第2話

「よしっ…応急処置終わったぞ」


「ありがとう…玲也」


足に木の棒を巻きつけて固定してくれた


「まだどこか痛む所あったら遠慮なく言えよ?」


「うん……ありがとう……」


足の痛みより心の痛みの方が大きい……僕、ほんとに情けないや…


大好きな人をあんな奴に奪われて友達にも裏切られて……もう人生なんてどうでもいい……全てが嫌になっていたと思う……玲也が居なければ……


玲也……昔から頼りになる幼馴染だった…小さい頃から僕を助けてくれた…犬に追いかけられた時や小学生の頃は運動があまり出来なくて男子からいじめられたけど助けてくれた


中学生の頃は女子に性的ないじめを受けていた…裸の写真を撮られたり性器を舐めさせられたり…本当に辛かった…けど玲也は僕の異変にすぐに気付いていじめっ娘に圧を掛けてくれてそれ以来いじめはなくなった


それからも僕を女の子だと勘違いしたおじさんに痴漢されて凄く怖くて声を出せなかった……玲也にその事を話たら一週間後に犯人が捕まった、どうやら聖奈さんを囮に使ったらしい…聖奈さんに何も言わず露出多めの服を着させて電車に乗れと言ったらしく後に目的を知った聖奈さんにとても怒られたらしい


僕のためにこんなに色んな事してくれる玲也には感謝しかない…そして今回も……


玲也…やっぱかっこいいなあ……僕とはまるで正反対…身長も163cmしかない僕と違って180後半はあるし、顔も女顔の僕とは違って男らしいし……いいなぁ…僕もあんなに男らしかったら由良を取られなかったのかな……うぅ


「なんだよ…俺の顔なんか見て」


「いや…かっこいいなぁ……って…」


「今更すぎんだろ、いきなりどーしたw」


「実はさ……」


僕は玲也に全て話した……由良を康二くんに取られちゃった事…その後骨折して皆に見捨てられた事を…それを聞いた玲也は……


「………………」


無言だった…けど顔は今までに見た事がないくらい怖い顔だった


「……とりあえずお前が無事でマジで良かった……」


「ある程度食材が集まったから世奈達を集合場所に送って一人で何か使えるもんねーかとウロウロしてたらフラフラのお前を見つけてさ」


「そうなんだ……」


「………今の状況で色々やっちまうと大変な事になるから無人島から出た後からでもいいか?」


凄い冷たい声で僕に言った


「んーん……いいよ…復讐なんて……」


「いやっ……でもよ…さすがに…」


「ほんとに大丈夫だよ…僕はもうあの人達とは関わりたくないんだ……」


「……」


「僕はまた玲也と一緒に入れるってだけで充分だよ」


僕は精一杯の笑顔を浮かべた


「……わかった、お前がそう言うなら…」


「ありがとう…わかってくれて嬉しいよ」


「まぁ…帰ったら新しい子紹介するぜ?まじで可愛い奴用意してやるよ!」


「あはは…いや、しばらく恋愛はいいや…」


「あー……そっか、そうだよな」


「うん、でも心の傷が癒えたら絶対紹介してね?」


「おっ!当たりめーだよ!まじで可愛い子用意すっから!」


それから僕達はいつものように笑いあって沢山語り合った


「つか、あの由良って奴そんな可愛くなくね?」


「えー、凄い可愛いと思ったけど」


「いやw多分お前の方が可愛いぞww」


「肌も白くて全く肌荒れしてなくて…身体も華奢だし声も中性的だし顔に至ってはマジで女www」


「うるせっ」


「しwかwもwなんで男なのにそこら辺の女子より体毛薄いんだよwつか薄いどころか生えてねーじゃんw」


「生えて来ないの!全く!」


「あーwまじ笑える、帰ったら聖奈のコスメ借りてメイクするぞ」


「やだっ!絶対やだっ!!」


「いや、これは決定なw聖奈も前々からお前にメイクしたいって言ってたからよw」


「うう………」



玲也との時間はとても楽しかった…あんなに辛い事があったのに今では沢山笑えるようになるくらいに…




ーーー


「奏くん!もうやめて!!康二くん死んじゃうって!!」


「あっ……ああ……」


ギロッ


「ひっ……」


「許さない………」


ドカッ バキッ


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