第30話 クラスの友達


 あれからくれくれ攻撃をくらうが、最初の一本しかないといい、諦めさせた。まだいっぱいあるけどね。

「えへへ、貰っちった!」

「ちゃんと手入れしろよ?」

「わかってるよ!」

 まぁ、そんなに錆びることもないだろう?

「初級ならダンジョン付き合ってよ」

「あ、それなら俺も!」

「わたしも」

「お前がいらんこと言うから」

 千聖はペロッと舌を出す。

「いいけど自分達で倒すんだぞ?」

「「「おお!」」」

 しかたないか、初級ダンジョンなら簡単だしな。


 放課後には2年5組の生徒が集まって初級ダンジョンに潜っていく。

「せりゃ!」

 ドロップ品に変わる、よろこんで拾うと。

「この剣凄いよ!」

「まだまだだよー」

「らあっ!」

 素手の子もいるな。

「これ使いな」

 剣を渡して行く。

「ありがとう」

 10階層のホブゴブリンを倒したのは千里だった!

「やった!ドロップは魔石と魔導書だ!」

「宝箱があるぞ」

「罠はないから開けていいぞ」

「うおっ!十万円とスキルオーブ!」

「鑑定してやるよ、身体強化だな」

「ジャンケンだジャンケン」

 勝ったのは女の子だった。

 スゥッと入っていきスキルを獲得したみたいだ。

「良かったな」

「火魔法の魔導書は回し読みして覚えろよ」

「「「おお!」」」

 意気揚々に出て行くとカラオケである。

 みんなで10万を使い切る勢いで遊んでいる。

「あのありがとうございます」

「あぁ、ジャンケンで勝った子だよな」

「はい、桃山香モモヤマカオリって言います」

「そっか、香も頑張ったな!」

「はい!これからも初級ダンジョンを攻略していきます!」

「そうだな、レベルあげ頑張れよ」

「んー、嫁に言いつけるぞー!」

「??何をだ??」

「他の女の子といちゃついてたって!」

「いちゃついてないだろ?」

「それより千聖も強かったぞ!」

「あやぁ、照れるなあ」


 カラオケも終わりみんな帰って行く。

「俺も帰ろっと」

 車に乗って発進する。

 今日でクラスのみんなと仲良くなれた気がするな!


 次の日にはまた行こうぜとか魔導書の読み回しをしている。やっぱり高校生だなと思いながら見ているとなぜか冒険に行く時は俺は強制参加らしい。

 いまどき初級ダンジョンで得るものはないんだけどな。

「しっ!」

「とりゃ!」

「腰が引けてるぞ」

「ファイヤーボール!」

「おお!いいかんじだな」

 みんなの成長を肌で感じる。

「そい!とりゃ!」

 千聖はレベルが上がったのだろう。剣を軽々と振り回している。


 香も身体強化を使って敵を倒して行く。

 この2人はずば抜けてるな。

 10階層を攻略すると魔石とジョブオーブが出た。確認すると旅人だったので譲ってもらった。

「ジョブを集めてるの?」

「あぁ。そう言う職業なんだよ」

「ふーん」

「宝箱開けるね」

「10万円とスキルオーブだ!」

「スラッシュのスキルオーブだな」

「うっし!今度は負けねぇ」

「ジャンケンだ」

 勝ったのは金田大地カネダダイチという男の子だった。

「やったぁー!」


「じゃあ、今日はジョブオーブを貰ったから俺の奢りだ」

「焼肉」

「いいねぇ!」

「遠慮しろや!」

「焼肉ダァ!」

 しょうがないから焼肉に連れて行きますよ。腹一杯食べて満足そうな皆んなだ。

「食った食った!」

「ご馳走様でした」

「あぁいいよー」


 みんな帰っていき、ってなんで千聖が残ってるんだ?

「動けない送って行って」

「くいすぎだろ!」

 しかたないので後部座席に乗せてこの前のところまで連れて行く。

「いやぁ、持つべきものは友達ですなぁ」

「友達を足に使うな」

「てへへ」


「じゃあまた明日な!」

「うん!今日もありがとう!」

「おう!」

 家に帰るとシアも行きたかったらしく、久しぶりにごねていた。

「初級ダンジョンなんて言ってもしょうがないぞ?」

「そのあとのクラスでのお楽しみがいいなぁ」

「3組でもやれば?」

「あ、そうか!明日月見ちゃんに言ってみるね」

 俺は旅人のジョブオーブを使い旅人になる。変わったところはないな。

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