1話 手紙③

気がついたら眠ってしまったようだ。目が覚めて時計を見ると8時になろうとしていた。


今日は1限から講義がある。できることなら8時30分の電車に乗っていきたい。急いで準備をして家をでる。


なんとか駅に着き20時30分の電車に乗れた。

これで遅刻することはない。

ただ、今日の1限の講義は行きたくないと言うのが本音だ。今日の1限の講義は優奈と一緒に講義を受けていたものの1つだ。

よく自宅から2人で電車に乗って講義に行っていた。改めて1人でなると別れたと言うことを再認識させられる。


そうこうしていると大学近くの最寄りに着いた。最寄りには学生らしき人が多く混雑していた。多くの学生と大学の方へ向かった。

1限が行われる教室にはいるともう人が入っていた。いつも優奈と座っていた席ではなく、後ろの目立たない席を探しそこに座る。


意識してはいけないと思いながらも優奈を探している自分がいた。優奈は教壇が近い前目の席に友達4人と話しながら教師を待っている。


そもそも大学で上位に入るくらい可愛いと言われる優奈とよく接点を持てたものだと自分でも思う。


優奈とは大学に入って1番最初に始めたバイト先で知り合った。チェーンの居酒屋で高時給で遅くまで働けて何かと都合がいいと思って応募したのがきっかけだ。そこはオープンニングスタッフ募集だったので俺の他にも学生で同年代が何人かいた。優奈が店に入ってきた日は他の男子が目を輝かせていたのを覚えている。

自分で言うのもおかしいが最初は何にも思わなかった。ただ可愛いバイトの女の子が入ってきた。としか。まさか付き合うことになるなんて思ってもみなかった。


講義が終わって教室の皆が出口に向かっていく、人混みがあまり好きではないのでいつも最後の方に教室をでる。

今日もいつものように人が少なくなるのをいつものように席で待っていた。


「悠馬」

机を挟んで目の前にいたのは優奈だった。


「久しぶり。元気?」


「ああ、元気といえば元気。」

同様せずにはいられなかった。


「なにそれ」

優奈は笑いながら答える。


「ちょっと心配だったから」


「心配?」


「そう、あのさ今度時間がある時会えないかな?」


「いいけど、いつがいいとかあるの?」


「うーんできれば学校の空き時間とかがいいけど学校だと困るよね?」


「困ることはないけど、、」


「わかった。とりあえずまた後で連絡するね!」


「わかった。」

優奈は俺の考えてることがわかったのだろう。気を遣われた。


優奈は待っていた友達と教室を出て行った。

もう教室には自分しかいなかった。


今日を後にして次の講義の教室へ向かう。









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