、日が明けてそう立たない時間に起こされた俺は、村人たちと一緒に農作業へと出かけた。生まれて初めての作業なので最初は戸惑っていたが、周りの村人に教えてもらいながら従事した。


(これ、結構きついな……)


 その村に現代的な農耕器具などは無く、くわというよりへらに近い木製道具を使ってひたすら土を耕した。


 畑の仕事がひと段落すると、今度は森の中から樵たちが切り倒した丸太を運ぶ仕事だ。伐採した木を薪や木材にする為だ。数人がかりで運ぶのだが、足場が悪いのでこれも相当厳しかった。


 それが終わると、今度は水汲みだ。この村に井戸はあるにはあるのだが、それだけでは足らず、川から水を汲んで運んでくるのだ。


「ふぅ、ふぅ……川から水を引いた方が早いんじゃないのか?」


 息を切らしながら俺は村人に尋ねた。


「最初はそういう計画だったみたいなんだが、魔物がなぁ……」


 どうやら水を引いてくると、それを飲みにやってくる魔物も牽引してしまう恐れがあるので、まだ手を付けられないのだとか。


 まずは魔物を少しずつ間引きしていき、森を伐採し人間の住む領土を確実に広げていく。その上で生活基盤を築いて整えていくまでが開拓村の役割なのだそうだ。


 その魔物の間引きは主にケイヤが引き受けている。元冒険者であるマックス率いる自警団も魔物と戦うが、彼らの主な任務は村の警護であり、平時は食料になりそうな魔物や動物を狩る作業をしている。


 それと昨日から俺が気になっていたのは、マックスの元冒険者・・・・という肩書だ。そう、あの冒険者である。ギルドだとかランクだとか、異世界物定番の冒険者システムがこの世界には搭載されているらしい。これは非常に嬉しいニュースだ。


 まだざっくりとした説明しかされてはいないが、近い内に彼から詳しい話を聞きたいものだ。だが、当分は仕事漬けで無理そうだ。


 そんな感じで朝から日が暮れるまで農作業・運搬作業を交互に繰り返しては、お世辞にも美味しいとは言えない夕飯を頂いてからそのまま眠りにつく。この村は朝夕と女性たちが作ったご飯が配給される。昼飯? そんな物はこの村には無い!


 たまに村の外から仕入れてきたゴーシュさんからお酒や甘味が配給されることもあるが、それ以外は野菜とパンと呼んでいいのか分からない固い食べ物、それと炭水化物っぽい練り物が主食だ。


 あと偶にイノシシ? のような野生動物の肉を頂いているが、それもただ焼くだけ。味付けも何もない。


「ああ、ソースとまでは言わないが、せめて塩が欲しい……」


 現代人には少し……いや、かなり厳しい食事情であった。






 開拓村に来て一カ月も経つと、不思議なものですっかりこの生活に慣れてしまった。昼抜きの過酷な労働・味気の無い食事、トイレはボロの厠か外で紙は葉っぱのようなモノ、ネット環境皆無で夜は暗くてただ寝るだけ。


 そんな地獄のような生活も、一カ月もするとちょっと辛い生活くらいな感覚にランクアップした。人間と言うのは無いなら無いなりに順応する生き物なのだ。


 体力と心に少しだけ余裕のできた俺は、仕事が終わった空き時間を利用してケイヤに魔力の扱い方について学んだ。


「ぶはぁっ!?」


「……何故、君は毎回【身体強化】すると全力で転ぶんだ?」


 ケイヤの呆れ声に俺も首を傾げる。


「う~ん、力加減がよう分からん……」


「どうやら君は魔力量が膨大な分、それに振り回されている気がする。魔力の扱い以前に、まずは魔力の出し方から学んだ方がいいかもしれないな」


 どうやら今の俺では自身の魔力を到底扱いきれないようだ。まずは少しずつ魔力を出していく感覚を身に着ける事にした。


「まだ多い! もっとだ! もっと少量ずつ出すんだ!」


 ケイヤからの指示に俺は魔力タンクの栓を更に締め付けるようイメージした。だがそれでもまだまだお漏らししていると指摘される。


「ええ!? だいぶ絞ってると思うんだが……これ以上減らすと、出てるのかどうかも分からん」


「ううむ、君が鈍感なのか、それとも思っていた以上の魔力量なのか……」


 といった感じで【身体強化】の方はあまり捗っていないのだが、そんな俺でも得意な事があった。


「……【キュア】!」


 魔力を込めて呪文を唱えると、先程転んで出来た傷口周辺が眩しい光に包まれる。今のは光属性の最下級魔法【キュア】といい、教会にいるリンデ婆さんから教わった魔法だ。軽い毒や病気などを改善し、殺菌効果もある便利な魔法だ。


「……【ヒール】!」


 こちらも得意技、最下級魔法【ヒール】で消毒した傷口を一瞬で治す。やはりスキル【回復魔法】の恩恵なのか、俺は回復系魔法だけは問題なく行使できるのだ。


「ふむ、相変わらず超無駄な魔力を込めてはいるが、回復魔法だけはしっかり発動するなぁ」


 やはり少し問題があるようだ。ケイヤに魔力を込めすぎだと指摘される。


「イッシンなら魔力のごり押しで攻撃系魔法も発動するだろうが……とても恐ろしくて試す気になれない」


 どうも俺の魔力操作は大雑把すぎるようで、もし仮に回復魔法の要領で火属性魔法でも放ったら、自分を含め辺り一面火の海になるだろうとケイヤに警告された。よって魔力操作の技術が向上するまでは回復魔法以外を使用禁止とされた。


 ちなみに回復魔法はどういった原理かは不明だが、魔力量を込めすぎても支障はないようだ。ケイヤ曰く非効率的なのだそうだが、今現時点で俺の魔力が尽きた事は一度も無い。


(いや、そういえばこの世界に飛んだ時に一度あったか?)


 あの時は必死で細かくは覚えていなかったが、魔力らしきものが一度尽きかけた感覚は確かにあった。死にかけだったので、今ではあまりよく覚えていない。



 それからの俺は、村の仕事が終わっては魔力放出の制御と【身体強化】の訓練に明け暮れた。






 冬場になると畑での仕事が少しだけ減った。


 どうやら俺は、この地域でいう所の夏終わり辺りにやってきたようだ。暑過ぎず、かといって冬が近づいている今もそこまで寒くはない。ケイヤや他の村人の話から察するに、この辺はそこまで寒暖差が無い、比較的穏やかな地域のようだ。お陰で寒さで凍え死ぬような事はないが、農耕が順調かというとそうでもない。今年は雨期が短かったのだ。



 この世界に来て三カ月、俺はちょっとした現代知識を披露してみた。


「イッシン君が開発してくれた洗濯板、あれ楽でいいわぁ。前より洗濯が楽になったのよ!」


偶々通りかかった女性に俺は礼を言われた。


「そりゃあ良かったです!」


 洗濯板なんてと思うかもしれないが、この世界は川や桶で水洗いするだけというのが一般的で、当然それでは汚れもなかなか落ちづらい。そこへ木の板をちょこちょこと凸凹に掘って作った板を渡したら、村の女たちからは好評であった。


 しかもこれは売れると村の外交員? 的存在のゴーシュさんにアイデア料を貰って販売してみたところ、町の方でも売れに売れ、お陰で村の備蓄も確保できたと村長にも喜ばれた。


 ちなみにゴーシュさんの実家はここから一番近い町、ムイーニにある商家だ。彼はそこの三男坊で、家を継いだ長男に洗濯板を提案したところ、たちまち人気になったそうだ。ただ簡単な作りなのと著作権的なものは無いに等しい世界なので、その内に真似されるであろうとゴーシュは苦笑していた。


 その他にも農耕や料理、化学の知識も披露したが、この村で実践できるものは少なく、一番喜ばれたのが洗濯板というのは俺の方も苦笑いだ。


(くそぉ、せめて現代知識を纏めたファイルさえ持ってきていたら……)


 それでも幾らかは成功し、村人には喜ばれた。


 それと弓術を習う為に自前の弓と矢を制作してみたのだが、俺には射撃の才能が無いとマックスにハッキリ言われた。寧ろ弓矢を作る才能の方はあると微妙な回答が返ってきて、俺は警備団の分まで弓を制作した。

 



 本格的に冬へ入ると、俺は活動範囲を村から外へと広げた。冬とはいってもここら辺は山にでも行かない限り積雪はしないし、往来は十分に出来る。ただ畑仕事は少しだけ楽になるので、俺は村長に特別許可を貰い、外出する機会が増えた。それというのも現代知識による貢献や、回復魔法による治療行為のお陰だろう。


 俺は非番である自警団団長のマックスと二人で、近くの町ムイーニへとやって来ていた。


「それにしてもお前さんが冒険者志望だったとはなぁ。最初はひ弱そうなガキだったし、思いもしなかったぞ?」


「そりゃあ、あれだけ村仕事でこき使われていたら、嫌でも筋肉付きますって」


「ちげえねぇ!」


 俺たちは談笑しながら、この町にある冒険者ギルドを目指していた。


 最近の俺は空いた時間を使ってマックスから冒険者のイロハについて教わっていた。初めは興味本位で聞いているだけだと思っていた彼も、俺が真剣に取り組んでいる事に気が付くと、あれこれ指導をしてくれるようになっていた。


 そして今日はいよいよ、その冒険者登録をしてみようという話になったのだ。


 町の入り口から比較的近場にあるギルドの建物へと入ると、その中にいた何人かの冒険者たちが俺へ鋭い視線を向けた。


(これはお約束な展開があるのだろうか? いわゆるルーキーいびり的なやつが……)


 今の俺は黒髪ではなく白髪だ。死にかけて転移した後遺症なのか、復活した際には気が付いたらそうなっていた。そしてこれもその時の所為だと思うのだが、やはり俺の外見は少し若返っているようなのだ。


 前から俺は童顔な方だと思っていたが、死にかけて復活した後は、更に10才くらい若返ったような容姿だ。元が29才だったので、現時点での容姿は学生の頃辺りで、髪も銀か白のように色落ちしている。多分家族と再会しても俺だと認識されないのではと少し不安になる。


 そんな若い見た目の小僧が腕っ節を生業とするギルドへ足を運ぶものだから、要らぬトラブルでもあるかと警戒していたが、俺の隣にいるマックスの存在もあってか、何も起こらないままギルドの受付はすんなり通ってしまった。



「……これで俺も冒険者か!」


 ギルドを後にして俺がはしゃいでいると、横からマックスが水を差した。


「と言っても、まだまだひよっ子だがな。最初のGランクは見習い扱いで、Fが準冒険者。Eランクでようやくルーキー扱いさ」


 ランクの話は一番気になっていた項目なのでマックスから事前にしっかり聞いていた。Dランクからベテラン、Cランクだと町に数人いるかどうかでBだとエース級。Aランクになると国家戦力にカウントされる存在らしい。


 更にその上のS級も存在するが、どれも人外の化け物クラスだそうで、このエイルーン王国には一人もいないらしい。


「まぁ、Gランクは普通に活動していればあっという間に昇格するさ。だが上のランクになったら少しの間サボるとすぐ降格するから気をつけろよ?」


 ちなみにマックスは冒険者時代こそDランクだったが、今は村の開拓作業に従事している為、Eランクに落ちているそうだ。冒険者活動自体は止めているが、籍はまだ残っているらしい。




 それから俺は時間を見つけては戦闘訓練にも励んだ。走り込みや筋トレ、それと木刀(のようなもの)を使った自警団の皆さんとの模擬戦おあそびだ。まだ一度も実戦を経験していないし、【身体強化】の方もあまり芳しくない。


