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 レオの元に戻ると、レオは不機嫌な顔をしていた。仲間外れにされて不満だったみたい。

「アイツとなに話してたんだ?」

「うーんと、ないしょ」

「なっ!? なんだよ、それ」

 レオは、ますます、つまらなそうな顔をする。でも、いくらレオでも、これだけは秘密だ。だって私とメルキアデスだけの、二人だけの秘密なんだもの。

「ねえ、レオも国に帰っちゃうの?」

「ああ。いくらみんなが目を覚ましたとは言え、全てが元通りって訳じゃない。それに、また同じようなことが起こるかもしれないんだ、外敵に対してきちんと対策しておかないとな。そういうアリスだって、いい加減、元いた世界に帰らないとだろ」

 私は頷く。レオと同じように、私にもやらないといけないことがある。そう、未来を変えることだ。

 たとえメルキアデスの書がなくなっても、アイスクリームの皇帝が生まれれば……。トロイメライが開発され、時空の扉を支配されたら、またレオの国に悲劇が起こってしまうかもしれない。寂しいけど……。

「レオ、また会える……?」

「ああ、絶対に迎えに行く」

「うん。私も行く」

 しばらくの間、私たちは見つめ合い、次第にレオの額が私のそれにぴたりと重なる。レオの熱が素肌を通して伝わってくる。温かくて、くすぐったい。

「オレの中心には、いつもアリス、君がいる。君はオレの永遠の人だ」

「うん……。私にとってもレオ、あなたは永遠の人よ」

 そう。あなたは、私の永遠の人──……。

 瞬間、真っ白な光に包まれる。温かくて、優しくて。だけど、どうしてかな。苦しくて仕方ないの。でもこの痛みは、私のもの。私だけのものだ。絶対に、誰にも譲らない──……。

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