第16話
憎悪。嫌悪。憤怒。慟哭。厭悪。殺意。
「……ぐっ」
尽きぬ負の感情。
自分を呑み込み、すべてを消し飛ばんとするどろどろとした悪魔たちの怨念が僕の内側から溢れだす。
「あぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああッ!!!」
己の背後にいるマキナ様を守るため、僕は破れかぶれに魔法を乱発しだす。
『我が王……我が王』
マキナ様を守るべく大量の魔法を連発する僕の頭の中に女性の声が響いてくる。
『押さえろッ!お前からあふれ出てくる大量の怨念をッ!!!』
『は、はい!?』
僕は自分の中で荒れ狂うかつての悪魔たちの怨念の処理を侵入者たちの使った魔道具である『抗魔の悪魔』の結果、自分の中にあった封印が緩んだことによって目を覚ましたカミアへと一方的に命令を告げ、僕は侵入者たちへと視線を送る。
抗魔の悪魔の効力は単純であり、既に発動している魔法を無効化するということ。
完全に無効化させることはなかったが、それでもほぼ無効化状態にまで追い込まれてしまったため、カミアが起き上がり、それに伴って悪魔の怨念が沸き上がると言う結果になってしまったのだ。
「ふーッ、ふーッ、ふーッ」
「何が起きたかはわからんがチャンスだ!」
自分の内にある悪魔たちの怨念の対処に苦戦している僕を前にして侵入者たちはチャンスと反応し、僕に向かって大量の魔法を撃ち始める。
「ちっ」
クソったれが……目が掠れているせいか、うまく魔眼が機能しないッ!
僕は相殺を諦め、ただただ高威力の魔法をぶつけることでその魔法を散らせる。
「……」
「……ちっ」
派手にぶつかり合い、砂煙が大きく上がる中、侵入者たちが剣を持って僕の方へと突っ込んでくる。
「ラァッ!」
そんな彼らの攻撃をすべて弾くべく僕は刀を振るう。
「んぐっ!?」
「ロキッ!?」
だがしかし、一人の剣を僕は避けきることを出来ずにもろに喰らってしまう。
「死ねや」
僕は腹に剣が刺さった状態のまま刀を振るい、自分の周りに群がる侵入者たちの首を跳ね飛ばし、その数を減らす。
「……あとは、お前らだけ」
僕は自分に向かって魔法を撃ってきた侵入者たちのうち、残りの一人。
リーダー格の男へと視線を送るのだった。
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