2章第8話 ストーム王子と出会う
自分の体を洗っているからなれているのか、女の子になってみれば女の子の体を洗うことに動揺しない。
むしろ触れていたい気持ちだ。
私はゆっくりとウィンドウの頭を洗い猫耳の感触を味わう。
ウィンドウは気持ちよいようだった。
「ふぁあ~気持ちい~」
そして、体を洗っている時、その時が私の楽しい時間だった。
ウィンドウの小さい胸に触れると彼女の尻尾がぴくんと棒立ちをして表情も目をつぶって苦しそう。その気持ちは女の子になった私でも分かること。
教会で変態男子に胸を揉まれた時の感覚を感じて、女の子が胸を触られて嫌がる理由が分かったと感じた。
しかし、そんなことが分かるならなおのこと私はウィンドウの胸を揉んだり、お尻と尻尾を洗ったりした。
お尻と尻尾に触れられてもウィンドウは苦しそうだったため、私はウィンドウに聞く。
「大丈夫? 苦しそうだよ」
「大丈夫よ。苦しそうに見えるけどドMとかじゃないわよ。気持ちよくて……」
刺激的なのが気持ちよいのをドMというものだが、私は最後にお腹を綺麗に洗ってあげた。
普段の格好で丈の短い服を着てお腹をさらしているなら、お腹は綺麗でないとだめ。
そんな風に感じている私は、ウィンドウのお腹を綺麗にしてあげるためにごしごしと洗った。
興奮しているようなウィンドウの声で、私はさすがにこれ以上はやめるべきだと思い、ウィンドウの体の汚れをシャワーで洗い流した。
「気持ちよかったわ。レーモンちゃんは体洗うの上手ね」
「そうかな?」
「じゃあ今度は私が洗ってあげるわ」
「えっ? そんな……」
「いいのいいの。洗ってくれたお礼」
私はウィンドウに体を洗われた。くすぐったい感じだが、私は苦にはならない。むしろ洗ってもらえることを感謝しているほど。
私がそう思っている時にウィンドウは私の体を洗ってつるつるな肌触りでぼーっとする。
そして頭の中がお花畑になっていた。
ウィンドウの頭の中では私の肌のつるつるな感じを実感したくて全身をゆっくりと触れる。
「いい体ね。どうしたらそうなるの」
「あのう、ウィンドウ?」
「どうしたの?」
「こっちのセリフなんだけど」
「気持ちよいの?」
「そろそろ体洗い流してくれない?」
「ああ、ごめんなさい。つい」
私の体を洗い終えたウィンドウはタオルで体を拭いて浴場を出た。私も浴場を出る。
その時には着替えながらも私の肌触りの感触を感じていた。
そんなことも知らず、私は銭湯を出ると1人の男性が待っていた。
貴族の服を着ており、髪色が黄緑色の青年といったところ。その男性が私を見て話しかける。
「おいお前」
「はい、私ですか?」
「そうだ、中々いいドレスを着て高価なティアラを被っているな。お前はどこかのお姫様か?」
またしてもお姫様の格好でこんな絡まれ方をする。しかしドレスを着てティアラを被っていることでお姫様らしくしたい私にこの格好ではない格好は嫌だ。
だからこの格好でどんなに絡まれようとこの格好以外の格好になることはない。
だから、多少の事情説明はやむなしだ。
「いいえ、ただの一般人です」
「そうか、一般人が購入するドレスやティアラじゃないな。黄色いドレスに金のティアラ。お姫様でなければ身につけられないやつだ」
私を睨んでくる青年。しかし彼が若くて清き心を持っているなら美少女がお願いポーズをして交渉すれば理解してくれると私は思って実行してみる。
「あの……私……本当に一般人なんです。本物のお姫様にあこがれて……それで……お願いです。見逃してください。もしこの格好がダメなら私……ここで首を刺します」
これに青年は慌てた。
「待て待て待て、何もそこまで要求しない! というかそのお願いポーズとしゃべり方、面白いな」
そんな時に銭湯からウィンドウが出てくる。
「お待たせレーモンちゃん」
「ああ、ウィンドウ。実は今あの貴族の方に」
それを見たウィンドウが跪く。
「ああ、これは王子様」
これに私は驚く。まさかの王子様というカミングアウトに私はウィンドウように跪く。
「大変もうしわけございませんでした。知らなかったとはいえ、ご無礼お許しください!」
「ああ、いいってそういうの。それよりお前、ウィンドウと仲良く風呂でも入っていたか?」
これにウィンドウが説明する。
「王子様、私とこの者、レーモンは今日出会ったばかりの関係でございます。彼女はこの国に詳しくないようで私がまずこの町を案内しようとしている最中でして、この銭湯で裸の付き合いをしたのはその1つです」
これに対してストーム王子は私とウィンドウにある提案をする。
「そうか、なら昨日行った居酒屋へ行こう」
「2日連続ですぞ! アルコール中毒でお体を害します。おやめください」
ウィンドウが必死に止めるもストーム王子はやめない。
「せっかくこの町に来てくれたんだ。それもお姫様の格好でな。しかもレーモンだったか。お姫様らしく振舞う感じがまた面白いからな。レーモンは成人か?」
私は正直に答える。
「はい……お酒は飲めます」
「じゃあ決まりだ!」
ストーム王子は私とウィンドウを連れて港町の居酒屋へ行った。
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