第46話 学生大会2日目 1 試合
学生大会2日目。
今日は観客を入れて、1試合ずつ専用リングで行われる見せる試合である。
観客席はまばらであるが、立ち見の人も出ている。
席が空いているのに立ち見が出ているのは、里長などの有力者が席を確保だけしてまだ来ていないからである。
まほろとあずきの父親は、仲良く並んで座って娘の試合を待っているが、大体の有力者は今日は三年生の試合がある午後から観戦に来る。
なので観客席は人がまばらなのだ。
まほろは、観客席を見てほっと一息ついた。
あずきの家は両親共に来ているが、まほろの家は父だけである。
母が来ればまた学校のことやらなんやらでうるさいだろうし、弟とも里の影響で少し気まずい為、父だけでよかったと思った。
まほろ達は第二試合なので、今はまだ入場前の通路であるが、前の試合がもうおわりそうである。
8グループが2日目に進んでいるが、8グループともAクラスと言う訳ではなく、Bクラスも3グループ勝ち上がってきている。
第一試合はAクラス対Bクラスのグループだったが、1-2の戦績でBクラスのグループが勝利をおさめた。
入学時のクラス分けは、初等学校の成績で決まる為、AクラスとBクラスでも以外と戦える。
というか、初等学校の成績の付け方によってはBクラスの生徒の方が現時点で優秀なんて事は全然ありえる。
これからの成長によって順位など入れ替わるし、Dクラスの生徒が急成長なんて事もザラなので、本当の実力順は二年になった時に変動するだろう。
まほろ達の試合の順番が来て、リングまで入場する。
まほろ達3人が入場してきた時に、観客席はざわついた。
変な服装の3人組で、しかもその1人はあのアイドルとしても有名な小鳥遊あずき。そしてまほろはトレードマークの箒を持っての登場だ。
まほろの父やあずきの両親は待ってましたとばかりに父2人が声援を送り、あずきの母がにこやかに手を振っているが、周りの観客達は、ふざけた格好の賑やかしがやって来たと思ってブーイングを叫ぶ観客もいた。
対戦相手は、同じAクラスの生徒であり、まほろ達の実力を知っているので何とも言えない表情である。
先鋒ははやて。
まほろ達は、3日目までは、属性魔法を使わずに進もうと、縛りを設けている。
はやては元々体術で
試合開始と共に魔素を足に集めて加速して相手まで近づくと、拳に魔素を纏わせたボディブローの一撃で、相手の変わり身人形が粉砕されて試合が終了した。
試合が一瞬で終わった事に、観客は一瞬にして静かになった。
続いて副将のあずき。
観客が静まり返った状態のまま試合が始まった。
あずきは、忍術主体の特訓を幼少期から行って来た為、あまり体術は得意ではない。
はやてに教えてもらいながら頑張っているが、ハヤテのように上手くはできない。
なので、この縛りありの試合では細かいコントロールを無視して一撃必殺を狙う。
試合開示同時、あずきははやてと同じように魔素を足に集めると、相手に向かって動き出し、そして、一足飛びに飛んだ。
先の戦闘を見て、予測していたのか回避のためか、防御の為かは分からないが、腰を落としていた相手の膝の上に軸足を着地させるとその勢いのまま、顔面に魔素を膝に集中させた膝蹴りをお見舞いした。
まほろの前世で《シャイニングウィザード》と言われたその技は、身代わり人形の頭部を木っ端微塵に吹き飛ばして試合が終了した。
対戦相手は、身代わり人形を見ながら自分の顔がついている事をでで確認してほっとしたのであった。
一撃で二試合が終わった事を理解したのか、それともあずきの戦闘のせいか、静まり返っていた観客達は歓声にわいた。
ちなみに。はやてもあずきもひらりとスカートが捲れていたが、女性忍者の必需品であるスパッツを履いていたので下着は見えていない。
観客が歓声にわく中、まほろもさっさと卒業試験の時の良いに魔素で全身強化と箒も強化して、相手を場外の壁まで吹き飛ばしてノックアウトした。
歓声の中、勝利を決めたまほろ達3人は、何事もなかったように控室に戻るのであった。
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