第5話 ヤバい!発注書逸脱?

 特急から新幹線に乗り継いでなんとか上げた1話目。できれば2話目はこの新幹線が東京に着くまで上げたい!


 間髪入れずに、2話目を書き始めるため、2人がやることを決める。


 準備運動の次は発声練習。まあ、普通の流れだよね。


 考えることもなく、モチーフは決まりました。


 発声と言えば腹式呼吸。これは常識。しかし、関わったことのない人が知っているのか?


 そこで、経験者なら「ありえね〜!」と言うぐらい腹式呼吸を知らないことにしました。


 実際、役者目指して腹式呼吸知らないなんて……。


 しかし、仕方がありません。読者置いてきぼりにはできません。


 なんで横隔膜知らないの! 教えたよね! 腹式呼吸の基本!


 心の叫びが止まりません。こんなやつリアルでいたら退団してくださいと言いたくなることでしょう。


 ……説明って難しいよね。


 胸式呼吸と腹式呼吸の違い、それを理解していないヒロインのセリフで、しかも説明ゼリフにならないように語る。


 ……困難! まあ、雰囲気だけ分かればいいか。

 長考してはいけません。書きながら辻褄合わせます。


 結局は分かったような気にさせ、エロ展開に移ればいいのですよ。そうですよね!



 思考をエロに移します。


 腹式発声って、やたら腹筋が動きます。そうだ、触らせよう! 何だったら男性に服を脱がせましょう。腹筋割れていたらいいよね。


 そして男性の肉体美が現れ、ヒロインが上半身裸の男性のお腹を触ります。


 …………、まずい! 発注書からズレた!


 そう。男性は基本モブでなければいけなおのです。身体的特徴は書いてはいけない。なぜなら視聴者は、かわいい声優さんの声が、自分に向けられているように聞いているから。こえけん作品を音声で買って聞いているリスナー、腹筋割れていると思う? 想わないよね。


 1話目に、「背が高いですね」とか、「手が大きいですね」とか書きましたが、あれはヒロインから見ての感想です。自分より小柄なヒロインをイメージすれば、例え身長が160センチなくても大きいのです。比較はギリギリセーフなのです。


 しかし、シックスパックに割れた腹筋はまずい。具体的過ぎます。


 3秒手を止め、続行! ええい、

キツめのエロ展開にするから許して! あたまの中切り替えられない!


 ……時間の制約が無ければ止めていた腹筋割れ。今回は勝手な締め切りのため、泣く泣く採用。私には時間がないんだ!


 ここから、エロ展開始です。



 先輩の体を触るヒロイン。声は男性の下半身辺りで聞こえるはずです。あ、これ指示書きしていなかった。もったいないことしました。しゃがんで触るとか書いときゃよかったよ。まだまだマイクの使い方イメージ出来てるいないね。


 しかし、エロさ成分足りない? 発注書通りにできなかった分はエロさ追加です。ヒロインが触られることにしましょう。


 服の上から触ってもいいのですが、もう一歩踏み入れ、服の中に手を入れ直接触ることに。うん、エロいね。背徳感あるよね。服の中っていうのがエロさ増します。私だけ? どうだろう?


 男性の耳元でたまに漏れる吐息。必要なのはこういうシチュエーションのはず。


 今読み返したら、案外あっさりとしているよ……やっぱりエロ苦手なのだな。

 

 そう陶磁も判断したのか、もう一度男性を脱がせ、またヒロインに触らせます。


 セリフ、あざとい感じでエロく聞こえるようにしましょう。





【2話目 エロパート】


「もう着ちゃうのですね。次は私? 分かりました。手を入れて下さい」


//SE シャツの中に手を入れるわすがな音


「あん。先輩の手気持ちいい。慣れて来たら恥ずかしさより、温かさか心地良いです。……いいから始めろ? 分かりました。まずは息を吸って。

『す――――』

『あ――――――――』」


「……」


「もっとですか?もっとお腹に力を入れて、ですね。


『す――――』

『あ――――――――』


これでどうでしょう? きゃっ! 先輩! 脇腹に置いた手を、お腹に持って来るのは反則です! いいからって……! 息を吸え? はい。


『す――――』

『あ――――――――』


お腹! お腹押さえないで! えっ? このくらい腹筋に力を加えて?……はい。やってみます。


『す――――』

『あ――――――――』(きれいな発声)


あっ、先輩! 声の出方が違います! もう一度やりますね。今度は一人でやりますから、お腹から手を離して下さい」


//SE 服から手をだすわずかな音


「やります!


『す――――』

『あ――――――――』


できました! 先輩は、これを教えるためにはお腹に手を回していたのですね。ちゃんと言ってからしてくださいよ。エッチなことされたのかと思ったじゃないですか」


「……」


「信用しています! ても、ほら、私も女の子なんですから」


「……」


「いいですよ。先輩だから許します。次はスタッカートですね。先輩! ちゃんと触っていて下さいね」


   (引用ここまで)



 ……今見ると、そんなにエロくないね。やはりエロ苦手みたいです。でもシチュエーションはエロいはず。声にしたらそれなりにエロく生らないかな?


 書いている途中で新幹線が東京に到着。乗り換えて書いて30分ほど経ってから書き上がる。字数は……ぎりぎり2500超えそう! もういいや。あっさりとしたシメを書いて2話目終了。残り2話か?


 ちなみに、タイトルは何度か変わっています。この時のタイトルは

『先輩と一緒〜ヒロインは私が勝ち取る〜』

です。


 今のタイトルは全部書き終えてから、2話目意識して、エロ釣りに変えました。





 今回の本編2話目はこちら

 みちのあかり、ギリギリのエロをチェックしましょう。


第2話 発声練習

先輩! 演技指導ってこんなにエッチなものだったの? 先輩の鍛えた上半身が眩しくて……ああ! 尊い/みちのあかり - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330662791526970/episodes/16817330662797327724


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