第24話 ぼっちとライバル


 春ウララ。

 さて二年になったことで5組ある中で俺だけぼっちなんですけど。

 佐々木、針衣コンビが1組、倉木、矢作コンビが2組、如月、シアが3組、4組とばして5組に俺である。

 悪意がある。


 校長に直談判しに行こうとしたら教室が開く、

「席に着け」

 またこの教師、鬼塚である。

「席に着け、皇!」

“ガタン”

「この一年担当することになった鬼塚麗華オニヅカレイカだ!よろしくたのむ」

 何がよろしくだよ!

「何か言いたそうだな皇?」

「い、い、え」

「そうか、じゃー、出席を…」

 クソッタレ!やっぱり俺だけ!これは詐欺だ!校長に言って。

「あ、皇!校長が変えないからなと言っていたぞ」

「先手を取られた!」

 ……もういいや。

 このクラスで一年やっていきますよーだ!


「皇さん?くん?」

「隼人でいいよ」

「じゃあ、隼人で!私は千聖、佐野千聖サノチヒロよろしくね」

「おう、よろしくな千聖」

「特殊科からの人なんてどんな人が来るかと思ったよ」

「わるかったな普通で」

「いい意味でね」

 茶髪のボブカットで可愛い系の女の子だ。


「これわかる?」

「あー、これをここの公式に当てはめてやれば」

「おー、凄いじゃん!」

 二度目の二年は伊達じゃない!

 他の奴らは元気にやってるかな?



  ♦︎


「佐々木君!よかったよ!君がいて」

「針衣くんもよかったなぁー」

「隼人くんが一人になってしまったが1番大丈夫だろ」

「あはは、わかるね」

「僕らは一年乗り切れば後はどうにか溶け込んでいけるはず」

「そうさ、その心意気大事だよ!存在感をけすんだ!」




  ♦︎



「まぁ、一人じゃなくてよかった」

「だな、お互い頑張っていきますか」

「あーしは頑張らない、疲れるから」

「言葉のあやだよ」

「ふーん、案外真面目だねぇ」

「見た目が怖がられるだけだからな」

「ほうほう、眼鏡でもかけてガリ勉になったら?」

「ふ、ふざけんなよ!そんなダセェ真似できっかよ」



  ♦︎



「シアさんよろしくね」

「月見さんよらしくです」

「私昔から隼人のこと好きだったから」

「え?」

「私は負けないから」

「うん、私だって負けるつもりはないですから」

「ライバルとしてよろしく」

「わかりました」



  ♦︎



「でさ。酷くね?」

「あははそれは隼人なら一人で大丈夫だと思ったんだよ」

「くっそ!あの古狸!今度あの愛刀折ってやる」

「それはまずいでしょ」

 まぁ、千聖がいるからまだいいか、他の奴らは全然話しかけてこないからな。

「俺って怖い?」

「怖くないけど最初はそういうもんでしょ?」

 そうか?そうかもな。

「車通勤なんかしてる高校生なんていないよ?」

「だよな?徒歩でよかったんだけどさ」

「ならなんで?」

「一応みんなが車通勤したそうだったからかな?」

「ふーん、そうなんだ」

「あいつら俺がやらないとやらないんだよ」

「そうなんだ。他のみんなとは仲良いの?」

「仲良いぞ?シアは嫁だしな」

「嫁?ってお嫁さん?」

「おう、もう決まってんだ!」

「なんだ、まだ付き合ってるとこか」

「とりあえず高校卒業しなきゃな」

「そっかそっか」

 

 さぁ。高校二年になったぞ!

 後二年頑張りますか!

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