第32話 新たなジョブ
俺達は15層でブラックスライムを倒し続けた。それによってレベルが上がり続ける。
そして、気が付いたら全員がレベル20に到達したのだった。
現在、俺達がいるのはメイメの店である。7人で来たから結構メイメは驚いていた気がする。
さて、メイメの店に入ったのは新たなジョブを得る為である。理由はレベル20に到達したからだ。
「全員レベル20なんですね。凄いです」
「良い狩場がありましたから」
「そうなんですね。分かりました、どうぞ自由に使って下さい」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせてもらいますね」
俺達は水晶がある部屋へと入っていった。ここから全員、ジョブを習得することになる。
暇なメンバーはメイメと女子会したり、俺は竜之介と一緒に足りない物を探しては買い物かごに入れていった。
時間は流れて、全員がジョブを習得した。みんなで集まりこれからジョブの報告をする所である。
「僕は『ナイト』にした。剣が使えるからね」
「おっ、竜之介君も同じだな。俺もナイトだ」
竜之介と父さんは『ナイト』だった。ナイトはSTRとVITにステータスを大きく振ることが出来る。竜之介は剣があるし、父さんも槍と盾があるから納得だ。
竜之介は何処まで強くなるか、楽しみだ。
「私は『ビショップ』にしました。後方支援なら任せて下さい」
「私もビショップよ」
比奈と母さんは『ビショップ』。ビショップは後方支援が得意なジョブであり、回復やバフのスキルを取ることが出来る。
2人は支援する道を選んだらしい。
「私は『ランサー』!」
美琴は『ランサー』だった。ランサーは槍を中心にスキルを取れるジョブである。STRとAGIを主に上がる。
さてと、次は俺の番だ。
「俺は『ウィザード』にしたよ」
「「えっ?」」
「「「マジ?」」」
竜之介以外からは大きく驚かれていた。まぁ剣使うならナイトやランサーと同じく近接戦のジョブにするだろう。
それでも俺は『ウィザード』を選んだ。
「……だからあんなにスキルを使っていたんだね」
竜之介は気付いたようだ。
「えっ? どういうことですか?」
「ジョブを得るにはそれなりに条件があるのさ。和真はウィザードになる為に、ブラックスライムがいる所でスキルを沢山使ったんだ」
「そうなの?」
「そうだよ」
俺はブラックスライムと戦う時、いつもよりスキルを沢山使った。それは全てウィザードの得る為にな。だからそれなりにポーションの数も減った。
「どうしてウィザードにしたの?」
美琴が俺に問い掛けてくる。
「攻撃系のスキルとスキルスロットを増やす為だ。俺は、攻撃と魔法の
ダークナイトの時も闇属性のスキルを中心に攻撃と魔法の二刀流でやってきた。この戦い方が俺の中で一番合っているんだと思っている。
『魔剣士』にもなりたいからな。
「そうなんだね」
「じゃあ、最後は私だね」
最後は明莉だ。俺としては遠距離系のジョブだと考えている。
「私は『魔法使い』にしたよ」
「「「魔法使い?」」」
明莉の発言にみんなは首を傾げる。この反応、おそらく知らないな。
『魔法使い』は主人公専用のジョブなのである。
「魔法使い。聞いたことのないジョブだけど、どんなジョブなのですか?」
メイメが明莉に質問した。
「詳しいことは分からないんだけど、魔法使いって言うんだからスキルを沢山使うと思うんだ。『ウィッチ』もあったんだけど、こっちにした」
明莉も詳しいことは分からないか。主人公専用のジョブだから、特殊なんだよな。
「俺も聞いたことないジョブだけど、何かあれば力になる」
「ありがとう和真」
「ダンジョンの知識だけは、誰にも負けたくないからな」
取り合えず、俺が明莉を指導すれば良いだろう。明莉はきっと強くなれる。
こうして俺達は新たなジョブを手に入れたのであった。
ポーションを買ったらメイメの店から出た。これ以上やることもないからな、と思っていた。
「ねえ、円陣組まない? 夜桜競技会で気合いを入れたいから、お願い」
手を合わせてお願いしてくる明莉。円陣か。
「良いんじゃないか?」
「そうだね、円陣組もうか」
「ありがとう」
俺達は円陣を組む。家族も一緒に組んでくれた。……それで何を言おうかな。
「俺達は応援を頑張るぞ」
家族は応援を。
「僕らは宝探しを頑張ろう」
竜之介達は宝探しを。
「……俺は階層比べを頑張る。任せてくれ」
俺は階層比べを頑張ることを宣言する。5層より下に行くつもりだ。
最後は明莉が口を開く。
「みんな、精一杯頑張ろう!!」
「「「おう!!」」」
俺は改めて、夜桜競技会を頑張ろうと思えたのであった。
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