十三発目「お風呂〇くの禁止!!」
ー
私は中学に入って、人と話すのが苦手だった。
空気の読めない事を言ってしまう、嫌われたり傷つくのが怖かったのだ。
人と話すのが怖くなって、変な緊張をするようになり、雑談が出来なくなった。
でも……
学級委員で同じになった
無愛想で勉強だけの私に、気さくに話しかけてくれた。
そして、私は少しずつ本音が話せるようになっていった。
私は
そして、私は
それまでの人生で、告白された事なんて始めてだった。
だから私は、
でも、しばらくして、行宗くんに告白された。
「彼氏がいる事は知ってるけど、俺は、
私は驚いた。
凄く嬉しかった。
もし
でも私はその時、彼氏と上手くやっていたのだ。
だから私は断った。
そして、友達でいましょうと言った。
これは心からの本心だった。
でも、
当然だ。私は彼をフッた。つまり拒絶したのだ。
都合良く、今までの関係が続くはずもない。
私も
私は、
そうしている内に、彼への想いは薄れていった。
そして、私達は同じ高校に入り、意外な形で再会する。
異世界に転移されたダンジョンの中で、
流石に引いた。
気持ち悪い、あり得ないと思った。
でも、行宗くんはそんな人じゃないと思い、私は事情を聞く事にした。
すると、彼は、【
なるほど、そんな深い事情があったのか。
とにかく、私は彼の
つまり、私は彼にどんな事をしても、
「絶対誰にも言っちゃダメ、
と、脅す事ができるのだ。
だから私は、友達にも言えないような下ネタワードを、彼にぶちまけた。
アニメが好きな話も全部話せた。
彼の告白を断って、「私の本音をぶちまける奴隷になって」と言った。
これは流石に、私クズだなと思う。
でもその時は、恋心なんてなくて、
ただ「やっぱり
そして、ラスボス戦。
毒を飲まされ、命懸けの戦いを強要され、
私にも毒が回って、諦めかけていた。
そんな時、
信じられなかった。カッコいいと思った。
勿論、絵面だけ見ればただの変態だし、他のクラスメイトはドン引きだろうけど、私は知ってる。
【
彼は、本気で戦っているのだ。
ドキンと、私の胸が高鳴った。
ああ、私は彼に、恋しているのだ。
もう既に、どうしようもなく、
時を戻して、
ー
私達は、温泉を見つけた。
手を入れてみると、程よい暖かさであり
飲み込んでみても、少ししょっぱい変な味がしたが、飲めないことはない。
私達はここで汗を流す事にした。
でも、流石に
だって私は
自分の貧相な身体は、あまり見られたくないのだ。
まあ、私がもし、ナイスボディだったからと言って、見せられるという訳ではないが。
それはそれで、恥ずかしいからね。
という事で、以下の手順を取ることにした。
①
↓
②私と
↓
③私と
↓
④私達が
[ルール]互いの裸を絶対に見ない!見せない!視線は常に反対側!
これは、温泉の中央にある大きな岩を利用して、男湯と女湯で分けるという作戦である。
もしも、誰かがルールを破ったら??
……んー。今度こそ奴隷になって貰おうか。
そして今、私は素っ裸で、
「背中洗ってくれる?
まあもちろん、ボディソープやシャンプーなんて贅沢品はない。
素手とお湯でゴシゴシと洗い流すだけだ。
「はぁー天国~っ!ずっと浸かってたいよぉーー」
私にもグッタリとした疲れが押し寄せてくる。
さっき走ったのもあるが、昨日からずっと気を張り詰めてばかりである。
それに、今日の朝から、
「ふーー。
「うん」
「じゃあ、やってくよー。って、
「え…」
「すっごく可愛いよ。守りたくなるというか襲いたくなるというか。
「み、見せられないよっ」
今日は何度もからかわれた。
間接キスから始まり、匂いの話など色々……
たしかに、昨日は人工呼吸したし、汗びっしょりの状態で
あーだめだ…思い出したくないよ…恥ずかしすぎる……
あの時は命がけだから仕方なかったのだけど、私はトンでもない事をしてしまった。
そのせいで今日、
「で?
