第2話 転生。


目が覚めた。

最初に私が思ったのは死んでいないと思った事だ。


目を動かす事と手と足は少しだけ身体は言うことを聞かない。


絞殺未遂による脳の障害で身体が動かせなくなったか?


「た、ゆ……」


声も出せないか!

だとするとまさに生き地獄だな。

……ああ。まさにこれが私が死後に受ける罰というものか!


……いやまだ冷静じゃないな。

断定が早すぎた。


辺りを見回すと天井の木目、カーテン。

そして何か甘い匂い。

少し身体を揺らすと自分が寝ているベットまで一緒に揺れた。


「た、たゆ、た」


これはまさか喃語なんご

赤ん坊の声帯が発達してない段階で発せられる言語だが何で私が?


………ふむ。身体の不自由さも赤ん坊なら納得がいくが納得するだけで道理がない。


どうゆう理屈だ?

私が逡巡していると扉が開く音が聞こえる。


「〇△□〜〇〇△△!!」


西洋風の顔立ちの女性。

そして金色の長髪と肌の色は真っ白。

服装はシャツにエプロンそして短パン。

年齢はおよそ20代前半だな。


言語は日本語でも英語でも無い。

聞いた事ない言語だな。


その女性が私を抱き上げる。


「〇〇!〇〇〇〇〇〇?」


よくわからない言葉を発しながら私に慈愛の笑みを浮かべている。

そのまま女性は私を抱きかかえたまま部屋を出る。


そして色々な場所を説明しながら私に話しかけていたが全く分からない。


視界から得た情報をまとめると、ここは大きな屋敷である事。しかし木の木目などからロココやモダンではなくどこか和というより野生?部族?の雰囲気を感じる。


そして現代よりも文化が6世紀ほど遅れている点だ。


それがこの女性に連れられて分かった事だ。

日が落ちるとリビングにあるもう一つの簡易的なベビーベッドに私を寝かせるとその女性は料理を始めた。


少しすると玄関が開き眼鏡をかけた男性とメイド服を着た女性が私を覗き込んだ。


こんな事があるのか?

メイド服を着た女性だと?


しかも漫画やアニメで見るような服装だ。


そして私はある一つの可能性に思い立った。

……まさか異なる世界に魂のみ転生したのか?


そう考えると笑みが溢れた。

おかしくて何度も手を叩きながら叫んだ。


「キャッ!キャッ!キャッ!!!」


その姿に3人とも笑みが溢れる。


しかしこの時、3人は思いもやらなかったのだ。

この赤ん坊をすぐに殺さなかった事を後悔する日が近づいて来ていることを。




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