第66話 佐々木と健介

63

 休みの日はシアと二人で出かけることも多くなって来た。それだけダンジョンが世間に広まって冒険者の数が増えたのだろう。

 まあ、ドライブデートが多いけど、デズニーにも行ったし、色々と行った。

 陽菜と学、佐々木と彼女さんも調子いいようでなによりだ。


 放課後は中級ダンジョンの攻略をして、休みはそれぞれ過ごしている。


 みんなが集まった休みの日。

 みんなはもう上級に行ってもいいんじゃないか?中級が楽に攻略できているみたいだし。

「そうだな」

「いよいよ上級か」

「あーしも燃えて来た!」

「あんまり無理しないように行こうね」

「そうだね。怪我は私が治すから」

「いこー!」


 六人は上級ダンジョンに行っている。俺は監督だ。

「おらっ!」

「せい!」

「ファイヤーランス」

 前衛三人後衛二人に殿一人で難なく上級を突破していく。30階層あたりから怪しくなって来たのでそのあたりでレベル上げを行う。

「はぁ、ここら辺が限界か」

「もうちょっといけると思ったけどね!」

「最初から最下層までいけると思うなよ?」

「わーってるよ」


 みんな元気なく上がって来て疲れ果てている。まぁ、こんなもんだろ?

「これからだろ?」

「おぉ!あたりまえだろ?」

「こんなんじゃ負けてられないからね!」

 みんな強くなって来てるな!

 俺も負けてられないが、特級に行くのも疲れるんだよな?


 召喚士だからコン、ユキ、ナキが倒しても経験値は入ってくるけど、それじゃあなぁ。

 俺自身が強くならないと。


 まだこいつらの面倒見ててもいいか。


 放課後も上級ダンジョンに切り替えた佐々木達はレベルも上がって来ている。

 まぁ、彼女いる組は彼女のご機嫌取りをしないといけないがな。特に佐々木。

 佐々木の彼女はダンジョンのことを理解してくれているのでそんな事で愛想つかせるような人じゃないのはわかっているが、やっぱり少し寂しいらしい。


 彼女の適性は魔法使いだから、初級ダンジョンでたまに頑張っているようだ。もちろん女友達とらしいが。


 佐々木は彼女を守れるように上級です頑張ってレベル上げをしている。学ぶも一緒だな、健介はもうヤケクソで強さだけを求めている。

「オラ!彼女いる組へばんなよ!」

「なんだよ!自分だって作ればいいじゃないか!」

「カチンと来た!できたらとっくに作ってるっての!」

「ぼくや学ぶにあたるのは違うだろ!」

「そ、それはそれだ!」

「それくらいにしないとモンスター来てるぞ?」

「くそっ!おらぁ!」

「僕だって!」

 いいかんじに育って来てるのがわかるな。

 聖騎士と勇者だし、前衛二人が要だからな。


「よし!レベル上がったぞ!」

「僕もだ!」

「チッ!」

「なんだよ!」

 佐々木と健介はいまは犬猿の仲だけど1番仲がいい。いまは佐々木がとられてイラついているだけだろ?

 ほんと子供だよな健介って。


「黙ってられないのかよ!」

「う、うるせーな!」

「彼女を置いて来てるんだぞ?お前にわからないだろ?」

「わかるかよ!それで愛想つかすようなら彼女じゃねぇんじゃねぇか?」


「ゆなちゃんはそんなことしないよ!

「さあどうかな?」

「この野郎!」

「てめえこそ!」

 一度大喧嘩したくらいじゃこの関係は壊れないからな。

「ふん!モンスターお先に!」

「あっテメェ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る