第66話 昼休み

「やっと静かな学校生活が戻ってきたなあ」


「でも、まほろちゃんの追っかけが無くなってもここで集まるのね」


まほろ、はやて、あずきの3人は、学校の校舎の屋上で集まっていた。


今は、食堂でお昼ご飯を食べた後で、まほろとはやては屋上でゴロンと寝転び、あずきは座っている。


「誰も来ないし、天気のいい日はあったかいしさ」


「でも、もう少ししたら暑くなってくるわよ。春もそろそろ終わりだもの」


「この前入学したばっかやと思てたのに早いもんやで」


3人はのんびりとした時間を過ごしながら、何でもない話をしている。


「でも、とても充実した日々だったわ」


「せやな。色々あったわ。まほろちゃんに出会ってあずきちゃんとも友達になって、ガイちゃんとみれいさんに魔女の服と箒を作ってもらって」


「2人が空を飛べるようになったらはやてちゃんのお母さんのお墓参りに言ったよね。あの時のうどん美味しかったな〜」


まほろはうどんの味を想像して顔を綻ばせた。


「まほろちゃん、お昼食べたとこやで。でも、あの時は一緒に来てくれてありがとうな」


はやては、少し照れくさそうにお礼を言った。


「その後は私がお父様と喧嘩して」


「でも、ちゃんと話し合ったお陰で魔法の事認めてもらえたよね」


まほろの言葉に、あずきは頷いた。


「ほんで学生大会や! 入学した時はまさか優勝できるなんて思ってなかったで!」


「私も。これも、魔法を学んだおかげよね」


「違うよ。2人が頑張ったからだよ」


3人は、顔を見合わせてクスクスと笑った。


「私、今度は使い魔サーヴァントを見つけたいわ。まほろちゃんとファミちゃんの関係に憧れるもの」


「私もや! 夏の運動会までには出会えたらええなあ」


「こればっかりは巡り合わせだからね。でも、2人はどんな相棒サーヴァントがいい?」


まほろの質問に2人は少し悩むように黙った。


「私は鳥かな。撮影のときに綾乃先輩が仲良くしてるのを羨ましいと思ってたから」


あずきが先に答えを出した。


「私はまだ分からんわ。でも、早い相棒がええなぁ。魔女になる決意はしたけど、私体術しかできやんかった時は口寄せ動物と思いっきり走るのに憧れててん!」


はやては、漠然とした憧れはあるようである。


「2人の使い魔サーヴァントはどんな子になるんだろう。楽しみだね」


まほろが相槌を返した所でチャイムが鳴った。


「あ、予鈴や!」


「そろそろ行かないと午後の授業が始まっちゃうわね」


「んー! まだゴロゴロしてたいけど、教室に戻ろっか」


まほろは起き上がって伸びをした後、はやてとあずきに声をかけた。


3人は昼休みを終えて、教室ほと戻るのであった。


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