第47話 将来


『よく倒せたのぉ』

「しってたな?」

 九尾の狐は笑っている。

『全部教えたらつまらんじゃろうが』

「流石に焦ったぜ」

『帽子が本体とは限らないからな』

「そうなのか?」

『魔人は種類が多くてのぉ、弱点が一つ一つ違うんじゃよ』

「しかも中級にいたぞ?」

『彼奴らはダンジョンならどこでも異動できるからの』

「なんだよそのチートは?」

『チート?知らぬがそのようなもんじゃ』

「また魔人の情報があったら教えてくれよ?」

『さぁ?勝てたらな』

「なら教えるって事だな」

『その減らず口を黙らせてやるわ』

「その自信はどこからくるんだ?」



 特級ダンジョンを出て、宝石を探しにピッケル片手に上級ダンジョンの下層を崩している。ここら辺にあった!ダイヤの岩石を発掘していたのだ。


 これで婚約指輪も完成したも同然だな。


 アイテムボックスにしまった。


 夜な夜な彫金師のスキルで婚約指輪を作成している。中々の出来栄えなんではないだろうか?後はダイヤを加工して埋め込むだけだな。


 シアとも一つ屋根の下過ごしているので親公認だな。高校を卒業したら結婚だ。今から楽しみで仕方ない。


 あとはダンジョンとの兼ね合いだな。俺は冒険者になろうと思い、いままでやってきたが彫金師などやってきてそれでも食えていけるのであればそっちの方でもいい気がしてきた。

 とくに危ないので心配かけるのは良くないと思っている。

 流石に九尾の狐などは俺が行かないといけないかり行くけども他のダンジョンは他の冒険者が頑張るべきだと思ってる。


 俺だって出来たんだ特別な事は一つもしてないジョブチェンジはしょうがないけど、なんなら剣士だけでも高みに登ってる人がいたのに何を甘えたこと考えてるんだ。

 初級で十分にレベル上げして中級に行けばいい。金なんていくらでも稼げるじゃないか!

「と、熱中しすぎたな。早く寝ないと」

 俺は片付けをして寝ることにする。


 次の日も秋晴れでいい天気だ。

 昨年の今頃帰ってきたんだよな。

 魔王さんは元気だろうか?

 出来ればあってお礼が言いたいところだがそれは無理だろう。


 きょうは休みなのでゆっくり家にいるつもりだ。

「よっ!隼人」

「健介どうしたんだ?」

「たまには遊ぼうぜ?俺達高校生なんだしさ!」

「良いねぇ、ゲーセンでも行くか!」

「よし決まり!佐々木達も連れてきてんだよ」

「そうか、ちょっと待ってくれ着替えてくる!」

 そうそうこんな感じだ!毎日冒険者なんてやってると自負が高校生じゃない気がしてたんだよな!


 そのあとはゲーセンに行って死ぬほど遊んだな、カラオケで喉が潰れるまで歌ったりもした、ファミレスでドリンクバーなんて久しぶりだな。

 佐々木達も遊び疲れたみたいで飲み物を飲みながらだべっている。


「今日は楽しかったぜ」

「こっちこそ楽しかったよ」

「これからもちょくちょく遊ぼうぜ」

「だね」

 こんな感じで遊ぶのも悪くない。

 俺らだけ19歳の高2だからな。

「卒業したら何やるか決めてるか?」

「とりあえずは冒険者かな?」

「なんで?」

 冒険者なんて危ないじゃないか。

「何かあった時に守れるように」

「わかるわあ」

 なるほどね。

「隼人くんは?」

「彫金師でもやろうかな?」

「それこそなんで?」

「冒険者は危ないじゃないか」

「あははそれを隼人くんが言うの?」

「俺は平凡に暮らせればそれで良いのさ」

「無理だろ?」

「うん無理でしょ?

 無理じゃないだろ?

「なんでだよ?」

「他がほっとかないし、トラブルメイカーだから?」

「だれがトラブルメイカーだよ」

 最近は忙しかったけど、

「隼人君の周りで何か起こるし」

「そんなことないだろ」

「最近だけでも考えて見ろよ」

 校長に黒服、あと魔人。

「…」

「やっぱり起こってるじゃん」

「黙秘で」

 あんなのはイレギュラーだ!

「それより学もマジックバックいるか?

「あ、あるなら欲しいかも」

「ならやるよ」

 アイテムボックスからマジックバックをとりだす。

「へぇ、こんな感じなんだね」

「最近マジックバックが手に入りやすくてさ」

「なんだそれ?普通は手に入りにくいぞ?」

「そうなのか?あとスキルオーブランダム」

「あーそれは手に入りやすいな」

「これが一緒に出ることが多いんだ」

「あー。ちょうど辻褄が合うんじゃねーか?良いものと悪いものとで」

「ランダムは悪いものなのか?」

「何が当たるかわからないからな、運次第だ。だから一回100万円ってとこか、マジックバックは一千万円以上するし」

「こ、こんなの貰えないよ」

「あげたから貰っとけ」

「え、う、うん」

「警察官にあげたら瞬歩だったぞ?」

「すげー当たりだな!」

「ランダムいるか?」

「「「いる」」」

「ならほい」


 三つ転がすと1人づつ使っていく。

「お、ホーリーブレードだ」

「僕はヒールだった」

「僕は闇の衣だ」

「みんないいのじゃないか?」

「だな」

「とったひとによるかもよ?」

「そうなのか?」

「多分だけど。運のいい人がとったランダムだし」

「運は悪いだろ?」

「「「あははは」」」

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