第7話 生贄と代償
〜【回想】〜
ユウヤを除いた皆は、六層で狩りすぎないようにしながら連携を試していた。言葉で連携は難しいことだったが、共鳴をし続けた影響かなんとなくどう動くか予想出来るようになっていた。
知らぬ間に魂が呼応するようになった――ということだ。
「まぁ、一応、連携して動けるけど……」
「反応が遅れるな」
「ま〜、連携出来るだけマジでしょ〜」
「最近、なんとなくどう動くかとかが分かってたけど、実力なのかな?」
アビリティで変化したとしても、身に付けばそれはもう実力だろう。
「あ、レベル上がったー」
イシィのレベルが十六になった。イシィがパーティーに金属プレート《レベル》を見せてくる。
「スキルも得てるじゃん」
「え?」
皆が注目すると、そこには『勇気』があった。
「これは、後でユウヤに聞くか」
「賛成〜」
また移動をしていると、イシィは足に違和感を覚える。(足、いったい。あ……ゥ)チクチク、チクチクと針で突き刺すような痛み。
「私、足痛いから帰ろ?」
「そうだな。不調なら仕方ない」
「無理するなよ。イシィ」
そうなって、帰ることとなる。だが、遂には痛みによって倒れた。パシャっ、と水のような音が聞こえ、皆がイシィを見る。――イシィは、足から血を流して倒れていた。
「……急いで、……帰る、ぞぉ!」
ナカは集中出来ない状況となり、拙い言葉で指示を出した。最初に我に返ったナカが、イシィを抱える。
焦っていると、魔物が飛び出してきた。
「ぅ!」
ラントーテが情けない声を出しながら、一発攻撃を防ぐ。そして、ナカに攻撃が向けられるとクインが身を挺して防いだ。
(記憶のフィードバックが)クインがそう考えながら、「ニィナ!飴!」と指示を出し、ニィナからの飴を口で受け取り噛み砕いた。傷が少し塞がり、魔物の首を槍で傷つけながら、転移した。
◆■◆■◆■
そこからは、病院で代償によってそうなったと分かったという情報をクインから共鳴を交えて話される。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます