第4話

「ノア、ちゃん……」

「フウカ……」


私の作戦は大成功みたい。フウカは顔を真っ赤にして私を見つめていた。


「好き。フウカ、好きだよっ」

「……っっっ!!」


ぞくぞくっとフウカの体が震えた。そりゃそうだよね。大好きな恋人からのチョコの口移しキスだもん。

勝った。私はやり遂げたんだ! ついにフウカをドキドキさせた!

私はフウカの様子に満足して、肩に乗せていた手をどかそうとした。


「ノアちゃん」

「えっ……?」


フウカの目の色が変わった。今まで見たことのない目をしている。怒ってる……訳ではなさそうだけど。どうしたんだろ。


「ノアちゃんっっ!」

「んぐぅ!?」


凄まじい速さでフウカが私の唇を奪ってきた。そのまま舌を私の中に入れてくる。


「んん!? んんー!?」

「好き……! 私もっ……! ノアちゃんのことが……恋人として好きだよっ!」


私はフウカにがっしり抱きしめられて、思い切り舌を入れられていた。


「っ!? ……っ!!」

「ノアちゃ……っっ!」


こっここまで効いたの!? 動揺しすぎだよ! でっでもこれくらいのキスなら何度かしたことあるし、平気だよね。

フウカとのキス。大好きな恋人とのキス……! やっぱり恋人同士のキスならこうでなくっちゃね!


「ノアちゃん……私もっ。それするから!」

「ぇ……何を……? ってぇ!?」


私はフウカに抱きかかえられてソファーまで連行された。優しくソファーに座らされて、そしてフウカが私の膝の上に乗ってくる。いつもとは逆だ。私がいつもフウカの膝の上に乗っていたのに。


「えへへ……ノアちゃんの愛、ちゃんと伝わったよ……だからね? 私もお返ししなくっちゃ……」

「ふ、フウカ……?」


頬を赤くして、目を細めたフウカが私の目の前で怪しい笑みを浮かべている。まずいこれは獲物を狙う目だ!!

でもジタバタしても遅かった。もう逃げられない。フウカは私の膝の上に乗って私の目の前で熱い吐息をぶつけてくる……!

あっこれ……いいかも。


「大好きだよっノアちゃん……ノアちゃん……ノアちゃん……!!」


フウカはチョコを加えて私の唇に押し付けてきた。


「んんー!!」

「ちゅ……っ……」


ちょっと激しいくらいのディープキス。それならたまにしているから問題はない、慣れてるよ。でも今しているのはもっと激しいキスだ。

私の口の中で、フウカの舌が暴れまわっている。私の舌を舐めまわしながらチョコを溶かしてくる。


「っ……!!」


一体どうしちゃったのさフウカぁ!? いや私のせいだけども! 私があんなアプローチをかけたからだろうけども!! このスイッチの入り方は異常でしょ!?

私の口の中でフウカの舌と唾液がチョコを溶かして、私の食道から身体の奥底まで流れ込んでくる。

フウカと私の唾液が混ざって、さらに甘いミルクチョコが合わさった液体が私の中に入ってくる。


「フウカぁ……!」

「ノアちゃん……結婚、結婚しようね! ノアちゃんは私が幸せにするから!」

「ちょっといきなり何言って……!」

「えへへへへ……!!」

「あぁもう! 嫌じゃないし嬉しいよ! 嬉しいから落ち着いてよぉー!」





ソファーの上で散々チョコを食べて、キスもして。さらにベッドの上でもイチャイチャした私たちはぐったりと寝転がっていた。


「ふへへ……大好き……ノアちゃん……」

「はいはい……私も好きですよ……」


私の隣でかわいい寝言を言うフウカに、もう一度キスをした。


「作戦成功。だけど勝負には負けたって感じだよ……はぁ」


フウカの本気ってあんなにすごかったんだ、と実感させられたよ。もうきっと、私はフウカには敵わないんだろうなぁ。



こうして私の、フウカをドキドキさせよう作戦は終わった。

その成果は、フウカのスイッチが入った時は、私の気分なんかお構いなしに唇を激しく奪ってきてさらに身体を持ち上げられて好きなところに運ばれる。そんな新しい日常が始まったこと。あれ、これ結局フウカにされるがままってのは変わってないよね……?

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甘やかしてくる年上お姉さんな恋人に、思い切って責めてみたらすごい反撃をもらってしまった件 畳アンダーレ @ojiandare

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