第2話 教会

 次の日、ユウヤが歩いていると、青年が新聞を持って走っているところを見た。

 何か叫んでいるようで、耳を立てる。


「号外!号外!」


 と言っていたようだった。青年がちょうどユウヤのところにまで走ってくるものだから、ユウヤは新聞を買うことにした。


「一つください」

「はい、分かりましたぁ!」


 ユウヤが金を払ってから、新聞を受け取り邪魔にならないよう道の端に寄りながら読む。


 職権乱用で原初の動物、龍の護衛が罷免


 その程度のことが書かれていた。(まぁ、龍が移動するとかだと随伴して問題も起こるかー)と、適当に考えるばかりだ。


 新聞を持ちながら、冒険者ギルドに立ち寄る。依頼があるか確認のためだ。皆、神妙な面持ちでその場にいた。 


「……どうしたんですか?いつもの感じじゃない」


 非常に小さな声で近くの冒険者に質問する。知り合いを探す雰囲気ではなかったのだ。


「――がくる」

「え?」

「聖女がくる……。いや、来た」

「それで、何をするんです?」

「聖女が演説?をするらしい」

「……」


 (聖女は基本的に地位が高い。それに特殊なアビリティ、スキル、魔法、いずれかを持っている。何か……聞けるかも!)

 ユウヤはダッシュで皆を呼びに行く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る