第31話 二年全体


 毎日潜って飽きないのかね?

 また初級ダンジョンに付き合っている。

「オラオラ」

「どっちが悪者かわからないや」

 俺もあんなだったのかな?

 10階層を攻略してドロップが魔石と魔導書、水魔法だった。宝箱はいつも通り10万円とスキルオーブ。怪力だった。

 欲しい人だけじゃんけん大会。

 その後はカラオケ大会である。

 高校生っぽい!俺高校生っぽいな!


 俺たちより後に入った3組はもう別の場所で打ち上げしてるだろうな。

 と思ったらガヤガヤしてるなぁ。3組の奴らがきていてシアが乱入してきた。

「お前は3組の方に行きなさい」

「やだもん!隼人の横は私だけ!」

「まじかよ!やっぱりマジだったのかよ!」

 男どもが阿鼻叫喚しているが、女の子たちは楽しんでいる。

 宝箱から出る一日十万円はクラス資金として委員長が管理している。この、カラオケ代もクラス資金から出している。3組も同じようにしているらしい。魔石は皆んなが一つづつ持ちたいらしくて、そうなると人数分いかないと行けないらしい。


 次の日学校に行くと、俺たちが初級ダンジョンに潜っているのを知っている奴が出てきた。

 そうなると1組と2組もなんだか騒がしくなってきている。

「隼人!」

「なんだ健介か?」

「なんだじゃねえよ!余計なことしやがって」

「ん?余計なこと?」

「お前らが初級ダンジョンに付き合ってやってるから俺たちも行きたいってみんなが騒いでるんだよ!」

「隼人君」

「なんだよ、佐々木もかよ?」

「あ、健介君も?」

「あぁ、せっかく中級でレベル上げしてたのによ!」

「僕達もそうだよ」

「まぁ、クラスメイトだからすこしくらいはやってやるのもいいかなぁーってな」

「こっちはいい迷惑だぜ」

「初級ダンジョンなんてもう攻略してるよ」

「俺はついて行ってるだけだぞ?」

「ならクラスメイトだけで行けって話だよな?」

「いや。一応俺たちもクラスメイトだろ?」

「「はぁ」」

「行くしかないみたいだな」

「そうだね」

 俺だって毎日はつらいんだよ。

「でも4組はどうすんだ?」

「僕らいないし」

「俺は1人だぞ?」

 んー、っと考えてると。

「隼人が行けば?」

「そうそう、俺たちだけでも初級なら大丈夫だからさ」

 とクラスメイトが言うので、

 なら行くとするか。

「わかったけど危なくなったら逃げろよ?」

「おう!」


 4組に行くと、ザワザワしているが、

「初級ダンジョンに行きたいと思ってる?」

「「「「はい!!」」」」

「なら放課後俺がついて行くからよらしくね」

「「「よろしくお願いします」」」

「はぁ、俺の放課後が」


「武器待ってない奴は渡すから言ってくれ」

 武器を持ってないやつに初級武器を渡す。

「ええい!」

「もっと腰を落として狙ってね」

「はい」

 アドバイスしながらダンジョンの最奥の10階層まで来て、

「もしだめなら俺が入るから」

「「「はい」」」

 扉を開けるとホブゴブリン。何遍もすいませんね。

「とりゃ!」「せい!」「おりゃ」

 タコ殴りでホブゴブリンが消えるとドロップ品に魔石と剣があった。剣を貸していた人に渡して貸していた剣を返してもらう。

「ふおおおぉぉぉぉ!!」

 宝箱を開けて十万円とスキルオーブ、瞬足のスキルオーブだった。ジャンケン大会が始まって女の子が受け取っていた。

 そして決まってカラオケだ。

 1組から5組までで部屋は分かれているが知り合い同士で、行き来している。

「今日見た限りだともう少し一緒に行ったほうがいいね」

「あーしもそう思うわ」

「陽菜久しぶりだな」

「まーね、あんたがやり出したんでしょ?」

「成り行きだよ」

「まぁ、いいことじゃない?」

「だよな、いろんなこと経験していきたい道決めるのにも」

 全員が全員冒険者になるわけがない、一応冒険者学校とは名ばかりの普通の高校だからな。

「5組はもう独り立ちしたの?」

「さっき聞いたら余裕だったっていってたな」

「そっか、そこまで持っていけばいいんだもんね」

 なんにせよ、これで学校の二年生は初級ダンジョンを攻略したことになるわけで、三年よりも先に行ってるかもな。


「もう面倒ごと起こさないでよ?」

「なんで俺?!」

「こうなったのは誰のせいかなぁ?」

「…俺」

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