第11.5話 ゆるゆる
昨日のことがあってか、やる気を失いユウヤ達は一日休むことになる。そして、メンバーとして仲を深めるために食事や遊ぶことになった。
朝食は珱花亭というアイドルが歌って踊るところにした。
(吟遊詩人じゃなくてガチのアイドルだけど楽しかったな)
そう、星渡りがいるからか、ここ世界にはアイドルが普通にいるし、なんなら吟遊詩人よりも数が多いかもしれない。
「チラシもらっちゃったけど、また行く?」
「行く行く〜」
「それじゃあ、その日を休みにするか。何日だ?」
「来月の14日だから、ちょうど三週間後だね」
「めっちゃ有名な人が来るんだよ。アイリっていう人」
「……知らないなぁ」
「まぁ、歌の評判いいから楽しみにしとこう」
次はクインと良く遊びに行った娯楽施設だ。そこでは、いつも二人でゲームをしていたが、今は皆で楽しくボードゲームをしたりと昔とは全然違う。
もう変な視線は気にする必要はない。
(俺も変わったし)
「大富豪、楽しいな」
「ルール覚えるの大変だけどな」
「そうか?簡単だと思うけど……な、ユウヤ」
「まぁ、皆カードゲームとかはそんな無かった訳だし、ルール覚えるの大変は普通かな?」
「そうですね。しかも、他のゲームもやってた訳ですし、はい、上がり!」
ニィナが大富豪、ユウヤが富豪、ナカが貧民、イシィが大貧民になって大富豪は終わった。
そして、一階で飯を食べれば運動のために冒険者ギルドに行く。
今まで使って来なかったが、訓練所には運動器具もあり、毀れたら全額負担になるが基本的には全てが無料だ。
「なんか、色々と訓練所なのにゆるいのもおいてありますね」
「跳び箱とか?」
「まぁ、ゆるいね」
「お〜い、私、ウェイトリフティングしたら80kgまで行けたよ〜。ナカも80だったんだ〜」
「うおぉ、ナカとイシィ、すげぇな」
「私は70だったわ〜」
「十分、凄いと思うよ」
「レベルアップしてる訳だけど、やっぱり私達は始めたばっかだからね」
「しかも、ラントーテは他よりも低いLevel2だしな(魔法使いはあんま筋力上がんないけど)」
「Level1と比べて力上がったと思う?」
「多少は上がったかな」
かなり皆と会話が弾む。やっぱり、大人数だと話題がすぐ出たりして会話が途切れにくい。まぁ、会話を誰かがとぎらせてしまうことあるけど。
その後は縄跳びの回数勝負をしてみたり、訓練所の周りを何周走れるかの勝負もした。
意外とこれが体力の把握になったりする。
「あぁ、楽しかったな」
「こんな遊びは久しぶりだ」
夕食はもちろん冒険者ギルドでだ。決闘の後の酒達が忘れられない。昨日の依頼の回復薬はデメリット無しのもので便利だから使えないが、代償の腕輪は使える。『代償』の腕輪はもはや回復アイテムだ。
「飲むぞ〜。俺の奢りだ〜」
「クイン、太っ腹だな」
「いぇ〜い」
皆で盛り上がっていると、冒険者がユウヤに訪ねてきた。
「お前、何かあったか?」
「……いや? 何も」
「俺は知らねぇけどよ。変なやつがお前の情報探ってたらしいぜ」
「おかしな話だな」
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