第6話 スキル

 ユウヤが前に出た。


「こんにちは。ゴーレムと戦う衝撃が響いてきたので、仲間とともに来ました」

「おぉ〜、そうか、迷惑かけちまったか? 仲間も出してこっちこいよ。詫びてやらァ」

「はい」


 ユウヤは仲間のところに行き、皆でアージェスのところへ行くことを伝えた。皆、渋い反応をしていた。


「あの爺さんのところへ行って大丈夫なのか?」

「あの人は、正直魔人くらいの力があるぞー。逆らわない方がいい」

「ぇー!」


 (魔人の力の差は激しいが、こう伝えるしかない)

 ユウヤ達はアージェスの目の前にまで来た。そうすると、アージェスは無言で袖に手を通して、箱を取り出した。

 (なんだ。どっから出てきたあの箱。何か魔法の袋があるのか?)


「やる」


 アージェスが適当に投げて、渡すとラントーテが受け取る。中身は気になるが、少しの恐怖心もあり開けることは出来なかった。


「ありがとうございます。アージェスさん」

「……お?何故、儂の名を知っとるんじゃ。まだ、話しとらんじゃろ」

「…………噂ですよ。貴方、ほぼほぼ不死身でしょう?能力とかも話題になってますよ」

「そうか。噂か。ただ、否定しておくと能力はあまり持っとらんぞい」


 プライバシーも気にせず、アージェスは金属プレートを出した。


―――――――――

職業:騎士 レベル《段階》24 スキル:『悪食』『剣術』『武術』『耐性』『渾身の打撃』『歩法』『チャージ』『体力回復速度上昇』  アビリティ:

状態:通常 

名声…… アージェス

――――――――――


「案外、レベル低いな」

「いっぱいスキル持ってる〜」

「スキルの相性とかバランスいいな」


(おかしいな。アージェスとか毒を使って弱らして殺すタイプだったはずだ)ユウヤは違和感を感じて聞いてみた。


「アージェスさんの戦い的に毒とか使った方がいいと思うんですが、使わないんですかね?」

「……あぁ〜、毒はあんま使っとらんな。師匠から溜め技とかで威力上げるばかりじゃからのー。毒か――いい発想じゃ。後で試すわ」


 どうやら、毒は使っていなかったようだ。素でゴーレムの岩を壊すとは、恐ろしい。


「流石に俺達も見せようぜ」

「まぁ、そうだな」


 スキルの部分だけ見れるようにしてから、皆が披露をする。


―――――――――

スキル:『解体』『剣術』『槍術』『魔力回復速度上昇』『披露耐性』『威嚇※ユウヤ、ラントーテ以外を除く』『花魔術※ナカ除く』『代償』『罠探知』

――――――――――


 関係ないはずなのに皆がほぼ同じスキルを持っていた。基本的にこんなことは起きるはずはない。

 皆、得意なものはかなり違ったはずだ。しかも、少し前には無かった。


「おぉ〜、お揃いじゃの〜。……皆は何故困惑しとるんじゃ?」

「皆、得意なものが分かれてたんですよ」

「いきなり均一になったのか……?!」


「花魔術を持っとるし、その影響では?」

「それだったら、ナカは違う」


「共鳴か!」


 共鳴を含めても不思議な点はあったが、それしか考えられなかった。アージェスが困惑していたが、皆はその言葉を聞いて、納得した。

 ――ユウヤは共鳴に恐怖した。

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