第31話 No.2 - P30&Y


 意識が急速に覚醒する。

 まるで強制的に引っ張られるようなこの感覚が、最近増えたように思う。


 場所は、会社のトイレの個室だった。

 便座には座らず、ドアにもたれかかるようにして しゃがんでいた。


「また発作か……」


 首を左右に捻りながら立ち上がると、若干の立ちくらみがあった。

 慌てて壁に手をつくと、そのも痺れで力が入らず、バランスを崩した。


「今回は酷いな。 このまま仕事に戻った方がいいのか? それとも また落ち着くまで様子見た方がいいのか?」


 もちろん、誰かが問いかけに答える訳もない。


「……してやれることって────」


 声は虚しく反響して消えた。






・──── ──── ────・



2021年5月10日(土)



 ずっと、たくさん雨が降っています。



 休みだけど、仕事に行きました。


 お腹が時々痛みます。

 脇腹がずっと痙攣してて、それも痛いです。



 また「役立たず」って思われたかもしれません。


 昨日聞こえた話だと、明日から由子ちゃんが仕事復帰するようです。


 正直言って、会いたくありません。

 会わせる顔がないです。


 久しぶりに、軽いけど発作も起きました。


 仕事に行くのが怖くて仕方がありません。



・──── ──── ────・

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私たちが死ぬまでの日記 ましろ毛糸 @Nxxxn

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