第8話 魔人の力

 皆は治療を受けていたイシィと会えた。イシィは少し疲れているように見える。そのため、ほとんど話さずに終わった。


「色々とおかしなパーティーだぜ」


 ユウヤに耳にナカのその言葉が入ってきた。ユウヤはナカとこっそり話すことにした。


「……そうだな。不思議なことがないのってイシィとラントーテ、ナカくらいじゃないか?」

「クイン達も隠し事があるしな。そういえば、エスタントアについてユウヤはどこまで知ってるんだ?」

「どうして、そんなこと聞くんだ?俺も詳しくは知らないぞ。まだまだ、隠している実力があるくらいしかな」

「……聞いてきてくれないか? 理由は説明しよう」

「分かった共鳴でつなげる」


 どうやら、イシィにエスタントアが応急処置をした時にカンキョウを使ったらしい。それによってイシィは一時的に症状が落ち着いたそうだ。


「分かった聞いてくる」


 帰ることになった際、エスタントアに聞いてみた。


「エスタントアの力について、話せる範囲で教えてくれ」

「まぁ、いいよ」


 案外、あっさりと教えてくれた。魔法、身体能力について――。そして、迷宮で実際に力を使ってくれた。

 十メートルの範囲はドロドロにとけてしまった。

 技名なし、詠唱なしでだ。


「そういえば、これって魔人の裏切りにならないのか?」

「ならないよ。基本魔人は自由だし、このくらいの使用許可とかは取ってた。ナカとかに話しといてもいいよ」

「そうか」


「私って、かなり弱い方だし」


 ユウヤはエスタントアから衝撃的な言葉を聞いた。


「弱いってマジ?この威力で?」

「クソ雑魚だよ。他の奴らはこんくらいできる。いや、出来ないやつもいるな。なんだっけ、ラフトとは違う魔人は、使えないね」

「威力が全てじゃないんだ」

「そうだね。というか、ユウヤも使えないタイプじゃない。成長を強制的にした程度だから、仕方ないけどね」

「ラフトとかそんなの使わなかったんだが」

「舐めプぐせあるからね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る