第39話 校長の頼み事
「なに、上級ダンジョンを一つ潰して欲しいだけじゃ」
「おれは高校生ですよ?」
「規格外のな?単位は大丈夫にしてあるから行ってくれんかのぉ」
「やっと、まともな生活に戻れると思ってたのに」
「あはは、無理のようじゃのぉ」
「で?どこですか?」
「新宿の上級ダンジョン」
「はぁ、今帰ってきたばかりなんですがね」
「頼むぞ?」
「はいはい」
アプリで場所を確認して新宿駅に到着すると、目的の場所まで歩いて行く。
とあるビルの中にあるらしく、ダンジョンができて困っているそうだ。
「アポは取ってあると思いますが皇です」
成金趣味の嫌なところだな。
五階のフロアにダンジョンがあった。
「さっさと壊して帰ろ」
中に入ると虫系のダンジョンの様だ。
火がよく通るね。
炎系のスキルを使って燃やして行く。
さっそく50階層に到着したので中に入るとでっかいカマドウマが、背筋が凍るのでさっさとら燃やし尽くしてしまう。ドロップは魔石と魔術書。宝箱からは500万とスキルオーブの跳躍、待ってなかったので俺が使うとダンジョンコアに手を当て、
『ダンジョンを消去しますか』
「ハイ」
『転移陣を起動します。ダンジョンデリート』
はぁ、これで仕事は終わりだな。
「じゃあ帰りますんで」
「お、お疲れさまでした」
さすがに疲れたので家に帰る。
「終わったぁ。もうやんねーぞ!」
ベッドにダイブして、眠りにつく。
「ハヤト?隼人ー?」
「うん?…あ、シアか」
「お疲れさま」
「うん、つかれたよ」
「ごめんね起こしちゃって」
「いや、起きるよ。シアは今帰ってきたところ?」
「そうだよ」
制服を着ているのでそうだろうと思った。
抱きついてみる。
「な、どうしたの?」
「いや。このまま」
「もう」
優しく頭を撫でてくれる。
よし!元気出たぞ!
次の日に校長室に行き、ダンジョンの消失を確認したと連絡があったらしい。
「僕はこれでも高校生なんですからやめてください」
「いや、わかってるんだがどうにもならん案件があったからなぁ」
「それにあんなの自衛隊にでも任せればいいじゃないですか?」
「それがそうもいっておれんのじゃ」
「と言うと?」
「やつら弾が効かんのじゃ」
「効きますよ?狙いが悪いとか?」
「ジョブで兵士や銃士のことじゃろ?」
「そうですね」
「数が足りん」
「そんなことで俺を使うんですか?」
「しょうがないじゃろ?強い戦士がひつよあなんじゃ」
校長は汗をかきながら言うが、俺にも学校があるんだからちゃんと考えてほしい。
「ほんとにどうにもならない時はしょうがないですけど、それ以外はそっちでどうにかしてくださいね」
「それは分かっとる」
「じゃあ、これはなんです?」
俺の前には資料がたくさん並んでいる。
「こ、これは重要な案件でのぉ、人が足りんところの書類じゃ」
「やらない」
「そこをどうにかお願いしたい」
禿頭を下げる校長に、このコーヒーをぶちまけたいが、我慢する。
「警察もいるでしょ?それに、冒険者も」
「危険な場所だからじゃ、冒険者はやりたがらん」
「僕ならいいってことですか?」
「いや。そういうわけじゃないんじゃが」
「はぁ。分かりましたけどこんなのいちいちやってられないですよ?勉強だってしないといけないのに」
「そこははい、なんとかします」
資料は五つ、どれも上級ダンジョンだ。
「はぁ、2日半、三日は貰いますからね」
「おお。報酬もちゃんと出すからな」
「当たり前です!」
遠いとこから行くか、南房州のほうか、クルマで行くと時間がかかるので電車だ。
その場所に来ると警察がこわばった顔で待っていた。
「あの、皇と申します」
「はい!聞いております!よろしくお願いします」
はぁ、連絡済みかよ。
「じゃあ半日くらいはかかるんで」
「は、半日で?!」
「はい、長いですか?」
「い、いえ、お気をつけて」
中に入るとモンスターが沸きまくっている。倒しながら進むとレアモンスターがいた!
「ほんといやになるなぁ」
テナガザルの様な四本腕のモンスターだ。
『一閃』
とりあえず仕留めておくとドロップ品でマジックバックを落とした。
アイテムボックス に入れる。
また階層を下って行くのも大変なほどのモンスターだ。だから誰もやりたがらないんだな。
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