 魔物の姿もまだ一度も見ていなかったが、焦る必要はない。もう少し力をつけてから挑めばいいのだから。


 その時の俺はそう思っていた。






 エイルーン王国は大陸の南側に飛び出ているバーニメル半島の東にある国だ。ただ東と言っても最東端には危険な森が二つあり、その先にある海岸線へ出ることは非常に厳しい。


 反対方向の西には怨敵でもあるガラハド帝国が存在し、停戦している今でこそ交易があるものの、そちらへ販路を広げるのは当然難しかった。


 南北にはそれぞれ別の亜種族が国や領土を広げている。王国にとっては友好国だが、種族間の違いからか、まだそこまで深く踏み込めていないのが現状だ。


 何か経済的な推進剤が欲しいと常日頃考えていた王宮が目を付けたのは、東の森を抜けた未開拓地であった。そちらは形式的には我が国の領土であると主張してはいるが、実効支配は出来ずにいる。そこを通るには魔物のいる森に道を切り開くか、南側にある獣王国方面へ迂回するしか方法がない。ただし前者はとても労力がかかり、後者は獣王国に関税を取られ旨味が減る。


 将来性を考えて王政府は、森の近くを統治するデルーム男爵家に開拓し道を造る事を命じていた。


 それから十年以上時が経つが、未だに道は半ばにも届いていない。森の中にいる魔物が思った以上に手強かったからだ。


 だが最近になってその開拓業務に進捗があった。人数が目減りしていき赤字経営であった開拓村が、やっと軌道に乗り始めたのだ。道もあと少しで中央部の小川辺りまで進みそうな進捗状況に、王政府の役人もほっと息をついた。以前から上の方から開拓はまだ終わらないのかと催促され続けていたからだ。


 川まで勢力圏を伸ばせば水を引くことも容易で、そうすれば開拓村にも人口を増やす事ができる。そうなれば残りの道づくりも時間の問題だ。やっと明るい報告ができると担当の文官は笑みを浮かべていた。


 だが、一方でそれをあまり良く思わぬ者もいた。意外にも、それは国から開拓を命じられていたデルーム男爵であった。



「――――そうか、開拓村が……」


「はい、このペースですと再来年には道が森を抜けられるかと」


 報告をする領兵の顔は嬉しそうであったが、それを聞いていた主君の顔色は冴えなかった。それを不思議に思った領兵であったが報告を終え退出する。後で事情を知っていた文官が彼にその訳をこっそり教えてくれた。


「あそこの開拓村は今、ランニス子爵家のご令嬢が准聖騎士としての任に着いておるのだ」


 通常、准聖騎士は聖騎士への研修課程で、辺境の村への赴任期間を設ける。これは昔ながらの伝統で、中央出のお坊ちゃん、お嬢ちゃんたちに地方の現状と言うものを学んで貰う為であった。


 国家の精鋭でもある聖騎士は軍の虎の子でもあり、勿論そんな彼らは辺境の村に着任するような事は本来なら無い。だから見習いの間にそういった経験を積ませようという慣習が古くから残っているのだが、開拓村への赴任などは珍しい事例であった。


 だが一番の問題点は、その赴任している彼女の実家との関係にあった。


「ランニス子爵って……革新派じゃないですか!? 何故違う派閥のご令嬢が男爵うちの領地に?」


「……私も詳しくは分からないが、どうもケイネス様がそのご令嬢と揉めたようでな。それがどういった経緯でそうなったかは知らぬが、当家が彼女の研修先を開拓村あそこに推薦したそうなのだ」


 ケイネスというのはこの領地を治める男爵家の嫡子で、現在彼も聖騎士を目指し、王都の士官学校で学んでいる。どうやらその嫡子が件のご令嬢と揉めたそうだ。


(そういえばケイネス様は、女癖が悪かったな……)


