第3話 クラン

 ユウヤ達は冒険者ギルドで集まっていた。その理由は――


「最近、人数多くてさぁ。利益そんな出ないな」

「ユウヤは借金あるし、俺達は宿を借りてるからな。ちょっと辛いぜ」

「ここらって宿に金結構かかるからなー」


 金銭面の問題だった。イシィ達は宿暮らしでそこそこの出費をしているらしい。武器屋などは、高いものは高く安いものは安くてかなり良かったのだが、宿屋は基本高い。


「……でも作るか」

「クランってなんだったっけ?」


 クインが質問をしてくる。どうやら、ユウヤが入院している間に研修で習ってはいたようだ。ユウヤはその質問を聞いて軽く笑いながら答えた。


「徒党みたいなもんだよ。クランのメリットは、個人というかチームで依頼を出されやすい。これで金を稼ぐ!」

「けど、できたてになんか依頼くるか?」

「こなさそー」

「いいや、逆だよ。弱小のまま終わるクランっていうのは最初がピークの方が多い。いわゆる、投資みたいなもんだぜ。価値が落ちるか上がるか依頼の出来次第だ……!」

「ほぉ」


 冒険者ギルド内なので、軽く盛り上がっただけだったが、皆が感心を寄せたのは確かだ。


「条件って確か十人以上でその必要な十人は冒険者ギルドに在籍してるのが条件じゃなかったっけ?」

「無理じゃん。私達七人だよ」


 エスタントアがそう言ってきた。しかし、ユウヤは不敵な笑みを浮かべており、ナカもなんとなくユウヤの考えを理解している。ラントーテは友の顔を思い浮かべていた。


「ふっふっふ、いるじゃないか。ちょうどいいやつらが」


「――えぇ、ソロがいいのに」

「――クランくらいなら」

「――私は大丈夫だよ」


 コウジナ、ユナ、ライミに話を付けた。皆、無理矢理説得してクランに入ってもらうことにした。

 受付嬢のところへ向かう。


「クランを作ります!」

「――」


 無事、クランを作成することが出来た。


「ぃよっしゃあー!」


 これで金銭面は改善していくかもしれない。結果は誰にも分からないものだ。


 ◆■◆■◆■


 数日後。

 ユウヤがこんなことをいい出した。


「俺、ソロしたくなってきた」

「きゅ、急、すぎぃ……」

「理由は?」

「いや、共鳴で連携するの疲れてきた」


「「あ……」」

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