「え?」
「
私は彼をフッてしまった。
すぐに謝って、告白すべきなのは分かってる。
でも、今は無理なのだ…
恥ずかしすぎて…告白なんて出来ないのだ。
それに、今は生きるか死ぬかの瀬戸際なのだし。
「でも…こんな時に告白なんて、場違いじゃない?」
「じゃあ、いつ告白するのよ?私達はいつ死ぬかも分からないのよ?」
「そうだね」
「それに
「あ……」
そう言えば
私は、汗の匂いを嗅がれたのかと思って、顔を叩いてしまったのだ。
でもそれは、私の勘違いで、小籠包の匂いの話だったのだけど。
話が移ってしまい、謝るタイミングを逃していた……
あぁ…やってしまった……謝らなきゃ……
「ごめんなさい……」
「私に謝ってどうする。
それに朝からずっと、
そういう小さなマイナスは、積もれば大きなマイナスになるんだよ。
男が女に冷めるのは一瞬だからね。
だったら、今度はこっちから告白するのが礼儀だよ。」
いや、事実なのだ。
私がダメな女なのだ。
自分の恋心に精一杯で、
私のことが好きで、私に振られた
「ごめん、私が悪かった…。勇気だす、告白するよ。」
「まあ心配しなくても、
私のおススメの告白はね、今すぐ告白しにいくことだよ、
素っ裸で大好きって言って抱きつけば、
「変態じゃない!!」
裸で告白するなんて、痴女じゃない!、エロ漫画でしか見たことないよ。
「お…お風呂上がった後に、告白します、絶対…」
「うん!頑張れ!、そうすれば
「えぇ…、それはなんか……恥ずかしいよ……」
でも不思議と悪い気はしない。
応援されている事が分かるからだ。
よし!私も勇気を出そう。
人生初の告白だけど、頑張って好きだと伝えるのだ。
「背中、綺麗になったよ。今夜、どんな展開になっても大丈夫だね。あ、
「は、話が早いよっ!!
………ありがと
私達は、ゆったりと湯に浸かった。
あまりの心地よさに、私は頭を空っぽにして、グッタリと身体と癒し……
いや、リラックスなんてできる訳がない…
私は、
好きです、カッコいいです、優しいです……
ずっと一緒にいたいです、付き合って下さい、愛しています……
考えれば考えるほど、頭の中が熱くなり、ボーっとしてくる。
この風呂から上がったら、私は
心臓のドキドキが止まらない。
緊張しすぎて身体が震える。
もう少し、もう少しだけ、この湯の中にいたい。
もう少し、心の準備をしたいのだ……
ヌルッ……
(!?)
何??今、足元がヌルっとして……
「きゃぁぁぁあっ!!」
隣から、
そして私の足に、白いヌメヌメとしたものが巻き付いてくる。
え?なに??気持ち悪いっ!?
「いやぁあああ!!」
私は絶叫した。
私の太ももに巻き付いたのは、直径30センチほどの白い触手であった。
私は、両手で掴んで必死に引き剥がそうとする。
しかし白い触手はビクともしない。
白い触手は、私の下半身から上半身へとヌルヌルと登ってくる。
さらに地面から、一本、二本、三本と、同じような白い触手が無数に生えてくる。
(マズイ、マズイ、マジでマズイ!)
もう手遅れだった。
沢山の、太くて大きな触手は、私の身体中に巻き付いて離れない。
柔らかい触手が私の身体中を這いまわり、視界が真っ暗に覆われる。
「んーーやめっ!……うぐぅぅぅ…!」
遠くから、籠ったような、
(助けて、助けて……!)
「助けてっ!!
私は声を張って叫んだ。
でも、声は触手の壁にかき消されて、遠くに届いている気がしない。
四方八方を触手に囲まれて、息をするのも叶わない。
(このまま、ゲームオーバーなのだろうか……)
やだ……いやだ……
私はまだ生きたい…友達と一緒に遊びたい。
せめてお母さんとお父さんに、もう一度会いたい。
学校の先生になりたかった。
沈んでいく、沈んでいく
白い触手の中へ、沈んでいく。
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