第40話 校長の頼み事2


 めんどくさかったがやっと50階層に到着した。扉を開けると、ブルードラゴンだった。

「さっさと終わらすぞ『抜刀一閃』」

 ブルードラゴンは塵になり消えて行く。あとに残ったドロップ品は魔石とスキルオーブ、鑑定だ。宝箱には500万円とスキルオーブのランダム?ランダムで、スキルが手に入るのか。まあいいや、とアイテムボックス にしまうとダンジョンコアに消滅を命じて外に転移する。

「ど、どうなさいました?」

「消滅しますよ」

「よ、良かったぁ」

「ではこれで」

「あっ!これをお持ちください」

「これは?」

 何かの紙だ。

「消滅証明書となります」

「はい。わかりました」

 とアイテムボックスにいれて置く。


 次は匝瑳市ってところか。

 電車でまたいどうする。

 ここでもまた警察が怖い顔で立っているが、俺がきたことを聞くと安心した様に笑顔になると、通された。

「ここもまた多いな」

 階層を降りて行くとモンスターだらけだ。いつ外に出てくるかわからない状態だなぁ。

 次々とモンスターを倒してドロップを、アイテムボックスにいれる。

 途中から眠気が来たがそんな暇はないな、モンスターは寝ないのかな?

 とバカなことを考えながら倒して行くモンスター。

 50階層に到着したのは夜中だった。

 扉を開けると今度はグリーンドラゴン。

「もう、いいや『一閃』」

 塵になって行くモンスターと大欠伸をする俺、ドロップは魔石とスキルオーブのランダム?多いのか?宝箱には300万円とスキルオーブの採取が入っていた。ダンジョンコアに消去を命じて外に出る。

「終わりましたか?」

「はい。あの、どこか寝れるところはありますか?」

「車の中で寝てください。次のところはどこですか?」

「ここですね」

「なら近いのでお送りしますからその間に寝ててください」

 優しい警察の人だなぁ。

「ありがとうございます」

 パトカーに乗るなんて初めてだけど、そんな感想もなく眠りについた。


「おはようございます」

「あ、おはようございます。もしかして着いてましたか?」

「ちゃんと寝てないと危険なので待ってもらってました」

「あ、ありがとうございます!」

「朝ごはんがまだですのでコンビニのパンですが」

「お気遣いありがとうございます」

「これくらいしかできませんので」

「あ、これランダムなので受け取ってください」

「えっ、スキルオーブじゃ無いですか?!」

「ランダムらしいんですよ、良いのが当たると良いですね!」

「あ、ありがとうございますでは」

 オーブが胸の中に入って行くと。

「やった!瞬歩というスキルでした!」

「良かったですね、これでパンのお返しになりました」

 その後は少し話をして紙をもらった後、帰っていった。

「それではこちらをお願いします」

 かなり緊張状態の様だな。


「では入ります」

「ご武運を!」

 中に入ると1番やばかった、モンスターがもう出てくる寸前で、斬っても斬ってもあとから沸いてくる。

「『フレグマ』」

 無属性の範囲攻撃だ!モンスターが押し潰されて行く。よし、いまだ!

 中に入って行くとそこはモンスターパラダイスだ!斬って斬って斬りまくること、一時間。やっと落ち着いたかと思ったら第二波かよ!


 結局半日以上かかって50階層に到着した。

 扉を開けるとレッドドラゴン。

 なんでドラゴン系ばっかりなのか!

「『抜刀一閃』終了!」

 ドロップは魔石とマジックバック。マジックバックってもしかして貴重なのか?

 宝箱からは500万円とスキルオーブ、プロテクションだった。


 ダンジョンコアに消去を命じて外に出ると、歓声が湧き起こる。

「よかった!無事で!本当に!」

「ありがとう」

 警察の方々も怖くて仕方なかったみたいだ。そして俺のことも心配してくれたんだな。

「次はどこだい?新幹線で行ったほうが早いな!駅に向かうぞ!」

「ハッ!」

パトカーで駅まで乗せてもらいお礼を言って新幹線に乗る。次は茨城県鹿嶋市だ。

 はまなす公園というところらしいのでタクシーで向かい警察の人に名前を言うと通してくれるが、

「こんなガキが攻略できるのかよ!」

「だからあなたには関係ないでしょう」

「俺が攻略してやるからどけや!」

「公務執行妨害で逮捕しますよ?」

「できるもんならしてみろ…や」

「じゃあ、ここはお願いしますよ」

 俺が出てきたことにビックリしたのか怒鳴り声が鳴りを顰める。

「お、おう!やってやるよ」

「いいですね?」

「あなたがいうなら良いでしょう。その代わり死んでも知りませんよ?」

「分かってるよ!」

 勇気を持って中に入って行くと十秒もしないうちに戻ってきた。

「あれ?貴方がやるんじゃないんですか?」

「無理だ!あんな多さのモンスターなんて!ここら辺避難させろや!」

「じゃあ僕の番ですね。どいてください」

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