第52話 天狗山ダンジョン
コンが動き回るの慣れてきた。
『お主らしくなったじゃないか』
「お前に合わせてるだけだぞ?」
『ちっ!子憎たらしいやつめ!』
「お前がな!」
3時のおやつは欠かさない。
『月光堂の大福を出してくれ!』
「はいはい、風月堂ね」
『違う!微妙な意地悪をするな!』
「ほんとにもう」
大福をだしてやる。
『もっちゃもっちゃ』
本当にうまそうに食うな。
どれ俺も一個“ペシッ”
『他人の物を獲るな』
「一個くらいいいだろうに」
俺はアイテムボックスからお菓子を出す。
『ふん!おまえなんてそれで充分じゃ』
「けっ!人間ばっかり食べてたやつが言う言葉かね?」
『ふん!もっちゃ、もっちゃ』
そして50階層について大暴れしながらレッドドラゴンと運動して今日の散歩は終わりだ。ドロップは魔石にマジックバック、宝箱には500万円とスキルオーブのランダム。
『その金でまた菓子を買っといてくのじゃ』
「はいはい」
『ではな』
最近は運動したくなると出てきてダンジョンに連れて行き、風呂に入りたがると出てきて風呂に入れてやる。
きまぐれなあいつらしい。
「校長、この前はありがとうございます」
「いや。あれくらいなら大丈夫じゃ」
「これお礼に」
「マジックバックか?」
「そうですね」
「ほしかったんじゃよ!いい革じゃのぉ」
頬擦りしている。
「んじゃ俺はこれで」
「これ、お茶でも飲んでいけ」
「はい」
「どうじゃ狐は?」
「もう人間は襲わないですよ。いまは和菓子にハマってますね」
「そうかそうか!よかったのじゃ!」
特級はあと3個もある。これがどう出るかだがまだ情報は入っていない。
「もうすぐ冬休みじゃが予定は?」
「家族で過ごすくらいですかね?」
「北海道にいってみんか?」
「はぁ、特級ですか?」
「そうなんじゃよ。どうもいつもより吹雪いているようでな」
「いいですよ、それくらいなら」
「そうか!旅費はワシが出してやるからな!」
「というわけで冬は北海道です」
「あーしらも行きたい!」
「ずるいですよ!」
「自腹で行くか?」
「それくらい奢ってくれても良くない?」
「まぁいいけどさ」
「「「「「やった!」」」」」
「んじゃ予定決まったら言ってくれよ!」
「校長も行くらしいぞ」
「らじゃ!」
「修学旅行みたいじゃね?」
「あーし服買いに行こう」
「あ、あたしも」
「わたしも!!」
しょーがないから特殊科全員で修学旅行だな。ほんとは2年で行く予定だったけど俺らは辞退したのだ。まだそんなになかよくなかったからな。
「校長が旅のしおりを作ってくれるらしいぞ?」
「なんだかんだで校長はいかないもんね」
「たのしみー!」
あとで校長に言っとかないとな。
「おお、あいつらもいくとな!こりゃ楽しみじゃワイ」
校長も喜んでいる。
「よろしくお願いします」
「おう。ワシも久しぶりに頑張っちゃうもんね」
旅のしおりとおりだと。来た来た。
「悪りぃ車が止められなくて探しちまった」
「あーしらは、わるくないでーす」
「良い良い、間に合ったんじゃからの!それじゃあ特殊科アンド家族の修学旅行じゃ!」
「「「「おおー」」」」
これた親は全員の親だ。陽菜は片親らしいけどな。一週間あっちで過ごすつもりだ。
飛行機で札幌まで空の旅だ。
「うー、こあい」
「シア大丈夫だよ?」
「手握ってるから」
ってのも束の間で、
「お菓子ちょうだい!」
こうなる。
札幌からは俺だけちょっと離れる。小樽市の天狗山に行かなくてはいけない。
この日程は二日から三日に決めている。
俺も遊びたいしな!
「じゃあな!またあとで!」
「がんばってよ!」
「お土産買っとくからね」
小樽に向かい天狗山に着くと猛吹雪だ。
『こっちじゃな』
「ありがとう」
『なんのことじゃ?遊びに来たのにワシを忘れるとはけしからん!さっさと倒して戻るぞ』
コンに連れられて入ったダンジョンは冷たすぎるな!
『かーーー!!!』
コンがあったかくしてくれた。
「おお!動きやすい!」
『さっさといくぞ、そんなに持たんからな』
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