第10話 アルマとカモミールティーと寝落ち②
それからソファに座って紅茶をいただきながら作業しているアルマさんを眺めていると昨日のことをふと思い出した。
「アルマさん...。ア、アルマ、昨日もしかしてお風呂に入れてもらって私寝ちゃった?」
「はい、お気になさらず。それほど聖女様のお疲れが溜まっていたと言う事です。それを少しでも軽くして差し上げられたのなら大変嬉しく思います」
部屋に入った後、小腹は空いていないか、お風呂に入るか聞かれてお腹も空いていたがお風呂を取ったのだ。
しかしそこで予想外だったのがなんとアルマさんがお風呂の世話をすると言ってメイド服のまま一緒に入ってきたのだ。
はじめは慌てて拒否したのだが、「失礼ながら聖女様の歩く様子を見たところ、右半身に少し傾いて負荷が掛かっております。マッサージの心得がありますゆえ、任せていただきたく思います」
あまり肌を見られたくなかったのだが、結局押し切られてマッサージを受けたのだった。
アルマのマッサージの腕前が良すぎて寝落ちしてしまって恐らくだが、服を着させてベッドまで運んでくれたのもアルマだろう。
初対面でこの対応はかなりやらかしているのではないか?
私の感覚では急にやってきた知らない人間の世話を頼まれて、業務に従事していたら勝手にベッド以外のところで全裸で寝てしまったのだ。
意識がない人間を世話するのはとても力と体力のいる作業だ。
ましてやお風呂に入っていたのだし、髪も洗う前だった気がする。
考えれば考えるほどアルマに申し訳がなくなってきた。
「アルマ、ごめんなさい。ありがとう、重くなかった?起こしてくれてよかったのに」
「いえ、これでも鍛えているのでお気になさらないでくださいませ。お食事のあとで王太子殿下とエレオノーラ様がお時間を作ってございます。体調がすぐれない場合は遠慮なく延期する旨を伝えるよう言われております」
「いえ、大丈夫です。むしろ私に時間を合わせてもらって申し訳ないです。急いで食べますと伝えてもらえますか?」
どうやら本格的に説明してくれるようだ。
正直目が覚めた時、部屋のありようで夢でなかったことにビックリした。
私がイマジナリーフレンドだと思っていたエレオノーラは実在していて、一生叶うことはないと思っていた顔合わせを果たした。
まだ現実を理解しただけで、受け入れて明日を考える余裕はないけれど早く食事を食べてエレオノーラの顔が見たいと私は心の底から思うのだ。
-------------------------------------------あとがき-------------------------------------------
アルマは個人的に好きなキャラでほぼ初登場なのに設定だけやたら細かく既に決めています。
モデルになったものはあるのですが、皆様好きに想像してみてください!
私も読むときは好き勝手想像してます。
続き気になると思っていただけたらお気軽に、♡ボタン、☆ボタン、フォロー、コメントをポチっとよろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます