第13話 帰ってきた日本と変わった地球
光の奔流に流されていくといつもの学校の場所だった。空いてるスペースでよかった。
でも誰も知ってる奴がいないな。
「も、もどってこれたぞ!」
「あーし、泣いてもいいよね」
「僕達帰って来れたんだぁ!」
「やった、やったぞ!」
「ふえーん」
教室では授業中にいなくなった生徒が帰ってきたのでビックリして固まっている。
「シア、本当に良かったのか?」
「うん、いつまでも一緒」
「お、お前達はなんで格好なんだ?」
なんとか声を出したのは先生だった。いまはホームルーム中だったようだな。
「はい、俺たちは帰ってきたところなんで早退しますね」
「ま、待て、お前達がいなくなって大変だったんだぞ?まずは校長室に行こう」
「はい」
校長室に行くと校長が俺たちの姿を見てビックリしている。
結局は一年ほどいたのだからそれくらい開いてるだろうな。
「お前たちがいなくなって三年が経っている。そしてその格好は冒険者か?」
「は?何故冒険者を?」
「お前達がいなくなってからダンジョンというものができてな。いまはここは冒険者学校になっている」
俺たちがいったことで世界が繋がったのか?
「まぁ、いい、説明してもらおうか?」
みんな俺の方を見るから代表して俺が喋る。
「そうか、そんなことがあったのか。荒唐無稽な話だが、ダンジョンが出来た時期と重なるからな」
「それで僕らはどうなるのですか?」
「まずは全員二年だったが一年からやり直してもらう。年齢は隠して…それなりに力はあるのだろ?」
「はい」
「ならなんの問題もない。今親御さんに連絡しているから少し会議室で待ってなさい」
会議室かぁ、なんか懐かしいなぁ。
一番早かったのは健介の親だった。
「健介!」
「かぁちゃん!」
みんな涙の再開だ。
おれも親父に泣きつかれた。そしてあった出来事を報告した。
「隼人、よく無事で帰ってきたな」
「うん、こっちがシア、これから家に入れてもいい?」
「いいとも、もう嫁をもらえる歳だしな」
「そう言えば18になったんだっけ?」
シアも俺と同い年くらいだったはず。
「今はもう秋だぞ?隼人の誕生日はとっくに過ぎてる」
そうか、歳をとった感じはしないがな。
「それにシアさんは一緒に旅してきたんだろ?」
「あぁ、いろんな旅だったな」
「そうか。さて、そろそろ帰らないと母さんが心配してるからな」
「おう、行こうシア」
「はい」
家に着くと泣きじゃくる母さんは抱き止めたが、臭いと言われてまずはシアから風呂の入り方を教えて風呂に入ってもらう。母さんが面倒を見てあげた。そして俺も風呂に入った。久しぶりの風呂は格別だった。
風呂から出て久しぶりの家の飯は美味くて涙が溢れる。シアは美味しそうにスプーンでご飯を食べている。
見るものすべてが初めてのものなので車の時も驚いていた。でもなぜ話が通じるのかな?まぁ、俺たちも召喚された時から話は通じたからよかったけど。
「隼人、あれ何?」
「ん?テレビだよ。中に映像が映るんだ」
「凄いなぁ、こんなところで生活してたんだね」
そういうシアは校長が行政に掛け合い住民登録してもらうことになった。
そして住むところだが客間にシアの部屋ができた。
「今日からここで寝ること!俺の部屋に来ちゃダメだからね」
「えー、まぁ、お父さんお母さんがいるからね」
「まぁ、そういうことだな」
「遊びに行くのはいいんでしょ?」
「それは大歓迎だ」
夜は寿司をとってくれた。ありがたいことだ。
「遠慮なんかせず食え食え!」
「いただきます!」
「い、いただきます?」
「これが日本での作法だ」
「いただきます!」
ご飯を食べてゆっくりしてる頃にダンジョンのことについて聞いてみたら、16歳から免許が取れるらしく早く取りたいと言ったら次の日に連れて行ってもらうことになった。
シアはしばらくかかりそうなので俺だけだ。
「シアもダンジョン行きたいのに!」
「我慢も大切だな」
「ぶー」
ぶー垂れてるシアは可愛い。
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