第3話 聖女
皆を呼んでくるとちょうど聖女がギルドにいつもはない台の上に立っていた。しかし、何も喋らない。冒険者が小声で話していたのが止まり、静寂が響く。聖女に注目が一身に集まる。
「こんにちは。皆さん、聖神教の聖女として勤めているアーファイトです」
聖女が話し始めた。その声は、はっきりと大きくて聞きやすく、一言一言が頭に入ってくる。
「最近は、魔物や冒険者による被害が増えてきております。一ヶ月ほど前、ここの冒険者ギルド襲撃事件があったようですが無事鎮圧されたので、私から感謝をお伝えに来た次第です。ありがとうございます」
聖女が頭を下げた。冒険者はかなり困惑していた。教会の聖女がわざわざ冒険者ギルドに来て、頭を下げるなんてことはそうそうないからだ。
(感謝を伝えに来てくれるなんて、嬉しいし、観衆にいい印象を与えられそうだが、頭下げたりと権威が弱まりそうなもんだけどなー)
「これからも慈愛、自制の心を持ってお過ごしになられれば幸いです」
そう言った聖女だが顔を俯けて、手で抑える。そうして、数秒の間を置いた後に顔を上げてまた喋りだす。
「ですが、二日前に何人も人を殺した死刑囚が脱獄をしたのです。しかも、遺物を持った冒険者や十代以下の若者を狙っているのです」
皆が黙りながら、聞いている。
「許せますか?希望の
「許せないです……」
「許せない」
「許せないっす!」
声を上げた。
「ならば、討伐をしようではありませんか!悪しき魔物を!許せない悪逆非道の悪魔を!彼の名は、キャリー!ゴーレムを作り出し、操作する能力を持っています!」
バッ、とキャリーの顔が描かれている髪を前に大きく出した。
「懸賞金は、金貨五枚!生死は問いません。左手を掲げ、我々と共に戦いましょう!」
聖女が魔法を使用し、辺りは光に包まれた。そして、ちょうどユウヤには見えた――皆の左手に羽のマークが出来たことを。
―――
絵の作成中のため前回はかなり少なかったです。すいません
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます