第7話 ダンジョン配信の開始 強さの秘密を語っちゃう

俺は学校が終わるとさっそくダンジョンに来ていた。


支給してもらったドローンを浮かべるとそのまま配信をスタートする。


"待ってた!"

"おまどうま!"

"うぽつ"


そんなようなコメントがついていく。


そんな中こんなコメントがついた。


"【白光学園】にいるんだってね、すげぇじゃん"

"うそっ?!白光なの?!白光って配信者いっぱいいる学園だよね?!"

"白光の学園長がリストにアップしたよ白光にいるって"

"超エリート学園じゃん。いいなー"

"白光とか将来安泰だろ"


『そんなことないよ』


とかって謙遜しようかなとか思ったけど辞めておいた。


俺が何か言ってもなんだか嫌味になりそうな気がしてさ。


(実際白光の評判なんて言われてる通りのエリート校だからな)


余計なことは言わないようにしよう。


"元々どこの学校なんだっけ?"


その質問には答えることにした。


「公立の低亭ていてい高校だよ」


"言っちゃ悪いけどあれなとこだな"

"あー。低亭ね……"


反応は芳しくなかった。

正直あれな学校だったからな。


でも幼なじみのビチ子が行くからって行ったから入学したんだけど、間違いだったな。


正直名前が書ければいけるようなところだった。


"校長も馬鹿だもんなあそこ。シュヤちゃん手放すとか馬鹿だわ"


「シュヤちゃん?」


"あ、ごめん。誤字っちゃった"


そう言われて俺は頷いた。


「シュヤでもいいよ。呼び方」


"気に入ってるwww"

"ならこれからシュヤって呼ぶかぁ!"


こうして俺の呼び方はシュヤになった。


シュウヤって微妙に長いからな。


(それにしても学校が変わるだけで反応がここまで変わるなんてなぁ。名門校ってすごいな)


低亭高校って言えば反応はもう見た通りだからな。


あっ……てやつ。


どこいっても「あっ……」みたいな反応されたよ。


まぁそれももう過去の話だけど。


でも


(これからは白光の名に恥じないようにしないとな)


坂上理事長に恩を仇で返すわけにはいかないな。


そうして歩いていた時だった。

暗がりから声。


「ギィィィィ!!!!!」


ゴブリンが飛び出してきた。


スパン!


右ストレートでワンパンする。


"またワンパンwww"

"またパンチw"

"モンスター相手に武器使ってるやつに見せてやりたい配信"

"脳筋すぎるwww"


また歩いていると今度は質問が飛んできた。


"シュヤちゃんなんでこんな強いの?"

"それ気になってたわ"

"明らかに強すぎるよなこの人"

"えっぐいもん"

"普通ゴブリンが相手でもワンパンできないよな"

"普段なに食べてんの?"


色々質問がきたけど俺は強くなれた秘訣について少し語ってみることにした。


「俺はソロでしかダンジョンに潜ったことないからかなぁ」


"ソロしかないのか?"

"やっべぇなシュヤちゃんw"

"ソロオンリーってw"


「ほら例えば4人居たら経験値は4人で山分けだけどさ。一人なら独占できるから、経験値4倍だよ」


"あーたしかに。発想の転換ってやつかな"

"経験値4倍でもソロやる勇気は出ないなぁ"

"普通経験値より落さ取るもんなぁ"

"ひとりでアタックと回復とサポートとかいろいろやんのつらくね?"

"だよな。4人居た方が楽だと思います!"


俺はそんなコメントに答える。


「ひとりで全部やればよくない?」


"脳筋すぎるw"

"シュヤちゃんやばいなほんとw"

"この人特別な訓練受けてるだろ"

"↑特別な訓練受けてるから白光に入れたんだぞ"

"それはそうだなw"


そのまま奥に歩いていくと


「おっ?」


なにやら見覚えのあるものが視界に入ってきた。


走って近付いてみると、それを手に取った。


「これは」


"なにこれ"


俺が手に取ったものについて気になるのだろう。


なんなのかを聞くようなコメントが多かったので答えることにする。


「ドラゴンハートだね」


ドクン!ドクン!


フルーツが脈打ってる。


これは、ダンジョン内のみで取れるダンジョンフルーツというものだ。


「美味いんだよなぁこれ」


ガブリッ。


豪快に食べた。


リンゴのような食感から濃厚な味が口に広がる。


「うめぇ!」


"いいなぁw"

"売ってくれw"

"これ店売りしてないよね"

"賞味期限的なあれが分からないからどこも売ってないね"

"冒険者特権だよなぁ"


「いくつか持っていこうか?帰るまでもつか分かんないけど、ギルド前で配布するよ」


"お?!まじで?!"

"聖人配信者きたなw"

"ドラゴンハート食べれるなんてシュヤちゃんのファンしててよかった!"


ブチッ。

ブチッ。


ドラゴンハートをいくつか取ってアイテムポーチに入れておく。


よし、これでいいな。


と、そのときドラゴンハートを食べた効果が出てくる。


【ステータスが上昇しました】


名前:白銀 修也

レベル:9003

状態:なし

スキル:

格闘術Lv999

状況把握LV999

天の目Lv999

剣術Lv999

鑑定Lv999

槍術Lv999

意思疎通Lv999

思考盗聴Lv999



「おっ。久しぶりのレベルアップ♪」


"久しぶりってどれくらい?"

"こんなレベルになると1レベルあげるのにめっちゃ苦労しそうwww"


「最近はダンジョンに来てなかったのもあるけど、3年ぶりくらいかな?」


"3年前に9000レベルなら低亭に行かずとも直接白光に入れたのでは?"


「幼なじみについてってんだよね。簡単に入れそうだしらここでいいやって」


"あっ、あかんやつ"

"幼なじみのためにそこまでするなんて、ほんと幼なじみ思いやったんやなぁ"

"なお、当の幼なじみはガチ胸糞のもよう"

"シュヤちゃん!私が彼女になったげる!私が幸せにするからね!♡"


こうやって俺の味方をしてくれるのは普通に嬉しかった。


さてと。


ダンジョンのマップをスマホで見る。


「残り30分くらいで攻略終わるかな」


"てかこのダンジョンなんていうダンジョンなんて名前なんや??"


「最果ての塔ってとこだよ」


"ガチ高難易度マップだった!"

"学生がいくところやないで!"

"草。職業冒険者がいくとこやんw"

"めっちゃサラッと言ったけど、サラッと言うところじゃないで!"


同接に目をやる。

すると


同時接続:5万人


けっこうな人に見られているようだった。

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