とある一家の兄弟

 当時の町の人は言う。

 あの兄弟は不思議だと。


 当時の町の子供たちは言う。

 あの兄弟は不気味だと。


 とある町のとある場所に2人の兄弟は両親と住んでいた。

 兄のほうは、優秀で周りの大人たちから常に期待されていた。

 兄は、毎晩夢を見た。

 夢の内容は、決まって新しい登場人物が現れる。

 夢を見てから数日、その夢は時間や景色は違えど現実となった。

 兄は気づいた。これは予知夢だと。

 兄は未来が見れるのだと。

 しかし兄の言葉に周りの大人たちは口を揃えてこう言う。


 「「動画の見過ぎだと」」



 弟は、勉強が得意じゃなかった。でも言語科目の成績はトップで兄よりも優れていた。

 そんな弟は、当然身体がピタリと止まり何もない場所を見つめる時が多々あったという。

 その現象が起きるのに法則性は無かった。

 その現象をコントロール出来ずにいた。

 弟は言う。突然頭の中に映像が流れるんだ。と

 弟は最初それが何か分からなかったが、ある日テレビで見たアニメの1話が、あの現象で観たものと同一であることが分かった。

 何度か繰り返し理解した。これは確定映像。観た現象がそっくりそのまま発生するという能力だ。

 弟の言葉に周りの子や大人は兄に対してと、同様に口を揃えて言う。


 「「ラノベの読み過ぎだと」」



 しかしそんな兄弟を理解してくれる人もいた。

 え、?その兄弟は何て言うのかって、


 彼らは石竹家に生まれた兄弟で、兄を律、弟が連。というそうだ。

 

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