第65話 大変身?


 と言うわけで買い物にやって来た。

 佐々木の親離れをするためだ。

「これなんか如何?」

「いろんな服があるんだね」

「そうだよ!ちゃんとおしゃれしないと」

 佐々木も元がいいからなんでも似合うな。

 いつもチェックのネルシャツだからな。

 悪いとは言わないが上まで止めるからダメなんだよ?後パンツインするし。装備つけてるとわかんないけどね。

「シアにこの服似合いそうだな」

「あ、いいかも!試着してみるね」

「どうかな?」

「可愛いよ」

「えへへ」

 うーん。俺の嫁が可愛い件。

「うん、これもいいじゃん!買っちゃいなよ」

「こんなに買うの?」

「たまにはいいじゃん」

 佐々木は月見と陽菜がついて回っている。

 健介はもう夏も近いと言うことで夏服を見てるな。


 

 買った買った。ぜんぶ俺のアイテムボックスに、入ってるけどな。

 佐々木は靴まで買っていた。

 まぁ、いつもわからないメーカーのシューズだったからな。

「これで後髪型を変えたらイケメンになるって!」

「え?髪も切るの?」

「うん、そのつもりで美容室も予約しといたから」

「うそー!」

「佐々木、頑張れよ!」

「僕も同じだったからわかるよ」

 学も同じ道を通ったらしい。


「まぁ、しょうがないから行くけどさ」

 あー、まぁご愁傷様です。 

 こっちはシアとデート、学と陽菜もデート、健介はゲーセンに行って、佐々木は美容室へと行った。


 久しぶりにシアとデートが楽しすぎて時間を忘れるところだったが、なんとか間に合った。

「おぉー。イケメンじゃん!」

「そ、そうかな?」

「これでマザコンじゃなければね」

「マザコンじゃないって!」

「サッパリしていい感じで垢抜けたよ」

「そ、そうかな」

「いいよ!ばっちし!」

「ありがとう」


 次の日の学校ではイケメンになった勇者佐々木は一躍有名人になった。


「どうだー?」

 健介が、佐々木に聞いている。

「ぼ、僕初めて告白されたよ」

「なーにー!」

「前からいいなって思ってくれてたみたいで」

「ふざけんな!そんなの変わったからだって!」

「やめろよ、おめでとう」

「えへへ、ありがとう」

「うっそだー、これで俺と月見だけじゃんかよ」

「一緒にしないでよね」

 月見はこれでもモテるのだから一緒にしちゃいけない。健介もよく見るとイケメンの類ではあるはずなのだが。

「まじつまんねーからさっさと中級ダンジョン行こうぜ!」

「ちょっと遅れるかもだけど」

「なーにー!」

「彼女を送って行ってから行くから」

「チッ!もうかよ」

「んじゃいきますか」

「「「「おう」」」」

「けっ!」

 健介の機嫌はモンスター狩りで遺憾なく発揮されたのであった。

「おらおらっ!ちんたらしてっとやっちまうぞ!」

「ヤンキーじゃん」

「チンピラね」

「うっせー!やってられるかっ!」

 と言いながらモンスターを斬り伏せている。もう中級も楽になって来たんじゃないか?

『あいつ面白いな』

「健介か?まぁ、あっちでもあんなだったんだろ?」

「うん、ただのイキリよ」

 陽菜が答える。

 でももう上級に手が届くのは健介らしいな。

 中級ダンジョン攻略をする。佐々木や学も頑張っていたが今日の一位は健介だろうな。

「っしゃ!」

ドロップは魔石とマジックバック、宝箱は300万円とスキルオーブ、鑑定だった。

「月見ちゃんよかったね」

「やったよぉ!これでお荷物解消だよ!」

「お荷物じゃないから、ほらオーブを」

「うん」

 これで月見が鑑定が出来るようになった。

「ありランダムオーブがまた溜まって来たからいるか?」

「「「「いる」」」」

 一人一つ渡していくと、健介が勇者のレイブレード、佐々木がルーンナイトのルーンブレイド、学が吟遊詩人のバトルボイス、陽菜は聖騎士のプロテクション、月見が医師の蘇生、シアは拳聖の彗星拳だった。

 まぁ、無難なとこだな、月見は聖女でこれ以上のものを覚えるはずだし、健介が勇者のレイブレードを手に入れたのは熱いかも知れないな!

「僕もまだレイブレード使えないのに!」

「よしこれでまたつよくなったぜ!」

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