産まれなおし―恋する邪神はあなたを産みたい―
………
……
…
うじゅる…うじゅる…
全身を蚯蚓が這いまわるような感覚。ぬめった肉の襞が体を管の奥へと送っていく。
冒涜的でおぞましい悪寒を覚えながら、全身を抱きしめられているような、不思議な感覚を覚えていた。
「どうして、逃げなかったんですか」
頭の中に彼女の声が響く。
「恋人を放っておけない、なんて…言われても…
嬉しくないです!
い、いや本当はちょっと、嬉しいですけど…」
「…私は何より、あなたを支配してしまうことが怖かったんです。
なのに、こうなってしまったら…台無しじゃないですか…」
「わたしの気持ちを分かってたからこそ…?
それならっ…!なんでわたしの言うとおりにしてくれ…」
「…あぁ、そういう事、なんですね。
あなたって本当にその、不器用というか…バカです。
自分は支配されたりしないんだって言うために、わたしの言う事の逆をするなんて。」
「でもそれが、あなたの愛情表現だというなら。
あなたも、わたしと共に永遠を望んでくれるなら。
全部、受け止めようと思います。」
「もう本当に、我慢できませんから…♡」
うじゅるるるるっ…
全身を包む肉襞が、ひときわ大きくびくんっ、と震えた
「これでも、あなたを壊さないように我慢してたんですよ?
あなたを包む、波打つ襞も..あなたの体を優しくなで上げる様にして…」
「でもここからは、優しくしませんから♡
今から襞の一つ一つをわたしの舌だと思ってみてください。
その舌が、あなたの全部…指先からつま先、へその奥まで…
思いっきり舐ってやりますから。覚悟してください、ね…!」
ぐちゅっ、ぐちゅっ…じゅるるるっ…
「えへへっ…びくびく震えちゃってますね…
くすぐったい、ですか?それとも…
我慢しなくていいんですよ
わたしのなかで、めちゃくちゃになっちゃっていいんです。
それにまだ、お楽しみは始まったばかりなんですから。」
「そろそろ、感じるころですね。
わたしの中に満ちている消化液、これは言葉通り、あなたの体を溶かしてしまうもの、なんですけど…
もちろん、あなたを苦しめたりしませんよ。」
「ああ、ほら。つま先の方から感じませんか?
わたしの消化液が触れたところが暖かくなって…とろけて…
あなたの脳が、感じ始めてるんじゃないでしょうか…♡」
「わたしの中でとろける感覚って、繁殖行為の快感に似てるらしいんです♡」
「ほら、次はとろけたふとももを撫でてあげると、そこが敏感になって…
…むずむずしたら、それは気持ち良いの始まりですから身を任せて…
ふふっ。またお顔がとろけてますよ~」
「ああ、ついに脚、失くなっちゃいましたね♡
次は頭から。あなたの耳を…」
ずちゅ、ちゅ…
「…このまま、襞に任せていじってあげてもいいんですけど。
あなたの耳は、わたしが、わたしの体で触ってあげないと。」
「わたし、簡単に増えるので。わたしの中にわたしを増やしてみました。
やっぱり、最期はこのわたしがいいですよね?
あなたが思い描いた理想の女の子。
艶めかしい黒髪で、しなやかな体で、でも…」
むぎゅっ…
「抱き合うと、やわらかくて、なんて。
欲張りなんだから…」
「すぅーっ…ふぅーっ…
すぅーっ……はぁーーっ…
…こんなに近づいちゃうと、息を吸って、吐くだけで…
とろけて敏感な耳にあたって、くすぐったいですね。ふふっ。」
「吐息だけでこんなになっちゃってるのに…もし、こうやって…」
…はむっ
「はんでみたりしたら…」
ぐちゅっ…れろぉ…
「良かった…みたいですね。顔に出ちゃってますよ♡
…そんな顔ばかり見せられたら…虐めたくなっちゃいます」
ぐちゅっ…ぐちゅっ…
「もちろん、こっちも…」
ずちゅっ…ずちゅっ…
…耳を食まれて、舐められて、弄ばれる
そして…
「あなたの首から下、どんどんとろけちゃってます…♡
わたしと一つになる心地よさも、たくさん感じてくださいね。」
不思議な感覚だ。
もう脚は、とっくにとろけてなくなったはずなのに。
額の隣につま先があって、へその辺りに右の手首があるような。
感覚が、彼女の中に霧散して、散ってしまったような。
「…もうすぐです。
もうすぐあなたの体は私の中に取り込まれて
魂だけになったあなたが、わたしの胚に宿り、産まれ直すんです。」
「まだ、喉は残っています。口は動かせますか…?
…大丈夫、みたいですね」
「わたし、本当はまだ怖いんですよ。
生まれ変わったあなたが、わたしの知るあなたのままなのか。
わたしを覚えていてくれるのか。」
「だから、一言だけ。約束してください。
生まれ変わっても、わたしの恋人でいてくれると。」
「そして、できれば。
あなたを求める無数のわたしの中で
今ここにいる、あなたと過ごしたわたしを、覚えていて、くれたら…」
「…贅沢ですね。忘れてください。
もう、首だけになっちゃいましたし…あとはゆっくり、二人で…」
「そういえばわたしたち、まだしていないことがありました。」
…ちゅっ
かすかに残った唇に、暖かな温度を感じた。
「今の熱を忘れないで、来世まで持っていってくれたら嬉しいな、なんて。」
「…もう、聞こえてないかもしれませんけど。」
「また、いつか。わたし、あなたを待ってますから…」
………
……
…
名状しがたき、あなたの花嫁 —恋する邪神が黒髪美少女になってラブラブ脳クチュご奉仕してくれる― ゆなはる @yunaharu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます