第4話 まだ分からない

 ガサッ!ガサッ!

 地面を蹴り、一歩一歩ゆっくりと少女が歩いてくる。その子の歩くスピードは遅く一定だが、段々と確実に拙者との距離をめていた。

 拙者は振り返ってから近づいてくる少女を前にして、ただ動けない状態だった。その子を眼にしてからか?蛇にでも睨まれているかのようだ。

 身体は動かない。でも動かそうと思えば動くのではないか?不鮮明の思考が頭の中を巡っていた。

 ほんの少しの時間だが気づくと少女は、いつの間にか拙者の目の前で足を止めていた。少女と拙者の距離は、こぶし一個分ほどしか無かった。

 (ゴクッ⁉)

 緊張からか?怯えなのか?口の中で生成された唾液だえきが、この空気感から逃げる様にのどを通っていった。

 少女がゆっくりと顔を上げ、拙者の顔を見てきた。先ほどより数倍近くの距離で、拙者の目に少女の顔がハッキリと映る。

 少女は可憐かれんだ。目から受け取られたその情報が、脳に届く。

 可憐でおさない顔つき。赤黒い血にまっていて、ハッキリとした形が分からない手。くついておらず、ずっと素足でいたのか?あれれた肌が目立ったていた。

 っ⁉突然、少女が動き出した。

 拙者は、少女の動作に驚き思わず眼を閉じてしまった。

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