第14話 冒険者免許と母さん


 次の日は朝から車で免許センターに行く。

基本的実技だけらしいが一応学科もある。

 それなりの力で実技はすぐに合格し、学科も基本的なことだけだった。

 一発合格で、免許取得した俺は早速ダンジョンに入りたいと言ったらダメだと言われたので、買取場はないのか聞いたらあるらしい。そこに連れて行ってもらい、今まで狩ったモンスターのドロップ品をアイテムボックスから出して売り、金を作る。

 親父に半分渡すとビックリしていた。


 こんなに儲かるのか冒険者はと思った。

 だって、ホブゴブリンの魔石で十万したぞ。親父にも数百万渡した。これから世話になるシアのためだ。


 学校には編入生として入ることになる。

 シアも特別に入れてもらったので七名だけの特殊科クラスだ。二年からは他と一緒となる予定らしい。


 先生は女の先生で鬼塚麗華オニヅカレイカ先生だ。スパルタで学問を教えてもらうが一年の問題だからさらさら解ける。一部の健介と陽菜以外はな。

 冒険学というのがあってもう免許取得した俺には関係ないみたいだ。

 みんな18になってるから取れるのに昨日は家を堪能したらしい。

 冒険学の実技でも佐々木ですら驚かれたくらいだからたかが知れてる。


 どうもやる気がないので勘違いで問題児認定されてしまった。


 さて、休みになったので親と買い物に行く、シアのものを色々買わないといけなかったからだ。母さんに任せて父さんとコーヒーを飲みながら話をしている。


 女の買い物は時間がかかる。

 黙って見守るもんだ。

 たっぷり二時間はかかったな。

「いやぁ、女の子ほしかったわぁ」

「わるかったな男で」

「シアちゃんかわいいからなんでも似合うのよ」

 母さんの喜ぶ顔が見れたとしておくか。

「じゃあ帰るか」

「あんたアイテムボックスってのあるんでしょ?シアちゃんのベッド買いに行くわよ」

「な、シア言ったな?」

「ごめん」

「まぁ、必要なもんだし買いに行くか」

「しかも父さんに小遣い渡したでしょ?」

「ギクっ!」

 俺は顔を振ると、

「やっぱりね?しかも大金を上げた」

「え?」

「ねぇ、なんで知ってるの?」

「これだけ長い間夫婦してると分かるのよ」

「父さん負けだ」

「あぁ、負けだな」

「ベッドは一番いいの買いましょう。ついでにソファーも買い替え時だったし」

「オォ。トンデクネ」

「あぁ、ゴルフクラブが」

「買いに行くか!」

「「うん」」

「うーん」

 まぁ高めのベッドと高級ソファーが手に入ったんだから文句は言えないな。

「父さんもソファーは満更でもなかったし。

「あ、ありがとうございます」

「いいのよ、娘になるんだから」

 後部座席ではペラペラよく喋るもんだな。

「あなた光月堂寄って、お菓子買わなきゃ、校長が動いてくれてるんだから」

「了解」

「よく気が回るな」

「当たり前のことよ、あなたも勉強しなさい」

「はーい」

 勉強になります。

 あ、俺車の免許も取れるじゃん!

 よし。取りに行こう。

「あんたまたなんか考えてるでしょ?」

「べっつにー!」

「はぁ、うちの男どもは」

 べつに免許取りに行くくらいいいだろ。


 家に帰るとベッドの設置や机も買ったからそれの設置。ソファーの撤去と設置をさせられた。

「便利ね!こんどから買い物ついてきてもらおうかしら」

「勘弁して下さい」

「もー」

「あ、あれがあった。はい、マジックバック」

「なにこれ?」

「いっぱい入るバックのこと」

「まぁ、いいのくれるのね!」

「シアが欲しがったからな、ちょうど母さんも欲しがると思ってね」

「グッジョブ!」

 グッジョブもらいましたー!

 テレビを見ると冒険者が急増中らしい。なんでも魔石エネルギーが、出来たとのことだ。へぇ、あの魔石からエネルギー抽出できたんだ!


 俺は近くのダンジョンに来ている。

 カードをかざして中に入るとダンジョンだった。ゴブリンが襲ってくるので片手間に倒し魔石を拾う。さて何階層まであるかな?

 結局は30階層までしかなく、ドロップもしょぼかった。外に出て買い取ってもらうと10万いった。おぉ、こんなとこで金儲けできるなんてね。


 家に帰るとシアが怒っていた?なぜ?

「ダンジョン行ったでしょ?」

「行ったけど?」

「私が免許取るまで我慢してよ!」

「えぇー、いいけど、だめなの?」

「私も我慢してるんだから我慢して」

「はぁい」

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