 そのことを思い出した領兵は、間違いなくそれが火種だろうと表情を顰めた。


「そっから先は全部憶測だからな……。滅多な事は言うもんじゃない」


 そう忠告すると文官は仕事があると言って去っていった。だがそこまで事情が分かれば主君の性格をよく知る者なら、誰でも察する事ができるだろう。


 おそらく他派閥のご息女と揉めた事を知った我らの当主様は、面子を守る為に彼女へちょっかいを出したのであろう。それが男爵家の領地で一番厄介な僻地、東の森にある開拓村への赴任だ。そこを件のご令嬢に任せる事で、研修課程にでもケチをつける腹積もりなのであろう。


 だが幸か不幸か、あの厄介な開拓村は今年度に限り順調に開拓が進んでしまった。どうやら子爵令嬢は想像以上の実力者なのだろう。


(ああ、成程。それであの顔か……)


 先程報告した時の男爵の反応を思い出し、領兵は得心がいった表情を見せた。






(ううむ、まさかあそこの開拓がこうも順調に進むとは……)


 キース・デルーム男爵は報告書を読みながら、表情を曇らせた。


 先程出て行った領兵の想像は的を射ていて、男爵はランニス家の三女を貶める為、わざわざ国にあの厄介な開拓村への赴任を推薦したのだ。


 始まりは士官学校での取るに足らない出来事からだ。嫡男でもある愚息ケイネスが、よりによって他派閥の子爵家三女であるケイヤ・ランニスにプロポーズをしたのだ。それもかなりしつこかった上に、野外訓練中には夜這い紛いの行動にも出たらしい。


 その結果無様に振られたそうだ。しかも公衆の面前で、それはひどい振られっぷりだったらしい。


 事が終わってからその報告を聞かされたキースは、家督を長男から次男へ変えようかと本気で考えた。それ程までに男爵は怒っていたのだ。


 だがいくらこちらに落ち度があるとはいえ、それを簡単に認める訳にはいかないのが貴族と言うものだ。


 当然あちらの家からも苦情が来たが、こちらも負けじと反論した。とはいっても爵位は向こうの方が上だ。結局この件を治めるのに寄親貴族から助力もしてもらった。馬鹿息子の為にそれだけの労力を割いたのである。


 現在ケイネスは士官学校を休学させ、自領内での謹慎を申し付けている。


 しばらく経ったある日、准聖騎士の訓練に置ける候補地の選定を国から依頼された。領地持ちの貴族は毎年、推薦する村や人員を選定するのだが、その見習いの中に件の彼女がいる事を知った。


 一度矛を収めたとは言っても、心から納得した訳ではない。男爵からすれば息子のバカ騒ぎに付き合わされて酷い目に遭ったのだ。彼女もまた犠牲者なのだと思える程、彼の器量は大きくはなかった。


 逆にケイヤ・ランニスこそ、騒動の一因であると考えた男爵は負の感情を抱いた。そこで、領内でも曰くつきの開拓村を彼女へ推薦したのだ。


 王都の役人からしても、東の開拓は無視できない案件だが、最高戦力である聖騎士を気軽に派遣する訳にもいかなかった。だが、その見習いならどうだろうか。しかもケイヤ・ランニスは同年代の中でも特に優秀だと噂を耳にしていた。


 両者の思惑が合致した形で、敵対派閥の令嬢を開拓村に研修させるという異例中の異例が敢行されたのはそれが理由であった。


 結果、男爵としては予想外の、国としては最良の形となった。このまま順調にいけば、東部の開拓は彼女の功績と言う形で成されるであろう。


(それは何とか避けたい。伯爵にも助力して騒動を収めたというのに、これ以上革新派の手柄を、しかもこの儂が与えたとあっては顔向けできぬではないか!)


 何とかせねばと思考を巡らせるキースの心は、徐々に暗くなっていくのであった。






――女神アリスと地球の代表者たちによるQ&A情報――

Q:悪事を働いた者の転移時ペナルティとは何でしょう?

A:転移場所やステータス値などを弄るが、詳細は教えられない

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