第53話 お話※クイン除く
三人パーティーの頃、ユウヤとニィナは、クインがトイレに行った時など隙間時間にクインのことを話していた。そして、久しぶりに話すことになった。――エスタントア達も入れて。
「……なんで、皆さんいるんですか」
ニィナが皆に言った。その理由は、クインが休むこととなり、迷宮に行くことを止めたため。もう解散の号令?を済ませたためだ。
「いやぁ、会話がね〜。気になったから、だよ〜」
「なんの会話なの?会話会話会話」
「面倒な人増えすぎです」
ニィナが酷い毒舌を吐いた。
「はぁ……、言いたくないですが、クインのことですよ」
「クインが休みとは、珍しいな」
「クインは休む時でもニィナと一緒に来てたでしょ。その話とか?」
「ちょっとは黙ったら?」
ユウヤも話し始めた。皆が口を閉ざす。
「正直、これはなんだろう。クインとどうやって仲良くするかって会話だ」
「…………恋バナ?」
「近いけど、ちょっと違うかも。もうクインとは付き合ってるようなもんだろ?」
「はい」
ニィナが少し恥ずかしがりながら、そう答えた。どうやら、パーティーから脱退していた時期に仲が発展したらしい。
「それで、俺はクインとめっちゃ仲いいから、どうすればクインの好みの会話が出来るかって話をしてる」
「えぇ、そういうのとか自分で考えた方がいいんじゃない? ナカみたいに」
「俺?!」
ナカに話が振られる。
「ナカって彼女いるの?」
「結婚してるし、なんならお子さんもいる」
「そんなのが、こんなところにぃ〜?」
「止めてくれ。今、仲が良くないんだ」
「へぇ、なんで?」
「イシィとラントーテと仲がいいから、浮気じゃないか、疑われたんだ。それで、面倒だし子どもも出来たから来た」
「経験しての、先輩の意見は?」
「素の状態とかも一応考えておけ。家柄での結婚ではあったが、無口なのが理由で仲は良くなかったからな」
「大変ですね」
ニィナからの一言。ユウヤはこういうのもあるんだなと言葉が出なかった。話を振ったはずのイシィとラントーテ達はナカを慰めていた。
「いや、地獄だね。空気。ちょっと、やっぱ話すのやめよう」
「そうですね」
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