第6話 式神は可愛いのを希望で
朝のプチ事件アンド私が生徒会に目をつけられたことで、私には誰一人として近づいてこなかった。
そして、この騒動の元凶であるじじいはというと・・・・
『はぁぁぁぁ、わしもう駄目じゃぁぁぁぁぁぁ』
とこのように、ピンピンしている。
説明しよう!
あのときじじいは、凪先輩の術をもろにくらった・・・わけではなく普通にかわし、昨日見たという昼ドラを思い出してしばし消えていたそうだ。
「くだらねぇじじいの所為で、私は生徒会に嫌われた。こっちこそどうしてくれんだ」
『いやぁね、冬子ちゃん。わしだって心の中でおさえてたよ。じゃがのぉ、あの小娘が『絆を~』とかいうからいけないんじゃ!』
「人の所為にするな。第一その昼ドラだって。主人公に近づいてきた男が「俺たちの愛の絆は誰にも切れない」とか言って裏切ってたって話だろ?くだらねっ」
『くだらないとか言わないでよぉ。わしだって、最初は信じてなかったんじゃ。でも、あの男が主人公だけに弱みとか見せるから~。そんなん信じてしまうじゃろっっ』
「はぁぁぁぁぁ。とにかく、今後ああいうことはやめてくれよ」
忠告はしたが、じじいはまだメソメソしている。
鬱陶しい。
「みんなおはよぉぉぉぉ」
朝からとんでもない声量のゴリラが教室に入ってきた。
報告を受けてないのか昨日と態度が変わっている様子は微塵もない。
「初っぱなからわりぃが、みんな廊下に並んでくれ。」
何故かは分からないが、私達はゴリ、担任によって廊下に並ばされた。
そしてそれは私達だけではないらしく、他のクラスの生徒達も同様だった。
「いいかお前ら。静かに俺についてこい!」
そう言って先生はずんずん進んでいくので、混乱しながらも私達はそれに従う。
そのままついていくと、ある教室の前で先生は止まり一礼して中に入っていった。
「よしまずはお前。中に入れ。」
教室から顔だけ出した先生が有紀さんに声をかける。
呼ばれた有紀さんは恐る恐るといった様子で中に入っていく。
数分後有紀さんは、笑顔で教室からでてきた。
肩には入った時にはいなかったはずの雀がとまっている。
あれは・・・・
『式神じゃな』
「式神・・・」
『うむ。解呪者が使役するものじゃ。怪異とは違い、あちらは清らかなものじゃからな。怪異の天敵とも言える。』
「なるほど。」
自分の式神はいったいなんだろう。できたらもふもふで可愛いのがいいな。そんなことを考えていると私の番になった。
中に入ると先生の他に生徒会のメンバーもいた。そして真ん中はブルーシートで隠されている。
「ここに入れ。そして真ん中の台座に血を一滴たらせ。」
凪先輩に指示され、ブルーシートの中へと入る。
そこには机が置いてあり、魔方陣のようなものが描かれていた。
私は置いてあった針を手に取り、自分の人差し指にそれを突き立てた。
チクリと痛みが走り、すぐに赤い血の珠ができた。
それを魔方陣にたらす。
特に何も起こらない。
なんだろう、力がないから式神すらも召喚できないんだろうか。
そう思った時だった。
机が目映い光に包まれた。
「えっ・・・」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます