第4話
絡んできた冒険者をこれ以上フルボッコにした僕たちは当然、その実力が見た目を理由として疑われることはなかった。
「これが冒険者であることを示すタグとなります。なくさぬよう首にかけてお過ごしください」
僕は冒険者ギルトの受付に立つ綺麗な女性から木で出来たタグのついたネックレスを三つ受け取る。
「了解しました」
「それでは三人とも本日より冒険者となります。冒険者についての説明は必要でしょうか?」
「お願いします」
受付嬢の言葉に僕は頷き、冒険者の説明を求める。
「わかりました。まず、冒険者は市民の生活を助ける職務です。脅威となる魔物並びに犯罪者の排除や素材採取、雑用なども行います。基本的に冒険者の仕事はあちらに見えます掲示板に依頼が毎朝貼られ、それを日々こなしてもらうことになります。依頼の達成時には依頼金と冒険者ポイントが与えられます」
受付嬢はたくさんのタグが置かれたボードを取り出す。
「冒険者ポイントは自身の冒険者ランクを上げるのに使います。下からウッドランク、アイアンクラス、カッパークラス、シルバークラス、ゴールドクラス、ミスリルクラス、オリハルコンクラスとなります」
「……オリハルコンクラスか」
「オリハルコンクラス目指して頑張ってくださいね……彼らは冒険者の中でも上澄みも上澄み。難しいかもしれませんが、まだ三人とも若いですし、才能もある様子です。頑張ってくださいね!応援しています!」
「むっ、そうなのか」
上澄みの上澄みであると聞いてちょっとばかり意外そうな声をラリア様があげる。
高位の貴族であるラリア様にお目通し出来る冒険者などオリハルコンクラスくらい。彼女にとってオリハルコンクラスはそこまで凄いものでもないのだ……これ以上ラリア様にお話しさせるのはちょっとボロ出るかも。
「説明ありがとうございます。自分たちもその期待に添えるよう頑張りますね」
「えぇ、本当に期待していますよ……何せ、既にカッパークラスであるオルストイさんをあんなにも簡単に倒してしまうんですから。ここだけの話、私はあの人ちょっとだけ荒っぽくてあまり好きじゃなかったんです。ボコボコにしてくれてスカッとしました」
「ふふっ。それなら良かったです」
冒険者が一般人に手を出すのはご法度であり、それをしたが最後。
犯罪者扱いされ、冒険者たちの手によってフルボッコにされるだろう……だがしかし、冒険者が冒険者をボコすのは許されている。
「それでは改めまして。御三方のこれからのご活躍を心よりお祈りいたします」
「ありがとうございます」
僕たちは無事、冒険者になることに成功したのだった。
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