第15話 高校一年になりました
シアと学校に行く。シアは読み書き計算が苦手らしくいつも勉強している。喋れればいいと思うんだけどな。あ、免許の為か。
「あーしも免許とってきちゃった」
「俺も」「僕もとってきたよ」
「この6人はサッサと、とったほうがいいよ」
「俺も取りに行きたいけど母ちゃんがダメって言うんだよ」
健介らしくない、サッサととってるもんだと思ってた。
「母ちゃんが落ち着くまでは取れないかな」
「あぁ、しょうがないね」
「シアも取れてないんでしょ?」
「私はまだ戸籍がないから」
「あーね、すぐ出来るっしょ」
陽菜に励まされて嬉しそうなシア。
そんなに校長、力持ってんの?
「席に着け」
“ガタガタ”
「出席とるぞ、如月月見」
「はい」
「倉木健介」
「はーい」
「佐々木小太郎」
「はい」
「皇隼人」
「はい」
「針衣学」
「はい」
「矢作陽菜」
「あーい」
「シア」
「はい」
「全員いるな、じゃあな」
「ホームルームは?」
「いるか?」
「べっつにー」
陽菜が答えると、先生は出て行った。
「6人だとホームルームもやらないのかよ」
「健介も好きにすれば?」
「好きにしてもいいけどやっと帰ってきてこれだぜ?高校一年からやり直しってあんまりだぜ?」
「いいじゃないか、授業料免除に車通勤ありなんだから」
「隼人」
「俺はやりたいことができるまでの時間が増えたことに意義があると思うけどな」
5人は黙るが、一人はもう決まってる。
「俺は嫁さんを幸せにする」
「いやん」
全身で恥ずかしがるシア。
「そうだな」
「あーしは今んとこどーでもいいかな?」
「僕は強くなりたい!」
「僕も」
佐々木と針衣は強くなりたいんだな。
「私は…」
月見も迷ってるのか。何を迷う必要があるんだ?高校にもう一度通えて、冒険者としても成功できる。何も考えることはないだろ。
「私も強くなる」
結局それかよ。
まぁ、いろんな意味の強さがあるよな。
「車の免許取りに行かないとな」
「あーしもー」
「僕達も」
「私も」
「なんだよ、俺だけまだ取れねーのかよ」
「自動車学校には通えるだろう」
「そっか!おっし!」
一番誕生日が遅い健介。でもこっちで、三年経ってるからいま二十歳だぞ?まぁ、どっちみちどっちを取るかなんだよな。あっちで過ごした時間と、こっちで流れた時間。まぁ、両方使い分けるのが1番いいけどな。
「授業始めるぞ」
「あ、さっきホームルームで話し忘れたがこっちではお前ら18歳な」
大事なことじゃねぇかよ。
「まぁ、私は信じてないがあっちで一年位過ごしたんだろ?」
「過ごしたねぇ」
陽菜がまた相槌を打つ。
「なら18歳ってことだな」
「はーい!」
「じゃ、授業に入るぞ」
授業は退屈だった。シアは頑張っているな。可愛い。
窓の外を見ていると体育の授業と同時に冒険者の授業もやっている。
はぁ、いい天気だ。
「こら、寝るな皇!」
「ん、はい」
「一応やったところの復習のつもりで授業を受けろ!テストで赤点なんてとるなよ」
「はい」
まぁ大丈夫か、教科書を見ても分かるからな。佐々木や針衣も同じ感じだ。必死になっているのは倉木と矢作だ。こいつら勉強してなかったな?シアも必死だけどシアは読み書き計算が不得意だけど地頭がいいのかすぐに覚えるんだよな。
まぁ、俺もちゃんと聞くか。
昼は学食か弁当か売店。俺もシアも弁当だ。て言うか全員弁当だなぁ。親に心配かけたんだろうな。俺たちのせいじゃないけどな。
「皇くん」
「隼人でいいぞ?」
「じゃあ、隼人くん、冒険者の指導をお願いします」
「お願いします」
佐々木と針衣が俺のとこに寄ってきて言うことがこれかよ。
「まずレベルは?」
「38だよ!えへへ」
「なにがえへへだよ!低すぎる。せめて500は無いとな」
「え、えぇー!隼人くんは?」
「1000超えてるぞ?」
「「えええぇー!!」」
「だからお前たちはレベル上げからだな。弱くなってきたと感じたら次の階層に行けばいい」
「レベリングは?」
「俺はしないぞ」
「やってくれよー」
「やだ」
だれがそんなめんどくさいことやるんだよ。
「健介も陽菜もいるだろ?」
「だって、この中じゃ隼人くんが1番強いし」
「めんどくさいからパス」
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