スリル

 今回もまた「恐怖」に関する独白です。「おいおいまたかよ」って思われるかもしれませんが、今回はもっと簡単な恐怖です。もう「怖さ」って簡単な言葉でも良いくらい。というのもですね、最近私お化け屋敷というものに行ってきたのですよ。まぁ全然本格的でもなんでもなく、子供騙しみたいなものですが。それでも参加者の中には、恐怖を感じアドレナリンを放出させ、快楽へと変換し娯楽を享受していたので、楽しみ方次第なんだなと思いましたね。子供騙しって言いましたが、子供を騙すのにも苦労しますからね。私は一応大人にカテゴライズされていますので、いつか日本一怖いとされる某テーマパークの迷宮に行ってみたいものです。話が逸れましたが、私はあまりお化け屋敷というものを楽しめない人種なのかもしれないなぁと思いました。本格的なやつ行って楽しみたいですね。

 さて、お化け屋敷、いやここはもっと一般化してホラー系とでも言いましょうか。そのカテゴリーを楽しむためには「恐怖心」を抱かなければならないのですが、人はどのようにすれば恐怖心を抱くのでしょうか。この問に対する回答は簡単で、私が思うに「自身に有害な事態や危険な事態に対して有効に対処することが難しい場合に直面させる」というような具合です。ホラーでありがちなのは、殺人鬼から逃げ惑うとか、よくわからん怪物に追いかけ回されるとか、或いは精神的な側面を煽る作品もありますよね。それらに共通するのは、「死や未知に対して対抗手段がない」ということです。チェーンソーに素手では勝てませんしね。これが、自身に降りかかる有害です。「死の欲動」を持つ人間には当てはまりませんが、それは例外としましょう。何はともあれ、ホラーを提供する時に重要なのはそれです。

 でも結局は作り物です。本当に死ぬわけではありませんし、未知でもなんでもありません。それは享受している人なら誰でも認識していることだと思います。だからこそ、お化け屋敷の運営は、表層に覆われてる理性を突き破り、本能に上書きできるような現実性を持たせなければなりません。簡単に言えば没入感大事にしろよってことです。チープなセットでは全く怖くないですから。「これはお化け屋敷だ。本当に死ぬわけじゃないし、脅かしてくるのはキャストだ」という理性の認識を「怖い!暗い!怖い!キャーーー」にするほどのリアリティが必要です。まぁ、ホラー苦手な人は学生が作ったお化け屋敷で怖がりますし、得意というか平気というか、そういう人はどれだけリアリティがあっても怖がらないでしょうけどね。俗に言う「※個人差があります」ってなやつです。

 さてさて、話したいことはこれで終わりです。そういえば、日本で一番怖いと有名なお化け屋敷の料金を見たのですが…高くね?封印が解かれて祠の中身が消えるより、財布から金が消えることの方がホラーですわ。

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自称哲学者で知識人の凡人による独白 テラ・スタディ @Teratyan

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